ビートたけし
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評価
肯定的評価
- 1981年、文芸評論家の鶴見俊輔は『広告批評』誌上における座談の中で、「ツービートはがきデカの位置に似ている」と評し、文芸評論家・高澤秀次はこの評を絶賛した。
- 1983年、吉本隆明は栗本慎一郎との対談集の中で、たけしの話芸を「自分を異化することによって自然の流れとしてしまう芸風」と評した[138]。一方、のちに吉本が「海燕」誌上で埴谷雄高と論争(1985年)になった際、たけしは『もっと阿呆になれ、吉本!』という文章を発表し「吉本さんは言い回しが難解」と批判した。
- 加藤茶は、インタビューで「…たけし君が映画監督で評価されている。でも、お笑いに帰ってくると、必ずバカなことするじゃないですか。バカをやる、という素晴らしさの原点を知っているんです。だから大好き」と、評価している[139]。
- 色川武大は「才能は切れるが、それだけにいいところを一人占めしようとしすぎる」とし、榎本健一・藤山寛美・萩本欽一と並べて「自分の手足を切ってゆく」タイプの芸人に分類し、対極として、古川ロッパ・森繁久彌・タモリの名を挙げた[140]。
- たけしに影響を受けた芸能人は多く、とんねるず、爆笑問題、さまぁ〜ずなどが挙げられる。その理由は「たけしの芸風に直接影響を受けた」「マルチタレントとしての先輩として尊敬している」など、さまざまである。
- 爆笑問題の太田光は漫才のネタにたけしが得意とする「ブラックユーモア」を積極的に取り入れたりしているその一方で「自分は憧れているビートたけしとは別物である」といった思いをしばしば述べており、自身がする無軌道なボケ・発言などはそれらの表れであるとしている[141]。
- とんねるずは、マルチタレントとしてたけしに大いに影響を受け、たけしが高めたお笑い芸人の地位をさらに高めることに成功している。
- ナインティナインも、たけしからの影響を強く受けている。ナイナイは若手時代にたけしとお笑いウルトラクイズで共演したことにより、知名度が上がった。その後、ナイナイの冠番組などに、たけしが呼ばれるなどしている。
- ロンドンブーツ1号2号の田村亮は「芸能人は皆例外なくオーラを持っているが、たけしさんは格が違う。」と語っている。
- お笑い芸人以外では、TOKIOのメンバー全員がたけしのファンであることが、「たけしのニッポンのミカタ(国分太一がレギュラー出演している)」10月31日放送分で紹介された。
- 俳優の西島秀俊はたけしのファンであり、『ビートたけしのオールナイトニッポン』など昔、たけしが出演していたラジオ番組が録音されたカセットテープを知人から借り、MDに録音していた程である。『ビートたけしのオールナイトニッポン』については、四国に住むマニアから当時の録音テープを貰い、その約200本のテープを同じくたけしのファンである水道橋博士に贈っているほどである。
- 美空ひばりの息子である加藤和也はたけしのファンであり、少年時代にひばりがたけしを強引に和也に合わせたことがある(和也はとんねるずのファンでもあり、ひばりがとんねるずに差し入れを行うなど、同様のエピソードがある)。
- フランス芸術文化勲章の「シュヴァリエ」を1999年に授与され、2010年に「コマンドゥール」を授与された際に、フランス文化省から「映画監督としての活動は言うまでもなく、1つの才能を持った人ではない。人々を笑わせること、感動させることができ、怖がらせることもできる。あらゆる面で支持者を持つ。類を見ない自由さをもってモノづくりを進める直感的才能に対し、賞を贈る」と評された。なお、この「コマンドゥール」受賞をレジオンドヌール勲章の「オフィシエ」を受賞した黒澤明を超えたとする報道もあったが、レジオンドヌール勲章はフランスでは最高位の勲章であり、芸術文化勲章との勲位の比較は意味がない。2016年にはたけしもレジオンドヌール勲章(オフィシエ)を受章している。
否定的評価
- 1981年、ルポライター・鎌田慧が「ツービートの残酷ギャグはファシズムの兆し」と批判した[142]。
- ルポライター・吉岡忍は、ツービート(ビートたけし)をジョン・レノン射殺事件の犯人マーク・チャップマンに重ねて論じるほど忌諱していたが、後に吉岡はその認識を変え、北野映画のルポルタージュを執筆するほど関心を寄せるようになった。
- 辛淑玉や佐高信、諸井薫が、たけしの軍団に対する態度を「権威主義的で弱い者いじめをしている」と、それぞれコラムなど[要出典]で述べている。これら批判的な論評について、たけしは「冗談と本気の区別が付かない奴らがいる」と評している。
- 田中康夫は、たけしを自らと同じく「価値紊乱者」(既存の権威への挑戦者)として評価しつつも、1980年代中盤には『感覚の倫理学』および『ファディッシュ考現学』にて立川流への入門や軍団創設を「肩書きや権威など精神的ブランドに頼るようになり(当時、たけしがなりたいと語っていた)日本のレニー・ブルースになりそこねた」と評した。一方で、たけしの過激な言動に隠された内面の繊細さもまた指摘し、フライデー襲撃事件の際にはフライデーの取材姿勢を批判、たけしを擁護する立場を取った[143]。その後、田中はたけしとテレビ番組で度々共演するなど交流も持ったが、その後も「ドナルドダックのように嫌われることも厭わず本音で周囲に毒を吐く存在であったはずが、嫌われることを恐れ人気者であり続けようとミッキーマウスのように無難な優等生的発言しか行わなくなりつつある」といった意味の論評も行っている[144]。