日本大相撲トーナメント 組み合わせ抽選会

日本大相撲トーナメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 12:06 UTC 版)

組み合わせ抽選会

第7回(1983年)までは、初場所の番付発表直後に抽選を行っていたが、この大会初日において、初場所にそれぞれ引退と途中休場の横綱・若乃花と同・北の湖が「休場」、大関・隆の里が体調不良で「休場」、大関・琴風(対戦相手騏ノ嵐)、同・若島津(隆の里)、関脇・北天佑(北の湖)が相手の休場で「不戦勝」と、8人いる関脇以上で相撲を取った力士が横綱・千代の富士と関脇・朝潮の2人だけという寂しい事態となり、この他にも休場した力士が2人いて、予定されていた幕内取組22番のうち6番が「不戦」となる問題点が浮上。翌年からは初場所終了後に出場がはっきりしている力士だけで抽選を行うことになった。

幕内トーナメントの競技方式

第1回(1977年) - 第9回(1985年)

2日間で1つのトーナメントを進行。1日目から2日目に16名が進出できる。1日目で敗れた力士は2日目の取組には出場できない。

第10回(1986年) - 第26回(2002年)

1日目・2日目別々のトーナメントを進行し、それぞれの優勝者が「総合優勝決定戦」で対戦。勝者がその年の優勝者と認定される。1日目・2日目の優勝者が同じ場合は「総合優勝決定戦」は行わず、その力士がその年の優勝者と認定される。なおこの方式は海外公演・海外巡業でトーナメント大会を開催する際に多く採用されている。

第27回(2003年)以降

1日で1つのトーナメントを進行し優勝者を決定する。

開催中止

2011年(第35回大会)

2011年2月6日に開催される予定だった第三十五回大会は、大会4日前の2月2日に明るみに出た大相撲八百長問題の影響により、開催中止となった。開催中止に至るまでの経緯、それに伴う対応と影響については次の通り。

フジテレビ社長(当時)の豊田皓2010年7月30日の定例会見で、一連の大相撲野球賭博問題を受け「相撲協会の改革がどこまで進むのか注視している。来年まで少し余裕があるので、推移を見守りたい」とコメントしていた[3][4]

2011年の第三十五回大会は当日、フジテレビ系列で16:05 - 17:20、文化放送でも16:00 - 17:30に中継放送の予定となっていたが、件の八百長問題により、フジテレビ広報部は2月3日、大会の開催ならびに放送を中止することを決定した[5][6][7]。すでにチケットはタマリ席(1万4000円)から普及席(大人1000円、子供200円)まで約9種類発売していたため、損害は1億円以上に上った[8][注釈 7]

当初は『日本大相撲トーナメント第三十五回大会』がアナログ放送としては最後の日本大相撲トーナメントの放送となる予定だったものの、『日本大相撲トーナメント第三十五回大会』の開催ならびに放送が中止となったため、『日本大相撲トーナメント第三十四回大会』の放送がアナログ放送としては事実上最後となった[注釈 8]

2021年(第45回大会)・2022年(第46回大会)

2021年の第四十五回大会は2月7日の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言の都内への発出を受け、当時初場所が開催中だった1月18日の段階で開催中止となった[9]

翌2022年の第四十六回大会は、2月6日の開催予定が決定しており、当初からコロナ感染対策を徹底するため、収容人員上限を5000人までに設定[10] し、チケットについても、最上級席の「タマリ席」と「椅子席A/B」は1席ずつ間引きした「市松模様」形式の配置、「マス席A/B/C」についても通常4人掛けの所を2人掛けのペア席に変更したうえで販売、さらに通常は「普及席(座席自由)」として運用している箇所を「椅子席B」に変更したうえでチケットを販売し、希望者にチケットとともに購入できる「相撲土産」(横綱セット・大関セット)の販売も行わないこと[11] という条件を付けてチケットが発売された。

また平年通り、十両・幕内力士出場の各階級トーナメント戦、安治川親方(安美錦)の解説・進行による「OB戦・井筒親方(豊ノ島)VS 春日山親方()」、「相撲普及講座」初っ切り=川本、栃満、行司:式守志豊、呼び出し:大将と、幕下力士と関取による稽古の実演コーナーからなる)を開催する予定になっていた[12] が、直前に力士など協会員の新型コロナウイルス感染が急増し、出場予定だった関取衆44名の欠場が決まったことから前日に開催中止(史上初の2年連続中止)となった[13][14][15]。上述のチケットについても希望者は払い戻しに応じる。

