コヨーテ コヨーテの概要

コヨーテ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/30 04:01 UTC 版)

コヨーテ
生息年代: 更新世中期–現世, 0.7–0 Ma
コヨーテ Canis latrans
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
: イヌ科 Canidae
: イヌ属 Canis
: コヨーテ C. latrans
学名
Canis latrans Say, 1823[1]
和名
コヨーテ
英名
Coyote[1]
分布域
亜種別の分布図

分布

極近くを除く北アメリカ大陸に広く分布。オオカミの衰退に乗じ、分布を広げつつある。

形態

オオカミより小型で頭胴長75 - 101cm、尾長30 - 40cm、体高60cm以内、体重9 - 20kg(平均14kg)ほど。北のものほど大きくなる傾向がある(ベルクマンの法則)。体毛は全体的に淡い黄褐色で、白い毛が混ざる。四肢は黄色がかっており、尾や胴の背面は灰褐色、腹部は灰白色。頭骨はオオカミに似るが、前頭部の高まりは無い。歯は42本。

オオカミとの比較図

絶滅危惧種のアメリカアカオオカミとの交雑が心配されている。また、オオカミのようにイヌとの間に繁殖能力のある雑種を作ることが可能で、それはコイドッグ (Coydog) と呼ばれている。このコイドッグはコヨーテよりも家畜などを襲う事が多く、問題視されている。

生態

ネズミを狩りするコヨーテ

コヨーテは単独またはペア、ときに小規模な群れで活動する。適応力に優れていて、都市周辺部でも見られる。通常ネズミウサギ、オグロプレーリードッグアメリカビーバーアライグマオオツノヒツジ、ドールシープ、などを狩るが、オオカミのいない地域では群れでより大きな獲物を狩ることもある。また人間の残飯や果物を漁ることもある。

イヌのように尿で縄張りを主張する。コヨーテはオオカミのようによく遠吠えをする。イヌ科ではイエイヌを除いては唯一いつも吠えるイヌであり、これが名の由来である。この遠吠えは明け方と暮れに行われ、一頭が吠え声を上げるとやがて他の個体も加わり、1 - 2分のコーラスになる。

7匹の幼獣

一夫一妻型で年1回冬に繁殖し、春に子が生まれる。妊娠期間は63日前後。子育ては両親によって行われるが、前年に生まれた子が手伝うこともある。子は秋には一頭で狩りをするようになる。北部に産するものは繁殖期が決まっており発情期は1月から3月である。交尾の多くは2月に行われる。一産2-12子・稀に19子である。赤ん坊は250グラムくらいで2週間ほどで目が開き2-3週間後には巣穴から外に出る。5-7週間後には離乳する。オスは巣穴に入らず最初はメスにその後は子供にえさを運ぶ。食べ物は半ば消化したものを吐き戻して与える。3-4か月後には両親と行動を共にするようになる。コヨーテは一家で狩りに出かけ子供はそこでえさの取り方を覚える。子供は9か月で成獣と同じ大きさになる。メスは1歳で繁殖可能になる。しかし行動圏を所有しオスとペアを組むにはもう1年必要である。

コヨーテの天敵はピューマイヌワシ、オオカミである。

生息域が人間と接する、重複する地域では牧場や民家の庭に侵入し家畜やペットを襲うこともある。 また2009年10月にはカナダの19歳の女性シンガソングライター、テイラー・ミッチェルがコヨーテ2匹に襲われ死亡する事件が起きた[2]


  1. ^ a b c Kays, R. 2018. Canis latrans. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T3745A103893556. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T3745A103893556.en. Downloaded on 02 April 2019.
  2. ^ 新進の女性フォーク歌手、加国立公園でコヨーテに襲われ死亡 CNN.co.jp 2009年10月30日
  3. ^ コヨーテが幼児襲う、背景に餌やりなどの弊害”. CNN (2021年8月19日). 2021年8月20日閲覧。


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