りそな銀行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 14:20 UTC 版)
概要
旧野村財閥の財閥系都市銀行である大和銀行と、旧貯蓄銀行の協和銀行および地方銀行の埼玉銀行を源流とする都市銀行であるあさひ銀行の合併により誕生した。国内においては3大メガバンクに次ぐ規模を有する銀行であり、りそなグループの中核を担う。存続会社は大和銀行であり、金融機関番号や本店所在地、SWIFTコードも大和銀行からそのまま引き継いでいる。
行名の「りそな」とはラテン語の「Resona(=共鳴せよ、響きわたれ:動詞 Resono の二人称単数命令法現在形)」から取られており、「お客さまの声に耳を傾け、共鳴し、響き合いながら、お客さまとの間に揺るぎない絆を築いていこう」という意図が込められている。りそなホールディングスのWebサイトにも、このことが述べられている[2][注釈 1]。
旧大和銀行は戦前の旧商号である野村銀行時代より一貫して、信託併営を継続している唯一の都市銀行であり、りそな銀行となった今でも唯一の存在である。信託業務を営むため、宅地建物取引業法第77条の信託会社・信託銀行に関する特例が適用されており、宅建業の届出番号は国土交通大臣届出第5号となっている。信託部門は、りそな信託銀行(旧・大和銀信託銀行)として一時分社化したが、2009年に再統合されている。
大手証券会社の野村證券(野村ホールディングス)は大和銀行の証券部が分離・独立して誕生した。旧大和銀時代から国会の議員会館内に衆議院支店(店番:328)・参議院支店(店番:329)を持つ銀行であるため、国会議員に対する融資などを通じて永田町との関係が深い銀行とされる。
営業拠点
2023年3月現在、全国に324店舗を展開しているが他の都市銀行に比べ店舗数は少ない。47都道府県のうち25都道府県に店舗を展開する。店舗統廃合を進めており、法人営業店舗や店頭サービス店舗等に分類されている。
- 埼玉県内は旧大和銀行店舗の朝霞台支店のみ(埼玉県の旧あさひ銀行店舗は埼玉りそな銀行)
- 四国は高知支店の廃止以後は店舗外ATMのみとなっており有人店舗は存在しない。
- 政令指定都市の中では新潟市、静岡市、岡山市に店舗がない[注釈 2]。
- 大阪営業部(本店)
- 大阪府大阪市中央区にあるりそなグループ大阪本社ビル(旧大和銀本店)に置かれている。登記上の本店もこちらに置く。以前は、持株会社の本社(2本社制のため、登記上の本店)も置かれていたが、持株会社の登記上の本店は現在、東京都に移転している。りそな銀の前身行のひとつである大和銀行(野村銀行)の創業時より長きに渡って同一所在地に置かれている本店である。財閥解体で名称変更した旧野村銀行は野村財閥の中軸であり、野村合名(旧野村財閥)も同住所に住所を置いていた。
- 東京営業部
- 新都心営業部
- 東京都新宿区西新宿にある西新宿パークウエストビルに置かれている。旧あさひ銀行新都心営業部。後に新宿西口支店(旧あさひ銀行新宿西口支店)、新宿新都心支店(旧大和銀行新宿新都心支店)を統合した。さらに、新宿支店(旧あさひ銀行新宿支店)の窓口もブランチインブランチとして取り込んでいる(法人営業は従来地に存置)。
- 新奈良営業部
以前存在した拠点
- 大手町営業部
- 大阪中央営業部
大和銀行、あさひ銀行合併前の2003年(平成15年)3月に、埼玉県内の旧あさひ銀行の店舗は埼玉りそな銀行として分離され、さいたま営業部(埼玉銀行本店→協和埼玉銀行浦和営業部→あさひ銀行浦和営業部→あさひ銀行さいたま営業部)については、埼玉りそな銀行のさいたま営業部(本店)となっている。八重洲に所在した旧埼玉銀東京営業部は、りそな銀東京中央支店として現在も存続しているが、現在は日本橋に移転し、空中店舗となっている。
旧奈良銀店舗については、その後、桜川東支店(旧大阪支店)が2006年(平成18年)6月19日付で近接の桜川支店に統合されたが、それ以外の廃止予定は2007年(平成19年)に入るまでなかった。
スポーツ振興くじ(toto)
2005年12月まではりそな銀行 (開始当初は大和銀であったが、あさひ銀との合併により2003年3月に行名改称)に販売業務を委託し運営されていた。大和銀行からノウハウを学ぶためである。実際の売りさばき管理業務は日本スポーツ振興くじ株式会社に再委託されていた[4]。
注釈
- ^ かつて日産ディーゼル(現・UDトラックス)が製造・販売していた大型トラックである「レゾナ」の綴りも「RESONA」であるが、こちらは英語の「Resonance」から取られている(Resonance の語源もラテン語の Resono であり「共鳴する、響きわたる」を意味する)。
- ^ 静岡市については2010年に撤退(浜松支店に統合)。岡山市と新潟市は協和銀行時代に太陽神戸銀行(現:三井住友銀行)に譲渡。新潟県については長岡市に支店を置く。
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- 「産学官連携」として、東京工科大学と小学生向け金融経済eラーニング教材「りそなキッズマネーアカデミー」を共同開発した。
