抵抗器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 23:59 UTC 版)
関連する他の電子部品
抵抗器は環境変化で抵抗値が変化することが無いように配慮されているが、逆に温度によって抵抗値が大きく変化するように作られたサーミスタと呼ばれる電子部品があり、温度センサとして使用される。また、同じように環境変化によって抵抗値が変化する素子としては、「フォトレジスタ(光電導セル)」という電子部品があり、これは光の量によって抵抗値が増減する。
実際の電子回路では、受動素子の1つであるコンデンサとともに用いられることが多く、両者の頭文字を取って CR と表現されることが多い。
抵抗器の利用
直列抵抗器(倍率器)
倍率器(ばいりつき、Multiplier)は、直流電圧計の測定範囲の拡大に使われる抵抗器である[9]。直列抵抗器(ちょくれつていこうき、Series Resister)ともいう[9]。
一般にアナログ式の電圧計は測定範囲が決まっており、それ以上大きい電圧をそのまま測定することは構造上できない。そこで、電圧計に直列に抵抗器を挿入し測定電圧を電圧計の内部抵抗と挿入した抵抗器で分圧することによって、相対的に電圧計にかかる電圧を減少させ測定範囲を広げることができる。
測定対象の電圧を 古くから使われてきた方式。発熱量が少ない場合は、これで充分だった。国鉄新性能電車(発電ブレーキ付き)では採用例が少ない(151、301、103-1000 / 1200 / 1500、105、119、121系等)。私鉄では、ブロアーファンの騒音と故障リスクが無い事から発電ブレーキ付きの車両でもこの方式が主流で、床下は抵抗器で埋め尽くされた。特に近鉄、南海、神戸電鉄等では1両に積みきれずに2両に亘って搭載される場合もあった。
日本以外では屋根上に搭載される場合が多い。日本では名鉄のモ600形が屋根上に抵抗器を搭載されていたほか、抵抗制御の車両ではないが、国鉄781系、JR北海道の721、785系およびJR西日本・JR東海の285系も屋根上に発電ブレーキを作動させるためだけの抵抗器を搭載している。
向かって右側の間隔が密なものが起動・力行用抵抗器、左側の大容量のものが電制用抵抗器。強制通風式
発熱量が多い場合に有効な方式。国鉄新性能電車は大部分がこの方式。私鉄では採用例が少なく、相鉄、東急、小田急、京王、名鉄、阪神、名古屋市営地下鉄等に採用例があるくらいである。中でも、名鉄や阪神にはGE・東芝製MCM制御装置(制御装置と抵抗器が一体化)の採用例があり、これも強制通風式となる。ブロアーファンが故障した場合や、何らかの事情により送風を止めた場合は、発熱量の問題で力行は可能だが発電ブレーキが使用不能となる。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “カーボン抵抗と金属皮膜抵抗のちがいは? 使い分け方は?(誤差、温度ドリフト、カットオフ周波数) | マルツオンライン”. www.marutsu.co.jp. 2021年6月12日閲覧。
- ^ a b c d e “部品の基礎知識” (PDF). 松定プレシジョン. 2014年12月10日閲覧。
- ^ “基板製造工程”. 大垣村田製作所( http://www.ogakimurata.co.jp/index.html ). 2016年5月12日閲覧。
- ^ “金属箔抵抗器(Bulk Metal®Foil Resistors)│アルファ・エレクトロニクス株式会社”. www.alpha-elec.co.jp. 2021年6月12日閲覧。
- ^ [1]
- ^ a b c “抵抗器のカラーコード・表示の読み方、覚え方 (工程動画も公開!) | 抵抗器の総合メーカー 株式会社赤羽電具製作所”. 2021年6月12日閲覧。
- ^ “抵抗のカラーコード(抵抗値)の読み方”. 日本アマチュア無線連盟. 2014年12月12日閲覧。
- ^ https://industrial.panasonic.com/jp/ss/technical/b1 「抵抗器の基礎知識 ~役割・単位と記号・規格~」パナソニック 2018-04-16 2023年9月30日閲覧
- ^ a b c d 日髙邦彦 ほか 2017, p. 19.
- ^ a b c 日髙邦彦 ほか 2017, p. 20.
- ^ “車両用抵抗器”. 鈴木合金株式会社. 2013年2月1日閲覧。
- ^ “JR東日本、回生電力を積極活用-“鉄道版スマートグリッド”の試作器開発”. 日刊工業新聞社. 2013年2月1日閲覧。
- ^ “電気設備の技術基準の解釈” (PDF). 原子力安全・保安院 電力安全課. 2013年2月1日閲覧。
抵抗器と同じ種類の言葉
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