パット・メセニー 奏法

パット・メセニー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 03:52 UTC 版)

奏法

ピックは親指と中指でつまむ独特の持ち方をする。ピック自体も通常使われる尖った部分ではなく、丸い部分を弦に当てる。ソロ・プレイでは左手はハンマリングとプリングを多用した基本的にピッキングの少ないレガート奏法が中心である。そのテクニックを駆使したアルペジオや半音進行を多用した独自のフレーズがトレードマークとなっている。

使用機材

アイバニーズ・パット・メセニーモデル
幾多の試作品の製作を経て実現したシグネイチャーモデル。いずれもフル・アコースティックボディで、ごく標準的なシングルカッタウェイのPM35、ダブルカッタウェイを採用したユニークな仕様のPM100、ボディを薄くした2ピックアップのタイプのPM120と変遷を経て、現在はシングルカッタウェイのボデイを持つPM200がシグネイチャーモデルとなっている。さらにこのPM200の廉価版としてPM2が存在する。またアイバニーズにオーダーしたミニサイズのピッコロギターもレコーディングで使用している。
ギブソンES-175
長年にわたり活躍してきた、パット・メセニーのトレードマークとも言えるギターである。ベトナム戦争に出征したまま帰らなかった兵士の愛器を譲り受けたというギター。本来フロント・ピックアップのみの仕様のはずだが、リアにハムバッカーを装着した痕跡がある(現在はガムテープで穴が塞がれている)。ボディ向かって右のFホールの右側にもポットを装着した跡が2カ所あり、同様に右のカッタウェイ部分にもピックアップ・セレクタ跡とおぼしき穴がある(これは木材で埋められている)。ボディサイドにも割れた跡があるが、ガムテープで補修している。
ヘッドストック部も本来は無いはずのセルバインディングがあるなど、通常のES-175とはかなり異なる個体である。ボディエンドのストラップ・ピンが欠落している為、テイルピースに靴磨きブラシのようなものを介してストラップが結びつけられている。これはたまたまステージに出る直前に破損してしまった為に、応急処置として楽屋にたまたま手元にあった歯ブラシを使って強引に括り付けたもので、以後そのままにしている事から、彼のトレードマークとなっていた。現在は殆どステージでは使用していないが、レコーディングでは今もなお使用している。
ブリッジは本来の仕様であるローズウッドから、60年代前半のチューン・O・マチックに変更されている。トラスロッド・カバーも本来のものではなく「CUSTOM」と書かれた別機種のものが装着されている。
ブリッジ付近にギターシンセサイザー用MIDIピックアップが装着されていることも多い。
ピカソ・ギター
ピカソ・ギター
弦楽器職人のリンダ・マンザーがメセニーのために作った4本ネックで計42弦(6弦のネックが1本、12弦のネックが3本)のアコースティックギター。オリジナルは2年かけて1984年に作られた。パット本人曰く、この個体1本で「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」を演奏出来るのだという。
ローランドG303
ローランドのギターシンセサイザー。3本所有。それぞれの特徴としてボディにシンクラヴィアのギターシンセサイザー・コントローラーを組み込んだ個体、トレモロユニットを装着されネックも換装された個体など、いずれも大幅な改造を受けている。彼はこの音色を大変気に入っており、今でも見つけ次第すぐに手に入れているという。
サドウスキー・エレクトリック・ガット
サドウスキー製のソリッド・エレクトリック・ガットギター。テレキャスター型ボディにメイプルネック、ローズウッド指板、22フレット。「シークレット・ストーリー」ツアーなどで使用。
リンダ・マンザー作アコースティック・ギター
カナダのビルダー、リンダ・マンザーが製作したスティール弦アコースティック・ギター。前述「ピカソ・ギター」を含め、パットは複数台所有しているが、オーソドックスな「ザ・マンザー」モデルは「モア・トラヴェルズ」などでライル・メイズとデュオ演奏をした際に使用された。「この他にもバリトンギターやシタールギター等、数種類のギターをオーダーしている。
オヴェイション・1763クラシック
1970年代後半から1980年代前半の個体。
コーラル・エレクトリック・シタール
「ラスト・トレイン・ホーム」のメロディを弾くには不可欠。ピックアップが交換される改造が施されている。この曲を開発者であるダンエレクトロ社のヴィンセント・ベルに聞かせたところ、楽曲を絶賛、パットに試作品のエレクトリック・シタールをプレゼントしたという。

ディスコグラフィ

リーダー・アルバム

コンピレーション・アルバム

  • 『パット・メセニー・ベスト』 - Works (1984年、ECM)
  • Works II (1988年、ECM)
  • 『ECM 24-bit ベスト・セレクション』 - Selected Recordings: rarum IX (2004年、ECM)

パット・メセニー・グループ

参加アルバム


  1. ^ 「メセニー」のアメリカ英語での発音は、2音節目にアクセントを置いた「ミシーニー」に近い。
  2. ^ Metheny Mehldau”. Nonesuch Records. 2016年9月27日閲覧。
  3. ^ Quartet”. Nonesuch Records. 2016年9月27日閲覧。
  4. ^ Toninho Horta Moonstoneのライナーノーツより(2008年再発)






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