法悦の詩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 09:00 UTC 版)
概要
本作は、スクリャービンが神秘主義に傾倒した後期の代表作として知られ、本作が作曲された頃のスクリャービンは神智学協会と積極的に関わっていた。また、スクリャービン自身が時折、本作を自身の『交響曲第4番』と呼んでいたことから、交響曲として扱われる場合もあるが、作品の性質上むしろ交響詩に近い作品であり、現在では交響曲と交響詩の両ジャンルで扱われている。
邦題にある「法悦」は意訳であり、原語のまま「エクスタシー」として解釈するのが一般的であるが、この標題の意図については、性的な絶頂(オーガズム)を表すと考えるほかに、宗教的な悦びを表す(あるいは両者を包含している)という解釈もある。また、初演の前にスクリャービンが本作をニコライ・リムスキー=コルサコフの前でピアノで演奏した際に、リムスキー=コルサコフは作品の主題性などから、本作を「卑猥だ」と否定的な評価を下したといわれている。
初演は当初、1908年2月16日にサンクトペテルブルクで行われる予定であったが、リハーサルが難航したことから延期し、同年12月10日にモデスト・アルトシュラー指揮、ロシア国立交響楽団によってニューヨークで行われた。
楽器編成
ピッコロ 1、フルート 3、オーボエ 3、イングリッシュホルン 1、クラリネット(B♭管)3、バスクラリネット 1、ファゴット 3、ホルン 8、トランペット 5、トロンボーン 3、バスチューバ 1、ティンパニ、トライアングル、シンバル、バスドラム、タムタム、鐘、グロッケンシュピール、チェレスタ、ハープ 2、オルガン(またはハーモニウム)、弦五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)。
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