- また同大に八王子市も参加し、前述の金融教育システム共同開発を礎として金融経済教育の協調学習モデル調査研究事業を共同研究している。
- 「産学官連携」として、東京工科大学と小学生向け金融経済eラーニング教材「りそなキッズマネーアカデミー」を共同開発した。
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- ^ 冊子は異なるが、システム統合後の近畿大阪銀行においても同様のレイアウトとなっている。
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- システム統合後(旧あさひ店は2005年(平成17年)5月6日以降発行分より)に発行されている「くらしの通帳」(表紙はクリーム色)にも、「貯蓄預金の新規口座開設は、平成16年4月1日より中止しております」という記述がある。
- また、金利もHP上では未公表となっている(三井住友銀行は新規受付停止後も公表している)。
出典
- ^ 会社概要 - 株式会社りそな銀行
- ^ ブランド戦略:ブランドコンセプト(名前の由来) りそなホールディングス公式サイト
- ^ a b りそな銀行『東京営業部』および埼玉りそな銀行『東京支店』の移転について(2022年6月 りそな銀行・埼玉りそな銀行)
- ^ “144億円要求、りそな銀 toto業務委託料”. 47NEWS. 共同通信. (2006年4月19日). オリジナルの2013年9月27日時点におけるアーカイブ。 2013年9月25日閲覧。
- ^ 大阪市は三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行と4行で輪番制で担当。大阪府下では東大阪市、枚方市、八尾市、茨木市などが単独でりそな銀行が指定金融機関を受託。他行・信用金庫との輪番で受け持つ自治体もある。
- ^ “りそな銀が営業開始 大阪、さいたま”. 47NEWS. 共同通信. (2003年3月3日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “再燃する埼玉りそな独立運動と公的資金残高8716億円返済後の行方”. ビジネスジャーナル. (2013年2月12日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “りそな公的資金返済で浮上する再編の観測”. 東洋経済オンライン. (2007年6月27日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “株式会社りそな銀行に対する資本増強の決定等について”. 金融庁. (2003年6月10日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “りそな銀に公的資金決定 1兆円台半ばから2兆円”. 47NEWS. 共同通信. (2003年5月17日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ a b c d e f りそな国有化終了で高まる、りそな主導の地銀再編加速観測 くすぶる11年前の疑惑 ビジネスジャーナル 2014年10月29日配信 2016年12月10日確認
- ^ “りそな会長にJRの細谷氏”. 47NEWS. 共同通信. (2003年5月30日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “「りそな」のシステム再編は偉業”. 日経コンピュータ. (2003年3月27日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “りそな、システム統合完了 障害報告なし”. 47NEWS. 共同通信. (2005年9月12日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “りそなグループ「新情報系システム」をオープン基盤で稼動”. 株式会社NTTデータ. (2014年12月22日). オリジナルの2014年12月28日時点におけるアーカイブ。 2014年12月30日閲覧。
- ^ 「りそな、情報系システムを刷新」『日本経済新聞電子版』2014年12月22日
- ^ “日本郵政が経営計画を提出、貯金システムの全銀接続を明記”. 日経コンピュータ. (2006年7月31日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ “「ゆうちょ銀行の全銀システム接続は2008年5月」、日本郵政の西川社長が見通し”. 日経コンピュータ. (2007年4月27日) 2013年9月25日閲覧。
- ^ 【りそな・埼玉りそな・近畿大阪】ATM時間外手数料無料化について(pdf)りそなホールディングス2007年6月19日
- ^ 「計画停電」への対応ならびに営業時間の変更について (PDF)
- ^ 部店舗における営業時間の変更について (PDF)
- ^ ATM稼働時間の短縮・休止について (PDF)
- ^ 営業を休止していたATMの再開について (PDF)
