法悦の詩 法悦の詩の概要

法悦の詩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 09:00 UTC 版)

スクリャービン(1905年)

概要

本作は、スクリャービンが神秘主義に傾倒した後期の代表作として知られ、本作が作曲された頃のスクリャービンは神智学協会と積極的に関わっていた。また、スクリャービン自身が時折、本作を自身の『交響曲第4番』と呼んでいたことから、交響曲として扱われる場合もあるが、作品の性質上むしろ交響詩に近い作品であり、現在では交響曲と交響詩の両ジャンルで扱われている。

邦題にある「法悦」は意訳であり、原語のまま「エクスタシー」として解釈するのが一般的であるが、この標題の意図については、性的な絶頂(オーガズム)を表すと考えるほかに、宗教的な悦びを表す(あるいは両者を包含している)という解釈もある。また、初演の前にスクリャービンが本作をニコライ・リムスキー=コルサコフの前でピアノで演奏した際に、リムスキー=コルサコフは作品の主題性などから、本作を「卑猥だ」と否定的な評価を下したといわれている。

初演は当初、1908年2月16日サンクトペテルブルクで行われる予定であったが、リハーサルが難航したことから延期し、同年12月10日モデスト・アルトシュラー指揮、ロシア国立交響楽団によってニューヨークで行われた。

楽器編成

ピッコロ 1、フルート 3、オーボエ 3、イングリッシュホルン 1、クラリネット(B♭管)3、バスクラリネット 1、ファゴット 3、ホルン 8、トランペット 5、トロンボーン 3、バスチューバ 1、ティンパニトライアングルシンバルバスドラムタムタムグロッケンシュピールチェレスタハープ 2、オルガン(またはハーモニウム)、弦五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラチェロコントラバス)。


  1. ^ a b c d e 菅野 1981, p. 344.
  2. ^ 属 1981, p. 445.
  3. ^ 菅野 1981, p. 345.


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