2023年、3年ぶりの第47回大会として開催された本大会は「マス席は全席販売」と大幅に緩和、入場人員制限も廃止したが、「マス席(A/B/C)はペア席として販売」「普及席は椅子席Cとして販売」「椅子席(A/B/C)は1席ずつ間引き=市松模様形式」「相撲土産セットの発売は行わない」は継続された[16]

中止に伴う代替番組の対応

2011年

文化放送の場合
文化放送では中継予定だった枠を代替番組として『しろバラスペシャル 大相撲たっぷり語ります』(パーソナリティ:菅野詩朗有馬香)を放送。番組では日本相撲協会の臨時理事会[注釈 9] の現場からの中継リポートや、一連の八百長問題についてリスナーからFAXやメールを募集するなどの企画を実施。なお、パーソナリティの菅野は当日の実況を担当予定だった[17]
フジテレビの場合
フジテレビ系列(FNNFNS)はテレビ宮崎を除いた27局が『タカトシ・温水が行く大井町線千円握って食べまくり!!』の再放送に変更となったが、番組では「この放送は2010年11月21日に放送されたものです」との字幕が表示されたのみで、トーナメント中止に関しては触れられていなかった。
テレビ宮崎では前述の番組が2011年1月30日に放送された関係で同一シリーズの『京王線食い倒れ旅』を放送した[18][19]

2021年

文化放送の場合
中継を予定していた枠に、通常番組を編成。なお、15時台に放送している『スポスタ☆MIX ZONE』にて相撲関連の特集を行い、ゲストで相撲ファンの山根千佳が出演した[20]
フジテレビの場合
中継を予定していた枠に、『〜日本大相撲トーナメント特別編〜 大相撲バズり場所 なんでもグランプリ』(事前収録番組)を編成。過去の日本大相撲トーナメント・大相撲本場所・『ジャンクSPORTS』の大相撲特集・『新春!大相撲部屋別対抗歌合戦』(かつて放送されていた特別番組)などのアーカイブ映像や、関取の稽古に密着した未公開映像などから厳選した57本を対象に、塙宣之ナイツ)、荒磯親方(元横綱稀勢の里)、井筒親方(元関脇豊ノ島)の解説を交えながら、大相撲観戦初心者の 王林りんご娘)が「グランプリ」を決定した。進行を佐野瑞樹(フジテレビアナウンス室バラエティ担当部長)、ナレーションと出演者へのクイズ出題を下野紘が担当。

2022年

文化放送の場合
中継を予定していた枠に、通常番組を編成[21]
フジテレビの場合
中継を予定していた枠に、『〜日本大相撲トーナメント・ヒストリー〜』を編成[14][22]。会場の両国国技館から生中継。当初から実況・解説を担当する予定だった二所ノ関親方(稀勢の里)、間垣親方(白鵬)がそのまま出演し、さらに横野レイコ(大相撲レポーター)の進行で、当日幕内トーナメント戦の取り組みに出場を予定していた阿炎(前頭6枚目)、琴ノ若(同14枚目)が急遽ゲスト出演した。
また、フジテレビONEでは当初幕内トーナメント第1部(地上波の中継開始までの間に放送する予定だった序盤の取り組み)を生中継、地上波生中継分は第2部として当日深夜(2月7日未明)にディレー放送とする予定になっていたが、こちらも変更となり、第1部相当の時間は2020年の地上波テレビ中継箇所の再放送、第2部相当分は上記の「ヒストリー」をディレー放送した。