- ^ “りそな、振り込み24時間に 来年4月、グループ3行”. 共同通信. (2014年10月26日) 2014年12月30日閲覧。
- ^ “公的資金の完済について|りそなグループのあゆみ|りそなホールディングス”. りそなホールディングス. 2023年8月21日閲覧。
- ^ “りそな銀、印鑑なしで口座開設 東京・豊洲に新型店舗”. 日本経済新聞. (2015年11月15日) 2016年5月31日閲覧。
- ^ “りそな、個人ローン手続きネット完結 審査から実行まで”. 日本経済新聞. (2016年3月22日) 2016年5月31日閲覧。
- ^ “深呼吸するとお金でなく文化の匂い…りそな銀が書斎風店舗を開設”. 産経ニュース. (2016年5月16日) 2016年5月31日閲覧。
- ^ “りそな銀と連携、滞在型「蔦屋書店」今春枚方で開店 待ち時間も退屈知らず”. 産経WEST. (2016年3月23日). オリジナルの2016年3月26日時点におけるアーカイブ。 2016年5月31日閲覧。
- ^ “「平日休業」銀行で拡大も りそな、8月に都内で開始”. 日本経済新聞. (2018年7月30日) 2018年7月30日閲覧。
- ^ “りそな銀、印鑑やめます 大手行初、3年後めど”. 朝日新聞デジタル. (2016年5月20日). オリジナルの2016年6月15日時点におけるアーカイブ。 2016年5月31日閲覧。
- ^ りそなマイゲート りそな銀行 公式サイト
- ^ りそなクラブ りそな銀行公式サイト
- ^ りそな、街のATM無料化進める エキナカやコンビニ
- ^ 斬新なデザイン女性に人気 りそな銀キャッシュカード
- ^ りそなVisaデビットカード りそな銀行 公式サイト
- ^ “りそなVisaデビットカード〈オリジナル〉」の取扱開始について” (PDF). 株式会社りそな銀行 (2013年7月18日). 2013年12月21日閲覧。
- ^ お客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ お客さま情報が収録されたMO、マイクロフィルムの紛失について (PDF)
- ^ お客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ お客さま情報の紛失について
- ^ 近鉄学園前支店でのお客さま情報が記載されたCD-Rの紛失について (PDF)
- ^ 新百合ケ丘支店でのお客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ お客さま情報の紛失について[リンク切れ]
- ^ お客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ お客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ 長瀬支店でのお客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ 千里丘支店、神戸岡本支店でのお客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ 口座振替結果データの伝送先相違による情報漏えい事案の発生について (PDF)
- ^ くずは支店でのお客さま情報の紛失について (PDF)
- ^ 「くずは支店でのお客さま情報の紛失について」の補足について (PDF)
- ^ お詫びとご報告 (PDF)
- ^ “アイドル関ジャニの大倉さん来店、ツイッターで投稿 りそな銀行が謝罪”. 産経WEST. (2015年6月9日). オリジナルの2015年7月11日時点におけるアーカイブ。 2015年7月21日閲覧。
- ^ a b “銀行で芸能人の個人情報が漏洩--なぜ若者はTwitter炎上を起こすのか”. CNET Japan (2015年6月13日). 2021年1月26日閲覧。
- ^ “関ジャニ・大倉&SMAP・中居のりそな銀行情報漏洩、「すんげ叩かれてる」発言で犯人再炎上”. サイゾーウーマン. (2015年6月10日) 2015年7月21日閲覧。
- ^ 産経新聞 (2015年6月23日). “「関ジャニ∞大倉くんご来店」炎上の衝撃……りそな銀を揺るがした情報漏洩の「想定外」”. ITmedia NEWS. オリジナルの2015年6月26日時点におけるアーカイブ。 2015年7月21日閲覧。
- ^ “りそな銀:印紙税2億5000万円納付漏れ 国税局指摘”. 毎日jp (毎日新聞社). (2010年6月8日). オリジナルの2010年6月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ “りそな銀行が2億5000万円納付漏れ、印紙税 大阪国税局が指摘”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2010年6月8日)
- ^ “りそな銀:印紙税納付漏れ 30万枚、7500万円分 大阪国税指摘”. 毎日jp (毎日新聞社). (2013年4月26日)[リンク切れ]
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