スパイ その他

スパイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/16 07:35 UTC 版)

その他

スラングとしても「スパイ」という言葉は使われる。たとえば、プロ野球スコアラーが次の対戦相手の戦力・戦術分析の為に試合を観戦したりする事から「スパイ」と表現される事もある。また2ちゃんねる(後の5ちゃんねる)などに見られるインターネット上の掲示板などで情報操作をする者を「(ネット)工作員」と呼ぶこともある。

スパイに関する研究はスパイという存在のもつ独特な魅力に影響され、ある種の作為(複数の説が有る場合に一番劇的な説を取る、など)が働く危険がある[45]。更に言えば、作成の段階で既に作為や創作が働いていると推測できる一次資料もある。ヌーラン事件小林多喜二逮捕に関与し、戦前の共産党を壊滅状態に追い込んだスパイの一人三船留吉を調査したくらせみきおは、スパイの研究は人物像を造形する過程で、その劇的なストーリーに魅了され美化する危険があると指摘している[45]

インターネットが各国に普及して、検索カテゴリーに入った結果、世界中の誰しもが容易に情報を収集できることから、スパイ活動そのものが減少しているとした。

スパイをテーマとした作品

映画

アニメ

テレビ

ゲーム

楽曲、音楽作品

書籍

スパイ本人による回顧録

  • 阿尾博政「自衛隊秘密諜報機関 ―青桐の戦士と呼ばれて―」
  • 明石元二郎「落花流水」
  • 石光真清「城下の人」「曠野の花」「望郷の歌」「誰のために」
  • 高井三郎「日米秘密情報機関:「影の軍隊」ムサシ機関長の告白」
  • 塚本勝一「自衛隊の情報戦 ―陸幕第二部長の回想―」
  • 藤原岩市「F機関」
  • ウィリアム・スティーヴンスン「暗号名イントレピッド」
  • ウォルフガング・ロッツ「シャンペン・スパイ」「スパイのためのハンドブック」
  • ラインハルト・ゲーレン「諜報・工作―ラインハルト・ゲーレン回顧録」
  • ロバート・ベア「CIAは何をしていた?」

ノンフィクション

  • 明石一郎 「秘密戦-在日謀報機関の活動-」
  • 中薗英助 「スパイの世界」(岩波新書
  • 伊藤三郎「開戦前夜の「グッバイ・ジャパン」あなたはスパイだったのですか?」現代企画室、2010年6月 - 天皇・軍部・財閥を「汚れた三位一体」と指摘しアメリカでベストセラーとなった「グッバイ・ジャパン」(1942年刊)の著者である「ニューヨーク・ヘラルドトリビューン」紙東京特派員ジョセフ・ニューマンの謎を追ったもの。

小説

漫画

脚注


注釈

  1. ^ 1999年に旧ソ連の暗号文書を解読した「ヴェノナ文書」の公開によって確定した。1994年から1945年までの間に、ホワイト自身について論じたものやホワイトがもたらした情報を伝える内容で解読されたKGB電文は15を存在している。それらによると、ホワイトは、スターリンに敵対するポーランド亡命政府とアメリカとの間をソ連がどのくらい離間できるのかについて助言を与えたり、 アメリカの民主党政権の政策決定者はアメリカ国内世論の反対にもかかわらずソ連によるラトビアエストニアリトアニアの併合を受け入れるので併合を強行しても大丈夫だとアドバイスしている。(バルト三国は実際にその後、ソ連軍の侵略と占領によって併合される。)また1945年5月に国際連合設立のために聞かれたサンフランシスコ会議でアメリカ合衆国代表団の上級アドバイザーを務めていたホワイトは会議で国連憲章について話し合いが行われている最中に密かにソ連の諜報官らと接触し、アメリカの交渉戦略に関する情報を提供していた。トルーマン大統領とステティニアス国務長官は何か何でもこの会議を成功させたがっているので、もしソ連が安全保障理事会での拒否権の獲得を強く主張すればアメリカはそれを認めるはずだ、とホワイトはソ連の諜報官に伝えていた。ホワイトは、ソ連に対してアメリカとイギリスをいかに出し抜くかについて戦術的なアドバイスをソ連に与えていた。KGBのオフィサーはホワイトにソ連の外交官が知りたがっているアメリカの交渉戦略をさまざまな争点から問う質問票まで携えて密会していた。ホワイトはKGBにアメリカの国益に反する機密に至るまで流していたスパイだったことが判明している。[25]

