フェキソフェナジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 14:05 UTC 版)
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
投与方法 | 経口 |
薬物動態データ | |
血漿タンパク結合 | 60-70% |
代謝 | 肝臓(服用量の5%) |
半減期 | 14.4 時間 |
排泄 | 胆汁、便、腎臓 |
識別 | |
CAS番号 | 153439-40-8 |
ATCコード | R06A626 (WHO) |
PubChem | CID: 3348 |
DrugBank | APRD00349 |
KEGG | D07958 |
化学的データ | |
化学式 | C32H39NO4 |
分子量 | 501.656 |
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フェキソフェナジンは第二世代抗ヒスタミン薬であり、第一世代抗ヒスタミン薬のものと比較して、鎮静の副作用は改善されている。特に添付文書に眠気に関する使用上の注意がない。
この項では、テルフェナジンについても記述する。
開発と販売
テルフェナジンの活性代謝物で、後継の化合物である。
フランスのサノフィ(旧アベンティス[1])が創製した。アメリカ合衆国では1996年から、日本では2000年から日本法人のアベンティス・ファーマ(現・サノフィ)から発売されている。同社の主力商品の一つであり、ロラタジン(クラリチン、2002年日本発売)やセチリジン(ジルテック、1998年日本発売)などと並び、世界で最も消費されている第二世代抗ヒスタミン薬の一つである。
日本では1996年頃から、フェキソフェナジンの第I相臨床試験を開始。テルフェナジンの改良品という緊急性もあり、日本で初めてブリッジング試験(世界の臨床試験データを承認申請に使う手法)により、第III相臨床試験を実施せず、1999年に厚生省に製造承認申請し、2000年11月にアレグラ錠が発売された。日本薬局方にも収載されている。
特許の存続期間終了により、2012年(平成24年)に後発医薬品の製造販売が始まった。その後、2件(第3041954号・第3037697号)の用途特許について、専用実施権の侵害であるとして、後発3社に対し2012年10月にサノフィから提訴がなされていたが、2014年3月に和解が成立している。
適応
日本での処方箋医薬品は、アレルギー性鼻炎(花粉症など)、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症(ひふそうようしょう)、アトピー性皮膚炎)に伴う痒みに対し、その効能・効果が認められている。
一般用医薬品の「アレグラFX」、「アレグラFXジュニア」、「アレグラFXプレミアム」共にアレルギー性鼻炎のみ承認されており、効能・効果には、花粉・ハウスダスト(室内塵)などによる鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻水、鼻づまりと明記され、痒みには認可がない。
特徴
日本で承認されている抗ヒスタミン薬のうち、添付文書の重要な基本的注意の箇所に眠気を催すことがある旨のないものは、現在のところフェキソフェナジンとロラタジンとビラスチンに限られている。
- ^ 旧:マリオンメレルダウ社(アメリカ合衆国の中心部。現在の本拠地はフランス。
- ^ “「フェキソフェナジン」第1類へ - 要指導薬4成分が移行”. m3.com (2015年9月7日). 2015年10月1日閲覧。
- ^ 『「アレグラFX」新発売のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)久光製薬株式会社、2012年11月1日 。2013年3月3日閲覧。
- ^ 『「アレグラFXジュニア」新発売のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)久光製薬株式会社、2017年11月9日 。2018年1月9日閲覧。
- ^ “「ディレグラ配合錠」新発売のお知らせ” (pdf). 2014年11月3日閲覧。
- ^ 『LTLファーマとサノフィがディレグラの製造販売承認の譲渡に関する契約を締結』(PDF)(プレスリリース)LTLファーマ、サノフィ(2社連名)、2020年8月4日 。2022年2月16日閲覧。
- ^ 『アレルギー専用鼻炎薬「アレグラFXプレミアム」を新発売』(プレスリリース)エスエス製薬株式会社、2024年1月22日 。2024年1月24日閲覧。
- ^ “CMギャラリー”. 2022年2月18日閲覧。
- 1 フェキソフェナジンとは
- 2 フェキソフェナジンの概要
- 3 薬物相互作用
- 4 関連項目
フェキソフェナジンと同じ種類の言葉
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