素材別フィルム概要とは? わかりやすく解説

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素材別フィルム概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 03:01 UTC 版)

フィルム」の記事における「素材別フィルム概要」の解説

アイオノマーフィルムIOフィルムアメリカデュポン社開発したアイオノマー樹脂素材とする。透明かピンホール耐えうる強靭性を持つため角があるものの包装に対応でき、スライスハムなどの深絞り包装にはこのフィルム使用されるまた、ヒートシール性にも優れ、ラミネーション材料として多層フィルム中間層使用されることも多い。 ポリエチレンフィルムPEフィルムポリオレフィン一種ポリエチレン樹脂は、フィルムの素材としては最も多く利用されている。構造密度違いにより、高密度(HDPE)、中密度(MDPE)、低密度(LDPE)、リニア密度(L-LPDE)、メタロセン触媒リニア密度(mL-LDPE)の5種類樹脂区分されそれぞれフィルム製品化されている。比較安価な材料であり、ヒートシール性に優れるなど加工容易なためコンビニなどのポリ袋使われる一方HDPEフィルム耐熱性有するため包装したままの高温殺菌も可能となり、食品包装用途広く使用されるしかしながら引き裂きには弱くTダイ法成型したフィルム押し出し方向裂けやすい。この性質逆利用し、おしぼり冷凍食品の袋など簡易に破くこと(イージーピール)ができる利点生かした簡易包装用途にも使用されている。比較近年開発されL-LDPEフィルムLDPEHDPE中間的な物性持ち価格優位な点からも採用増えつつある。 ポリ塩化ビニルフィルムPVCフィルムポリ塩化ビニル(PVC)フィルムは、可塑剤添加量によって硬質・半硬質軟質区分され、また無延伸延伸フィルムがある。耐水耐油性透明性難燃性電気絶縁性など優れた物性持ちレインコートなどの衣料分野、軽包装農業分野遮水シートなどの土木建築分野広く使用される。無可塑塩化ビニル開発されてからは食品包装にも採用されてきた。しかし、環境問題などからソフトポリオレフォンフィルムへの切り替え進行している。 ポリ塩化ビニリデンフィルムPVDCフィルムアメリカダウケミカル社が開発したポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂商標名サラン樹脂)は、防湿性とガスバリア性両方優れる他にない特性持ちフィルムコーティング材料としても多用される。またフィルム同士密着性が高いため、単層家庭用パレット梱包ラップフィルムになど使用されるポリビニルアルコールフィルムPVAフィルムポリビニルアルコール(PVA)フィルムは透明か帯電防止性を持ちガスバリア性耐油性にも優れるため繊維製品機械部品包装使用される可溶性質逆利用し、袋のまま投入できる洗剤小分け包装などにも利用される農業用途では2枚フィルムの間に均一に分散させた種子挟み、これを農地に敷くことで撒種作業効率化を図るフィルムとしても使用されている。 近年は、その特性から光学フィルム一分ともなっている。 ポリプロピレンフィルムPPフィルムオレフィン一種ポリプロピレン(PP)を成型したフィルムは、比重小ささ耐熱性透明性などに優れさらには防湿性や燃焼による有毒ガス発生がない点などが評価されている。ただしガスバリア性には劣りバリア層がコーティングまたはラミネートされている場合が多い。またヒートシール性にも劣るため、袋状に成型する際には接着部分にのみPEフィルムなどをコーティングする延伸ていないフィルム(CPPまたはIPPフィルム)は、パン果物類、雑貨などの軽包装分野採用されている。 二軸延伸したフィルムOPPフィルム)のうち熱固定経ていないものは、熱により収縮する傾向強いため、シュリンクフィルムとして使用される一方で固定行ったものは寸法安定性耐水性耐摩耗性などに優れ1988年オーストラリア建国200周年記念として初め発行され以後各国でも採用されプラスチック製紙幣にも使用されている。PVDC樹脂片面または両面コーティングしガスバリア性防湿性などを向上させたKコートKOPフィルム包装用にて多用されている。 ポリエステルフィルム フィルムポリエステルは、ほとんどが熱可塑性ポリエステル樹脂PETまたはPEN)を原料製造され一般に二軸延伸されている。剛性高く食品包装用以外にも磁気テープフロッピーディスク基盤などに使用されていたが、近年包装用・光学フィルム基盤などへの採用が急拡大している。PVDC樹脂片面または両面コーティングしたKコート(KPET)フィルムもある グリコール変性コポリエステルフィルムはシュリンク特性有し延伸したもの紫外線可視光遮断性を持つため、高機能包装材料としての開発が行なわれている。 ポリカーボネートフィルムPCフィルムポリカーボネート(PC)フィルム耐熱耐寒性高く電子レンジ加熱する冷凍食品包装などに使用される保香性金属蒸着適性高く光沢透明性が高い点は、高級化粧品包装などへの利用から、光学フィルム基材としても採用されている。 ポリスチレンフィルムPSフィルム単体では脆くフィルム化に適さないポリスチレン(PS)も、二軸延伸することで強靭さと透明性帯びる。透湿性ガス透過優れており、野菜類などの鮮度維持する包装適している。また、透明性から封筒の窓など、印刷適性良さからラベルなどにも使用されるポリアクリロニトリルフィルムPANフィルムポリアクリロニトリル(PAN)フィルムガスバリア性保香性耐薬品性優れヒートシール性も良好防湿性には劣るためラミネートを施す場合が多い。食品食用油などの他、医薬品・化粧品防臭剤などにも使用されるエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムEVAフィルムEthylene-vinyl acetate 柔軟引き裂きひび割れ強く、角があっても裂けにくい特性から土木建築分野防水シートなどに使われるが、酢酸臭があるため食品直接接触する包装には使用されない接着性良いためラミネート材料や、近年では太陽電池構成する接着フィルムとしても利用されるエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOHフィルムEVAガスバリア性PE加工容易性併せ持ち、透明か光沢有するために包装材料として使用される。他のフィルムと共押出により多層化されることも多く包装材料多機能化貢献している。 エチレン-メタクリル酸共重合体フィルムEMAAフィルムヒートシール性に優れアイオノマーフィルム似た物性を持つ。金属との接着性にも優れ、特に高速自動包装適応する。 ナイロンフィルム(NYフィルムポリアミドPAフィルムフィルム用として利用されるナイロン(PA)は、主に6ナイロン原料に、無延伸CNまたはCNyフィルム耐熱性高く、二軸延伸(ONまたはONy)したフィルム耐寒性優れる。PVDC樹脂片面または両面コーティングしたKコートKONフィルムもある。 セロファン 透明さ印刷適性などからかつては広く包装用材料として使用されてきたが、順次他の材料切り替わり、現在ではテープ基材ギフト用のラップなどに少々使われる程度になっている。しかし、近年3次元ディスプレイの有力材料として研究が行なわれる など、異分野でふたたび脚光を浴びる可能性秘めている溶液流延法によって製造される

※この「素材別フィルム概要」の解説は、「フィルム」の解説の一部です。
「素材別フィルム概要」を含む「フィルム」の記事については、「フィルム」の概要を参照ください。

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