泡沫候補
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韓国
韓国では「群小候補」(군소후보)と呼ばれている[2]。韓国大統領選挙の場合には候補者乱立を避けるため法律で出馬時に供託金3億ウォンを供託することになっており、得票率10%未満だと全額が没収となる[2]。
2017年大韓民国大統領選挙
2017年大韓民国大統領選挙では、歴代最多となる15名が立候補した(うち2名は辞退)。しかし、国会に議席をもつ主要5政党候補以外の動向が個別に報道されることはほとんどなく(多くは「群小候補」として一括報道される)[37]、補助金などの面でも有力候補との格差が存在する。また公職選挙法82条2項の規定により、選挙放送討論委員会主催のテレビ討論会への参加資格が、国会に5議席以上の所属議員を有する政党候補、直前の選挙で得票率3%以上を獲得した政党候補、世論調査で平均支持率5%以上の候補と定められているため、テレビ討論会に参加することができない。これらのテレビ討論会に参加できない候補のためのテレビ討論会も別途あるが、放送時間帯が深夜となるなど、ゴールデンタイムに放送されるテレビ討論会との格差が指摘されている[38]。
2022年大韓民国大統領選挙
2022年大韓民国大統領選挙では、過去2度大統領選挙に出馬している国家革命党の許京寧候補が、主要野党党首や閣僚経験者らを上回り、支持率で3〜4位を記録するなど、注目を浴びた[39]。
脚注
関連項目
- 立川談之助 - 落語家。得意演目の1つに、新作落語「泡沫候補あれこれ」がある。
- 畠山理仁 - フリーランスライター。著書の『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』は泡沫候補(畠山自身は候補者へ敬意を表すため「無頼系独立候補」と表現)を中心に取り上げたノンフィクションである。
- 立候補 (映画) - 泡沫候補を追ったドキュメンタリー映画
- マック赤坂 - 長らく泡沫候補として扱われたが、2019年4月21日、港区議会議員選挙に当選した。
- スーパークレイジー君 - マック赤坂と同じく泡沫候補として扱われた。2021年1月31日、戸田市議会議員選挙に当選したが居住実態がないことを理由に当選無効とされる。2023年4月23日、宮崎市議会選挙に当選した。
- ドナルド・トランプ - 2016年アメリカ大統領選挙に出馬。当初は泡沫候補として扱われたがメディアの予想を覆して当選(一般投票の得票数ではヒラリー・クリントンのほうが多かった。)し、第45代大統領として1期務めた。2024年2月現在、再び大統領選出馬を目指して共和党候補者の座を争っている。
外部リンク
- 公開討論会Q&A 候補者への出席依頼(リンカーン・フォーラムのマニュアルより。泡沫候補を徹底して排除するよう強調している)
- 第26話 「黒い霧」と「張番」と 〜政治浄化への挑戦〜(『朝日新聞』元記者・藪内良宣による泡沫候補排除の論理)
- しょむ研泡沫ブログ(しょむ系政治勢力研究会ブログ版)
- ^ 大川豊 『誰が新井将敬を殺したか』 太田出版 1998年 ISBN 4872334108、同『日本インディーズ候補列伝』(DVD付) 扶桑社 2007年 ISBN 9784594053970
- ^ a b c “韓国の大統領選に「泡沫候補」が乱立する事情”. 東洋経済. p. 1 2017年10月4日閲覧。
- ^ 例としては、2016年東京都知事選挙に立候補した元労働大臣の山口敏夫は、僅か0.24%の得票数に留まっている。また、赤尾敏・小林興起・大久保三代などのように代議士経験がある人物であっても、本人の信条や行状により民心が離れていき泡沫候補化する例もある。日本国外においても、元ソ連大統領ミハイル・ゴルバチョフが1996年ロシア大統領選挙に出馬したものの、全ロシアで40万票にも満たない0.5%の得票数に留まった例がある。
- ^ 「平成18(行ツ)176 選挙無効請求事件」
- ^ 『別冊宝島356 実録! サイコさんからの手紙』 森岡健作「泡沫候補撃退マニュアル!!」 p.234
- ^ 岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』 文庫版p.286
- ^ 前掲、森岡 p.230 - 231
- ^ 前掲、森岡 p.229
- ^ a b 前掲、森岡 p.230
- ^ 前掲、岩瀬 p.291
