【XFM-1】(えっくすえふえむいち)
bell XFM-1/YFM-1 "Airacuda(エアラクーダ)"
ベル社がアメリカ陸軍航空隊向けに開発していた双発戦闘機。
B-17爆撃機の護衛を受け持つ長距離護衛戦闘機として設計された。
機体はセミモノコック構造の全金属製で、低翼単葉肩持ち式の主翼を有し、エンジンはターボ過給器付きのアリソンV-1710-13を搭載し、推進式プロペラを装備している。
武装には、両翼のエンジンナセル前方に37mm機関砲を備えた銃座を持っており、さらには後部胴体側面にも銃座を備えていた。
試作機のXFM-1は1937年9月に初飛行したが、最高速度は計画値より遅く、飛行性能も大幅に劣るものだった。
1938年5月には開発テスト用の増加試作機としてYFM-1を製作し、1939年9月に初飛行した。
YFM-1ではエンジンを過給器なしのV-1710-23に換装し(一部はV-1710-41に換装)、主翼と胴体が延長された。
また、エンジンの換装によってナセル側面の張り出しはなくなり、エアインテイクはナセル上面から主翼の外翼部に移され、プロペラにはスピナーが取り付けられた。
武装については7.62mm機関銃の配置が機首に2丁、胴体後部背面に1丁、下面に1丁に変更された。
しかし、そのYFM-1も、本来護衛するはずのB-17爆撃機より速度が下回り、鈍重なためスピンロールや宙返りといった空戦機動ができないばかりか、冷却不足のためエンジンがオーバーヒートし易く、地上でのタキシングすらできないなど、戦闘機としてはあまりにお粗末な代物になってしまった。
これら以外にも多数の問題点が見つかっため、当初発注分の13機で製造終了になってしまった。
製造された機体は整備用の地上教材として使用され、程なくスクラップ処分されてしまった。
スペックデータ
乗員 | 5名 |
全長 | 14.34m |
全高 | 5.94m |
全幅 | 21.34m |
翼面積 | 63.7㎡ |
自重 | 6,194kg |
全備重量 | 8,607kg |
エンジン | アリソン V-1710-23 液冷V型12気筒(出力1,150hp)×2基 |
最大速度 | 431km/h |
実用上限高度 | 9,296m |
航続距離 | 1,513km |
武装 | マドセン37mm機関砲×2門、7.62mm機関銃×4門、140kg爆弾×2発 |
バリエーション
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