ALアミロイドーシスとは? わかりやすく解説

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ALアミロイドーシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 14:09 UTC 版)

アミロイドーシス」の記事における「ALアミロイドーシス」の解説

ALアミロイドーシスは異常形質細胞によって産出されるモノクローナル免疫グロブリンM蛋白)の軽鎖L鎖由来アミロイドAL全身臓器心臓腎臓消化管肝臓末梢神経など)に沈着する。ALにはλ鎖由来のAλとκ鎖由来のAκがありAλの方がAκよりも多い。まれに重鎖H鎖由来アミロイドAH沈着するAHアミロイドーシスみられる。ALアミロイドーシスとAHアミロイドーシス免疫グロブリンアミロイドーシスとよぶ。多発性骨髄腫原発性マクログロブリン血症などの基礎疾患伴わない場合原発性ALアミロイドーシスとよぶ。原発性ALアミロイドーシスはMGUSmonoclonal gammopathy of undetermined significance)に随伴したものと考えられているがMGUS随伴例と骨髄腫随伴例か鑑別困難な例もある。 2004年の日本統計では免疫グロブリンアミロイドーシスおよび老人性TTRアミロイドーシス含めた有病率人口100万人あたり6.1人と推定されている。いわゆるアミロイドーシスの約70%が免疫グロブリンアミロイドーシス考えられている。アミロイド沈着心臓肝臓腎臓消化器末梢神経など多臓器にわたる。初期には全身倦怠感体重減少浮腫貧血などの非特異的症状があり、経過中に鬱血性心不全蛋白尿吸収不良症候群末梢神経障害起立性低血圧手根管症候群肝腫大巨舌皮下出血などを呈する巨舌特徴的であり約20%認められる血管への沈着著明であれば出血傾向呈し紫斑皮下出血粘膜下出血を認める。眼窩周囲紫斑認められる場合アライグマの眼サイン呼ばれる末梢神経障害として知覚障害無感覚筋力低下認める。感覚障害通常左右対称性で下肢多く、ときに痛みを伴う。手根管症候群他の症状より1年以上先行して見られることが多い。診断厚生省特定疾患調査研究班による免疫グロブリンアミロイドーシスAL型)の診断基準第10回国際アミロイド・アミロイドーシス会議コンセンサス・オピニオンによる診断基準がある。組織診重視される腹壁脂肪吸引生検は安全かつ診断率が高い。 ALアミロイドーシスの予後不良であり無治療例での診断からの生存期間中央値はおよそ13ヶ月である。特に心病変有する例は予後不良である。遊離軽鎖FLC)も予後因子である。治療の目標アミロイド蛋白原因となっているモノクローナルなFLC産生速やかに抑制し臓器機能温存することにある。第10回国際アミロイド・アミロイドーシス会議コンセンサス・オピニオンでは原発性アミロイドーシス治療判定基準がある。最も有効な治療65歳未満ならば造血幹細胞移植自家末梢血幹細胞移植であるが治療関連毒性多発性骨髄腫場合異なり高いため適応慎重に検討する必要がある自己末梢血幹細胞移植適応ない場合メルファランデキサメタゾン併用療法が行われる。多発性骨髄腫で行うVAD療法はALアミロイドーシスでは実施する意義乏しいと考えられている。 年齢臓器障害程度全身状態などから適応ありと判断される症例では、自家末梢血幹細胞移植併用大量メルファラン療法行い適応が無い場合は、メルファラン-デキサメタゾン併用MD療法を行う。

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ALアミロイドーシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:12 UTC 版)

ニューロパチー」の記事における「ALアミロイドーシス」の解説

ALアミロイドーシスは多発性骨髄腫原発性マクログロブリン血症リンパ腫他の形細胞腫またはリンパ球増殖性疾患原発不明疾患背景にあって起こる。ALアミロイドーシスの約30%の患者では多発ニューロパチーがあり通常は足での有痛性感障害灼熱感がある。ただし体幹でにも症状起こり患者によっては多発ニューロパチーパターン呈する手根管症候群25%患者起こり初発症状となることがあるニューロパチー緩徐進行性であり、大径線維感覚脱失とともに筋力低下がやがて進行する大半患者起立性低血圧失神膀胱直腸障害便秘インポテンス発汗異常といった自律神経症状呈する患者一般に漸進的な疾患腎不全心不全)で死亡する

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