複雑腕時計とは? わかりやすく解説

複雑腕時計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 04:41 UTC 版)

腕時計」の記事における「複雑腕時計」の解説

時刻表示加えてさまざまな機能有する機械式針式腕時計のことを「複雑腕時計」あるいは単に「複雑時計」と呼ぶ。機械式腕時計トゥールビヨンミニッツリピーター永久カレンダー評価高く、非常に高価である。一方で永久でないカレンダー機能サン&ムーン表示および電子音時刻音(リピーターソヌリアラーム機能はこれに含めないことが多い。単純なカレンダー電子アラーム除いては、実用よりも趣味性が強いものであるまた、複雑腕時計は機能複雑になるほど文字盤ケース)の厚さが増す傾向がある。 クロノグラフ 時刻表示する機能加えストップウオッチ機能組み込んだ時計のことをいう。詳細は「クロノグラフ」を参照 ムーンフェイズ 月の満ち欠けを表す機構太陰暦名残りであるが、間接的に海の満ち引き表し漁業海運貿易および天体観測占術などの分野月齢重要な指標とされるオーソドックスデザインは文字盤に空けられ半円の窓内で円盤描かれた月が見え隠れすることで満ち欠け表現される円盤には2つの月が描かれ59日で1回転する。このアイデア18世紀天才時計師アブラアム=ルイ・ブレゲ発明である。月の満ち欠けの1周期平均29.530589日であるため965日で約1日誤差生じるが、特に精巧なものではより誤差少なくしたものがある。このデザイン以外には、デイトカレンダーに似たシャッター表示式、複数の月が描かれ盤面上を月齢針または月盤で示すポインター表示式、金と黒に塗り分けられボール回転するものなどがまれに存在する24時間計のバリエーションとして、ムーンフェイズ同じよう外観円盤には太陽三日月描かれたものがあるが、これは24時間1回転し昼夜区別をする「サン&ムーン機能呼ばれている。「月相#時計の「ムーンフェイズ」」も参照 プラネタリウム ムーンフェイズ以外で、天体運行追尾する腕時計プラネタリウムあるいは天文腕時計と呼ぶ。占星術道具であるアストロラーベ自動表示をするもの、惑星位置表示するもの、月食日食予告するもの、月の位置を表示するもの、星座自動表示するものなどが存在する機械式有名なメーカーユリスナルダンクォーツ式手がけるメーカーとして、シチズンアストロデア挙げられるトゥールビヨン アブラアム=ルイ・ブレゲ発明した技術で、脱進機掛かる重力による誤差補正するため、脱進機回転させて重力影響分散する機構である。本来時計本体固定されている部品回転させるために非常に複雑な機構と高度な技術要求され一時は「世界で製造できる職人10人以下しかいない」などと言われたが、香港量産化されるなどの動きもある。日本では2009年独立時計師浅岡肇初め自社トゥールビヨンムーブメント開発成功した詳細は「トゥールビヨン (時計)」を参照 リピーター 時計側面レバーを引くと、鐘の音色や回数で現在時刻知らせてくれる機構機械式腕時計でこれを実現するためには非常に高度な技術が必要とされる。分単位まで時刻教えてくれるミニッツリピーターの他、5分単位までを教えてくれるファイブミニッツリピーター、15単位までを教えてくれるクォーターリピーターも存在する詳細は「リピーター (時計)」を参照 ソヌリ 毎時ゼロ分になるとその時刻の数だけ鐘を鳴らして時報する機構。さらに15単位時報するものをグラン・ソヌリと呼ぶ。時報同時に文字盤などに配されカラクリ人形などギミック作動するオートマタ組み合わされることもある。 カレンダー 日(デイト)および日と曜日を示すもの(デイデイト)が一般的で、日・曜日・月を示すものはトリプルカレンダー呼ばれる数字による表示方法盤面上を針(ポインター)で表示する方法がある。大型日付針(デイトポインター)が時分と共にセンター配置されたものは識別のため針先三日月型をしている。 月、日、曜日暦年表示でき、4年1度閏年でも、2月末日から3月1日にかけての手動による日付補正必要がないカレンダー機構永久カレンダーパーペチュアル)と呼ぶ。なお、閏年2月末のみに日付補正必要なセミ永久カレンダー毎年2月末のみに日付補正必要な年次カレンダー存在する

※この「複雑腕時計」の解説は、「腕時計」の解説の一部です。
「複雑腕時計」を含む「腕時計」の記事については、「腕時計」の概要を参照ください。

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