表語文字
表語文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:08 UTC 版)
表1 主な漢字辞典の収録文字数[要検証 – ノート]年(西暦)辞典名見出し字数前14世紀- 甲骨文 (参考) 約3,400 前11世紀- 金文 (参考) 約3,600 100 『説文解字』 9,353 227-239 『声類』 11,520 543 『玉篇』 22,726 751 『唐韻』 26,194 1066 『類篇』 31,319 1615 『字彙』 33,179 1716 『康熙字典』 47,035 1915 『中華大字典』 約48,000 1960 『大漢和辞典』 48,899 1962 『中文大辞典』 49,888 1986 『漢語大字典』 56,000余 1986 『漢語大詞典』 60,000余 a 「今昔文字鏡」収録数 (3,398字) によった。 b 『金文編』収録数 (3,552字) によった。 c 版および数えかたによって異同がある。詳細は大漢和辞典#大漢和辞典の親字数を参照。 ひとつの文字がひとつの語あるいは形態素を表す文字体系のことを表語文字(英: logogram)と呼ぶ。中国語では、ひとつの音節がひとつの形態素を表し、漢字はひとつひとつの文字が形態素を表している(わずかな例外はある)。したがって、漢字は完全な表語文字としては代表的なものである。表意文字とのちがいについては#表音と表意・表語の節を参照。 表語文字に属する文字体系には、アナトリア文字(消滅)、エジプトヒエログリフ(消滅)、漢字、契丹文字の一部(消滅)、楔形文字の一部(消滅)、古彝文字(現代では使われない)、古壮字(現代では使われない)、女真文字(消滅)、西夏文字(消滅)、チュノム(現代語の表記には使われない)、トンパ文字、マヤ文字(滅亡)、などがある。 表語文字体系のなかには、表音用の文字も持っていて、表語用の文字と表音用の文字とを組み合わせて語の意味と発音の両方を表そうとするものもある。また、複数の文字を並べてより複雑な意味を表そうとするものもある。エジプトヒエログリフやトンパ文字などがこれにあたる。いっぽう、漢字やそれに影響を受けた表語文字体系では、この方法を会意や形声といった手法に発展させたため、言語の語や形態素のひとつひとつを文字で表すことができるようになった(詳細は六書およびその関連項目を参照)。後者のように、すべての文字が形態素とその発音の音節を表す文字体系を、特にロゴシラバリー(英: logosyllabary)と呼ぶ研究者もいる。 表語文字の特徴として、文字体系に含まれる文字の総数を確定しがたいということがある。たとえば、漢字はその誕生以来文字数を増やしつづけてきたし、今日でも新しい文字が生まれ続けている(#表1参照)。また近年は、漢字をコンピュータで利用するための文字コード(符号化文字集合)の編纂がたびたび行われ、そのための典拠調査を行うたびに収録漢字数は増加している。
※この「表語文字」の解説は、「文字」の解説の一部です。
「表語文字」を含む「文字」の記事については、「文字」の概要を参照ください。
「表語文字」の例文・使い方・用例・文例
表語文字と同じ種類の言葉
- 表語文字のページへのリンク