出典

  1. ^ a b c 防諜の生態 正兼菊太 1944年
  2. ^ ファミリーヒストリー「さだまさし~スパイだった祖父 大陸の奥地へ~」 - NHK
  3. ^ ボリス・エゴロフ (8月 20, 2022). “ソ連と米国は正体がバレたスパイをどう交換していたか?”. Russia Beyond 日本語版. 2023年8月24日閲覧。
  4. ^ 柳田大元『タリバン拘束日記』(2002年9月20日、西峰社)
  5. ^ 東京地方裁判所 昭和39年(刑わ)1038号 判決 大判例
  6. ^ 『フランコと大日本帝国』フロレンティーノ・ロダオ、深澤安博ほか訳、晶文社、2012
  7. ^ 金富億『北朝鮮の女スパイ』講談社文庫1997年ISBN 978-4062562300
  8. ^ a b 金富億『北朝鮮のスパイ戦略』講談社文庫、2002年ISBN 978-4062566797
  9. ^ 金賢姫『金賢姫 いま、女として』文春文庫1994年、上 ISBN 978-4167565015、下 ISBN 978-4167565022
  10. ^ 趙甲済『北朝鮮女秘密工作員の告白』徳間文庫1997年 ISBN 978-4198907884
  11. ^ a b 外務省『北朝鮮による日本人拉致問題』2006年7月。
  12. ^ [1] 日本にスパイ罪はない 「西新井事件」で工作員を逃した法の壁
  13. ^ 警察庁編『警察白書』平成15年。
  14. ^ 高世仁『拉致-北朝鮮の国家犯罪』講談社文庫、2002年ISBN 978-4062735520
  15. ^ 金富億『北朝鮮の女スパイ』講談社文庫、1997年ISBN 978-4062562300
  16. ^ 警察庁編『警察白書』平成9年。
  17. ^ 警察庁編『警察白書』平成13年。
  18. ^ 警察庁編『警察白書』平成15年。
  19. ^ 外務省『北朝鮮による日本人拉致問題』2006年7月。
  20. ^ 安明進『北朝鮮拉致工作員』徳間文庫2000年ISBN 978-4198912857
  21. ^ 女スパイ:韓国人将校らの暗殺命令受ける(上):(朝鮮日報2008年8月28日)
  22. ^ 女スパイ:義父キム・ドンスンとは何者か(朝鮮日報2008年8月29日)
  23. ^ a b c TBS闇の部隊「北送阻止隊」 (2009/9/26 放送)にて名前を公表してインタビューに答えている
  24. ^ 日本華裔大臣蓮舫家世揭秘 祖母是政商兩界女强人 中國新聞網 2010年06月07日
  25. ^ 『ヴェノナ』p209-210,ジョン・アール・ヘインズ&ハーヴェイ・クレア
  26. ^ 『「スイス諜報網」の日米終戦工作-ポツダム宣言はなぜ受けいれられたか』有馬哲夫(新潮社、2015年)
  27. ^ 『緒方竹虎とCIA アメリカ公文書が語る保守政治家の実像』吉田則昭(平凡社、2012年)
  28. ^ ティム・ワイナー「CIA秘録」文藝春秋
  29. ^ 角間隆 (1979). ドキュメント日商岩井. 徳間書店 
  30. ^ 川端治 (1963). 自民党 その表と裹. 新日本出版社 
  31. ^ 週刊新潮2006年2月16日
  32. ^ a b c 左派弱体化へ秘密資金 米CIA、保革両勢力に 共同通信2006年7月19日
  33. ^ 2,619 CIA Sources: The Crowley Files
  34. ^ つぶやき”が世界を変えていく
  35. ^ 内閣府・経済産業省参与の齋藤ウィリアム浩幸氏の問題続々、この状況で国家機密は本当に守られるのか 2017年12月15日 Yahooニュース
  36. ^ サイバーセキュリティ国際シンポジウム「Cyber3 Conference Tokyo 2017」の開催 2017年10月11日 慶応義塾大学ホームページ・ニュース。
  37. ^ 内閣参与・斎藤ウィリアム浩幸氏辞任の謎 華々しい経歴も一部訂正…関係者「専門家の間では全く知られていない」2017年12月27日 SankeiBiz。
  38. ^ メディア対する海外の諜報機関工作――ミトロヒン文書を読み解く – 京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室”. 2022年10月17日閲覧。
  39. ^ 昭和57年 警察白書”. www.npa.go.jp. 2022年10月17日閲覧。
  40. ^ 「私は北朝鮮の政治工作員です」「本当のことをお話しします」幹部工作員が心を開くまで ある取調官の機転【日向事件――ただ1人“完全自供”した北朝鮮幹部工作員 #4】(日テレNEWS)”. Yahoo!ニュース. 2022年10月17日閲覧。
  41. ^ [2] 青山学院大学
  42. ^ 対日有害活動 1(警察庁)”. www.npa.go.jp. 2022年10月17日閲覧。
  43. ^ 「 上海領事自殺で再び中国の嘘 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト”. yoshiko-sakurai.jp. 2022年10月17日閲覧。
  44. ^ 元公安警察官は見た 民主党議員を手玉に取って詐欺的ビジネス……中国一等書記官のあり得ない行状”. デイリー新潮. 2022年10月17日閲覧。
  45. ^ a b 永井良和『スパイ・爆撃・監視カメラ:人が人を信じないということ』<河出ブックス> 河出書房新社 2011年 ISBN 9784309624259 pp.79-82.






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