脚注・出典


注釈

  1. ^ 日曜夕方時間帯の全国ネット番組は、地方局(関西テレビ東海テレビなど)が制作する番組が多く、フジテレビ制作の番組はFNS27時間テレビなど、年に数回程度しか放送されていない。
  2. ^ a b 2016年に第40回記念で復活し、振分親方(元・高見盛)×立田川親方(元・豊真将)、大島親方(元・旭天鵬)×時津風親方(元・時津海)、鳴戸親方(元・琴欧洲)×朝日山親方(元・琴錦)の三番が組まれた。ただし、フジテレビでは生放送がなく、『ザ・ノンフィクション』などの通常番組を放送した。
  3. ^ 四股名のクレジットも、原則として1月場所時点での地位(東西表記もあり)が表記される。なお番付編成会議後の開催となるため、1月場所後に横綱・大関昇進を決めた力士は「新横綱」「新大関」と表記される(2005年1月場所後に大関に返り咲いた栃東は、どう表記されたか不明)。
  4. ^ ジャパネットが協賛するようになったごく初期は家電だったが、2023年・47回は全社からグルメ商品(フジテレビ=黒毛和牛、文化放送=福井県ブランド米1俵、ジャパネット=グルメ定期便1年分)が贈呈された。
  5. ^ 松島が肺腺癌で闘病していたため(2020年2月23日死去)、2012年に定年退職していた菅野が復帰。
  6. ^ 元大関・清國の息子で、放駒親方(元・玉乃島)の従弟。
  7. ^ このため既に購入済みのチケットは払い戻しの対象となり、同年2月28日まで購入先のプレイガイドにて払い戻しに応じることとなった。
  8. ^ ただし、東北地方太平洋沖地震東日本大震災)で被災した東北3県岩手県宮城県福島県)は、2011年7月24日時点でアナログ放送の終了が見送られたことから、東北地方太平洋沖地震東日本大震災)によって被災した東北3県岩手県宮城県福島県)においては、『日本大相撲トーナメント第三十六回大会』がアナログ放送としての最後の放送となった。
  9. ^ なお、臨時理事会において、3月に大阪府立体育会館で開催予定だった2011年3月場所の中止が決定された。

出典

  1. ^ 田中亮『全部わかる大相撲』(2019年11月20日発行、成美堂出版) p.8
  2. ^ トーナメントについて(第47回)
  3. ^ 相撲中継が完全消滅危機 フジも検討中 - 日刊スポーツ、2010年7月31日
  4. ^ 2010年7月度社長会見要旨 - フジテレビ「こちらフジテレビ」、2010年8月3日掲載
  5. ^ 大相撲トーナメントも中止 時事通信 2011年2月3日
  6. ^ 【謹告】日本大相撲トーナメント第三十五回大会中止について フジテレビ 2011年2月4日
  7. ^ 大相撲トーナメント 中止のお知らせArchived 2012年1月19日, at the Wayback Machine. 文化放送
  8. ^ “「大相撲T」中止…フジ損害1億円”. デイリースポーツ. (2011年2月4日). https://www.daily.co.jp/sumo/2011/02/04/0003783151.shtml 
  9. ^ “大相撲トーナメント中止 緊急事態宣言の発出受け”. サンケイスポーツ. (2021年1月18日). https://www.sanspo.com/article/20210118-V72T7MQVRJN3LJXE3ATIBMO4BQ/ 
  10. ^ 【日本大相撲トーナメント】 以下の注意事項を必ずご確認下さい。
  11. ^ 第46回大会チケット情報
  12. ^ トーナメントについて(第46回大会)
  13. ^ “6日の大相撲トーナメントは中止 力士のコロナ感染拡大で”. 産経ニュース. (2022年2月5日). https://www.sankei.com/article/20220205-6YKKUCSAHNNMXCLDY4VPB4P7O4/ 
  14. ^ a b 日本大相撲トーナメント第四十六回大会 【中止のお知らせ】 株式会社フジテレビジョン・公益財団法人日本相撲協会、2022年2月5日発信 (PDF) 同日閲覧
  15. ^ 大相撲トーナメントの開催を中止 4日に照ノ富士や貴景勝ら陽性が判明 - 日刊スポーツ 2022年2月5日
  16. ^ 第47回大会チケット情報
  17. ^ “文化放送は素早く対応…理事会を代替放送”. デイリースポーツ. (2011年2月3日). オリジナルの2011年2月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110208232016/http://www.daily.co.jp/sumo/2011/02/04/0003783144.shtml 
  18. ^ テレビ宮崎・2011年1月30日の番組表より。
  19. ^ テレビ宮崎・2011年2月6日の番組表より。
  20. ^ 角界戦国時代!令和三年の注目力士!!”. スポスタ☆MIX ZONE. 文化放送 (2021年2月7日). 2021年2月10日閲覧。
  21. ^ 日本大相撲トーナメント第四十六回大会 【中止のお知らせ】”. 文化放送 (2022年2月5日). 2022年2月5日閲覧。
  22. ^ フジテレビ (2022年2月5日). “角界でのコロナ感染拡大の影響で…大相撲トーナメントは急遽中止に”. FNNプライムオンライン. 2022年2月5日閲覧。






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