また、バイク事故直後にあえて顔面麻痺状態で会見に臨んだことは評価したが、その後の本格復帰については「芸能界の一線からは退いた方が良かったのではないか、取り巻きや軍団を養うためだとすれば自活を促すべきだった」と評した。他方、たけしは「理屈ばっかり言っていた田中康夫が気に食わず」[145]、1983年2月に当時田中がレギュラー出演していた『森田一義アワー 笑っていいとも!』に乱入し、田中の首を締め上げたことがあった。たけしが2014年3月31日放映の『笑っていいとも!』最終回でこのエピソードを披露すると、その夜の総集編である『笑っていいとも!グランドフィナーレ 感謝の超特大号』では、たけしの代わりに太田光が田中の首を締め上げて見せた。
注釈
- ^ 主にたけし軍団。
- ^ 主に明石家さんま、島田紳助。
- ^ 主にタモリ、和田アキ子など。
- ^ たけしがファンであった初代中村錦之助に因む。
- ^ 旧姓正端菊次郎 浅草生まれ。1925年8月叔母北野うしと養子縁組、北野姓になる。同月さきと結婚[4]。
- ^ 旧姓小宮さき 千葉県市原市五井生。1923年1月に北野うしの実子である徳次郎と結婚。同年8月徳次郎急逝。1925年8月、うしと養子縁組した菊次郎と結婚[4]。
- ^ 後年、これに続けて「死に場所探して生きるもよし」と加えた詞を作り、『死んだ犬』として発表した(作曲:泉谷しげる)
- ^ 小水は『ほしをつぐもの』(1990年)で、若松は『エロティックな関係』(1992年)で、再びたけしを撮った
- ^ 100単位以上を取得しながら、何らかの理由で通学できなくなった人物に与える制度。
- ^ これにより芸人としての師弟関係は途絶するが、個人的な付き合いは継続していた。また、引き続き、フランス座の屋根裏部屋に住むことが許される。深見の下に立ち寄った北野に対して「タケ手前、馬鹿野郎、何しに来やがった! ラーメンでも食っていくか?」と粗雑ながら甲斐甲斐しくもてなされていた。
- ^ 「ここ4、5年、私が素晴らしいと思っている、北野武の映画があります。『HANA-BI』という作品です。私が『HANA-BI』を好きなのは、それが日本映画だからではなく、普遍的な映画だからです。そこに登場するほとんどの人物たちが一重瞼の細い目をしていることに気づかないほど、普遍的な映画だと思います」と言及された事がある(『週刊読書人』 2002年11月22日号)
- ^ 柳島撮影監督、高屋照明監督へのインタビュー
- ^ これは風雲たけし城で殿の役をやったことに由来する。
- ^ 特に毎年、フジテレビ系列で放送されている、FNS27時間テレビが顕著に出ている。
- ^ もともと母・さきがうしの実子(北野徳次郎)と結婚して北野家に入ったが夫が夭折(1923年8月18日死亡)、その後うしがさきの後添いに甥だった正端菊次郎を連れて結婚にあたって、菊次郎がうしと養子縁組(1925年8月17日)を行ったため[4]。
- ^ 調査対象は日本の人口バランスに合わせた比率の10代〜70代(2000人)で、全国のあなたの街に住みます芸人による街頭調査およびリサーチ会社による調査を行った。ノミネートされた人物の中には戦国武将などの歴史的人物も含む。
- ^ 正確には、前日の『北野ファンクラブ』のEDトークに飛び入り出演している
- ^ 退院時の会見でも着用していたため、信仰に目覚めたのかと話題になった。会見での正確な発言は「これねえ、原節子さんっていう人の、女優さんの、友達の尼さんが、観音様彫ってくれたんですよ。そんで、いろいろ書いてくれて、ほいでみんな心配してるってんで、これしてたら気持ちいいよって言うからやってるんですけど」
- ^ 1991秋では、回答者として出演していた。実兄と共演。
- ^ 1992年 - 1996年・2017年 - 2019年は総合司会として参加、その他の年はゲストや中継でのゲスト出演
- ^ 途中で歌うタイミングがずれるハプニングもあった。
- ^ 売上3万枚[122]
- ^ 玉置浩二のアルバム『Offer Music Box』(2012年)に、玉置セルフカバーが収録された。
- ^ 売上34,000枚[122]
- ^ 所ジョージと組んだ音楽ユニット
- ^ 発売1か月強で売上5万枚以上[123]。
- ^ たけしはモナコ公国大公アルベール2世、フランスの政治家フランソワ・バロワンに続き史上3人目となる。
出典
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- ^ 朝日新聞夕刊『人生の贈りもの』2008年12月5日より
- ^ 色川武大『なつかしい芸人たち』新潮社、1989年 ISBN 978-4103311041(「銀座百点」掲載、1987年)
- ^ 爆笑問題はなぜ“つまらない”ボケを繰り返すのか? 太田光の「テレビ論」 Yahoo!ニュース
- ^ 「ファシズムみんなで進めば怖くない」『朝日ジャーナル』朝日新聞社、1981年
- ^ 朝倉喬司/監修・筑紫哲也『たけし事件 - 怒りと響き』太田出版、1987年 ISBN 978-4900416284
- ^ 『神なき国のガリバー』、『ニッポンご託宣』
- ^ 『森田一義アワー 笑っていいとも!』最終回(2014年3月31日)「表彰状」イジリー北野(ビートたけし)
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