尾瀬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/15 10:14 UTC 版)
概要
尾瀬は日本を代表する典型的な山地湿原である[1]。尾瀬沼は燧ヶ岳の噴火で沼尻川が堰き止められてできた堰止湖と考えられており、周囲には浅湖湿原や大江湿原等があり、沼から湿原への遷移の過程が見られる[1]。また、尾瀬ヶ原は燧ヶ岳の噴火で沼尻川が堰き止められた後に、土砂が周囲から流入して形成された山地湿原である[1]。
尾瀬ではミズバショウやミズゴケ、カタシャジクモなど湿原特有の貴重な植物群落およびトンボ、甲虫類と多くの渡り鳥が見られる[2]。また、世界的にも珍しい、ナガバノモウセンゴケの大群落を中心とする、尾瀬・食虫植物大群落もある[3]。
尾瀬は阿賀野川水系最大の支流只見川の源流域にあり、平滑ノ滝や三条ノ滝などの瀑布景観を形成している[1]。
尾瀬は1934年(昭和9年)12月4日に日光国立公園の尾瀬地域として、尾瀬沼及び尾瀬ヶ原の一帯並びにその周囲の山稜の燧ヶ岳及び至仏山等の地域が国立公園に指定された[1]。その後、日光国立公園から独立させるとともに会津駒ヶ岳地域及び田代山・帝釈山地域を国立公園に編入し、2007年(平成19年)8月30日に尾瀬国立公園として新たに指定された[1]。
また、尾瀬ヶ原及び尾瀬沼(特別保護地区)は、1960年(昭和35年)に文化財保護法による特別天然記念物に指定されている[1]。尾瀬ヶ原及び尾瀬沼の8,711 haの区域(国立公園特別保護地区)は2005年(平成17年)に「ラムサール条約湿地」にも登録されている[1]。尾瀬では歩道以外への立ち入りが厳しく制限されており、ごみ持ち帰り運動の発祥地であるなど、日本の自然・環境保護運動の象徴でもある。
注釈
- ^ 2016年4月の持株会社体制移行を境に、ロゴマークも異なっている。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “尾瀬国立公園管理運営計画書”. 環境省. 2023年5月21日閲覧。
- ^ a b “Oze | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2005年11月8日). 2023年4月10日閲覧。
- ^ 清水清「食虫植物のひみつ」『科学のアルバム』(あかね書房、1972年)pp.10-11、p47
- ^ 尾瀬の気候と準備
- ^ 鬼怒沼の位置と気候
- ^ a b c 「尾瀬を未来へ 50年の今」『日本経済新聞』朝刊2021年12月5日9-11面
- ^ 下川耿史『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』(河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067)p.339
- ^ “尾瀬の自然保護”. 群馬県. 2023年5月21日閲覧。
- ^ 2009年の駆除については、『新潟日報』2010年1月4日紙面による。
- ^ a b c d e f 【PHOTOいまむかし】木道60キロ冬は違う風景『朝日新聞』朝刊2022年10月27日(地域総合面)
- ^ NHK総合テレビ『山の歌・秋はるかな尾瀬へ』 [リンク切れ]
- ^ “魚沼から行く尾瀬”. 新潟県県民生活・環境部環境企画課. 2023年5月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “かたしなガイドマップ”. 片品村観光協会. 2023年5月21日閲覧。
- ^ “ツキノワグマとの共存”. 尾瀬保護財団. 2023年5月21日閲覧。
- ^ 国内初、尾瀬国立公園の全山小屋内における携帯電話のエリア化を開始 KDDIニュースリリース
- ^ 2つのビジターセンター 尾瀬保護財団(2022年11月6日閲覧)
- ^ “重さ100キロ背負う「究極の重労働」 尾瀬で生きる「歩荷」の覚悟”. 朝日新聞. 2023年5月21日閲覧。
- ^ a b “「アフガニスタンに比べれば幸せ」尾瀬ガイド協会、不適切投稿を謝罪...保護財団は「人権侵害」と抗議”. J-CASTニュース (2021年8月24日). 2021年8月24日閲覧。
- ^ “差別的投稿の経緯・問題点・今後の方針”. 尾瀬ガイド協会 (2021年9月2日). 2021年9月3日閲覧。
- ^ “尾瀬ガイド協会の公式Twitterにおける相次ぐ差別的発言について”. 尾瀬保護財団 (2021年8月23日). 2021年8月24日閲覧。
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