- ^ 悩ましい「泡沫候補」の肩書き 2006/10/28 23:59(村山雅弥)
- ^ 公職選挙法施行令第88条の2により、衆議院解散又は議員任期満了から次回選挙までは解散時又は議員任期満了時に国会議員だった者も国会議員数に数えられる。
- ^ “新党日本、政党要件巡り招かれず”. 共同通信社 (日本経済新聞). (2012年12月1日)
- ^ “新党改革、公選法上の政党要件満たさず 重複立候補も禁止”. 日本経済新聞. (2014年12月1日)
- ^ 新社会党の場合は、本来全国政党ではあるが、勢力を残している地域は兵庫県神戸市、熊本県荒尾市など限られている。
- ^ 未来 2001・9・1 第24号「[資料]参議院東京選挙区選挙の総括(試案)」 (PDF) (共産主義協議会・未来)
- ^ “【石垣市議選】市議選、与党が14議席獲得 安定多数を確保”. 八重山毎日新聞. (2014年9月8日)
- ^ “石垣市議会議員選挙の開票結果(選管最終)”. 琉球新報. (2018年9月10日)
- ^ 赤尾敏『憂国のドン・キホーテ』 1983年 山手書房 赤尾の経歴は同書及び赤尾敏の項を参照。
- ^ 東郷健『雑民の論理』 1979年 エポナ出版 ほか。
- ^ 秋山祐徳太子独立行政法人国立美術館 所蔵作品総合目録検索システム
- ^ 秋山祐徳太子『泡沫桀人列伝―知られざる超前衛(2002年 二玄社 ISBN 4544020379)前書きに「泡沫のソムリエ秋山祐徳太子が愛をこめて綴る、純正泡沫烈士50名の恐れ入る人生」とある。
- ^ “【都知事選】"主要3候補"以外の報道時間は3% 非"主要"候補者が共同記者会見”
- ^ “前代未聞! 上杉隆氏ら都知事選候補6人がテレビの「偏向報道」に宣戦布告”
- ^ “都知事選「主要でない」候補者、「テレビ偏向報道」を批判 BPOに是正要求書を提出【都知事選2016】”
- ^ “公開討論会マニュアル”. www.touronkai.org. 2022年6月28日閲覧。
- ^ “2.候補者への出席依頼その②”. www.touronkai.org. 2022年6月28日閲覧。
- ^ 1/18予定の東京都知事選挙公開討論会中止に対するご報告 2014年1月18日 - 東京青年会議所。2014年東京都知事選挙の事例
- ^ 選挙:大阪市長選 あす告示 毎日新聞 2014年03月08日 大阪朝刊 - 『毎日新聞』。2014年大阪市長選挙の事例[リンク切れ]
- ^ “候補者の演説・インタビュー動画をネット配信 「発言はノーカット」が編集方針”. 河北新報オンラインニュース (2022年6月23日). 2022年6月28日閲覧。
- ^ 二大政党候補への投票を誓約して一般投票で当選した選挙人が、誓約に違反し選挙人投票で第三党の者などに投票する事例はその後もしばしばある。
- ^ Clarke, John (2012年10月17日). “Green Party candidate ARRESTED trying to enter presidential debate”. デイリー・メール
- ^ “Green Party Candidates Arrested, Shackled to Chairs For 8 Hours After Trying to Enter Hofstra Debate”. デモクラシー・ナウ!. (2012年10月17日)
- ^ 当選に必要な、大統領選挙人を過半数擁立した候補のみ。また、デモクラシー・ナウ!の討論会には、リバタリアン党のゲーリー・E・ジョンソン候補は参加していない。
- ^ “Exclusive: Expanding the Debate with Third-Party Candidates Jill Stein, Virgil Goode, Rocky Anderson”. デモクラシー・ナウ!. (2012年10月17日)
- ^ “米大統領選 「第3党」も討論会 国防総省予算削減■軍国主義批判■公平な貿易…”. しんぶん赤旗. (2012年10月29日)
- ^ “群小候補8人…色とりどり遊説現場”. KBSニュース9. (2017年4月30日)
- ^ “選挙公報物とTV討論会、群小政党候補は '悲しい'”. ヘッドライン済州. (2017年5月1日)
- ^ “トンデモ候補が韓国大統領選で異例の躍進 本人を直撃”. 産経新聞. (2022年2月9日)
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