メンデルスゾーン:無言歌集 第4巻
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:無言歌集 第4巻 | Lieder ohne Worte Heft 4 Op.53 U 143, 109, 144, 114, 153, 154 | 作曲年: 1841年 出版年: 1841年 初版出版地/出版社: Simrock |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 変イ長調 「海辺で」 "On the seashore" | 3分30秒 | |
2 | 変ホ長調 「浮雲」 "The fleecy cloud" | 2分30秒 | |
3 | ト短調 「胸騒ぎ」 "Agitation" | 2分30秒 | |
4 | ヘ長調 「心の悲しみ」 "Sadness of soul" | 2分30秒 | |
5 | イ短調 「民謡」 "Volkslied" | 3分00秒 | |
6 | イ長調 「勝利の歌」 "Song of triumph" | 3分00秒 |
作品解説
ワーグナーが「第一級の風景画家」と言ったように、メンデルスゾーンは情景描写や標題音楽の作曲において才能を発揮している。
この“言葉のない歌曲”、「無言歌」、という形でメンデルスゾーンは心象風景や感情描写までも、表現した。歌曲風の旋律をもった器楽曲であるため、旋律線をはっきりと浮き立たせ、抒情的に演奏することが重要だろう。
メンデルスゾーンが活躍したこの時期、ブルジョアジーの家庭を中心に、ピアノが教養として普及した。そのため、家庭で気楽に弾ける作品が多く作られたが、この《無言歌集》もその一つである。
《無言歌集》は各6曲ずつの計8集からなり、生前に出版されたのは、第6集までである。第7集は、1851年、第8集は1867年に出版された。1832年、第1集を出版したときには、メンデルスゾーンは、《ピアノのためのメロディー》と記しており、《無言歌集》の名称をもつようになったのは1835年に第2集を出版してからのことであった。
標題をもっているものが多いが、作曲者自身によってつけられたものはわずかである。実際、メンデルスゾーンは標題をつけることによって、音楽的な想像力が限定されることを嫌っていたようだ。
第4巻
1.変イ長調「岸辺にて」 / op.53-1
2.変ホ長調「浮雲」 / op.53-2 (1841)
メンデルスゾーンの無言歌の大部分の曲は、左手が奏でる伴奏音型上に、右手が旋律を歌うといった方法を採り、3部形式で書かれている。また、曲に前奏や間奏、後奏が挿入されていることからも、無言歌は歌曲から着想されたものと考えらる。
Op.53-2は1841年に出版された無言歌第4集の1曲。『浮雲』の題はメンデルスゾーン自身によるものではない。 曲全体は右手の八分音符と3連符という、異種のリズムの組み合わせによって進行する。21小節目より、旋律線が上下に表れる変化部分を成し、49小節より再現部に至る3部形式。
3.ト短調「胸騒ぎ」 / op.53-3
4.ヘ長調「心の悲しみ」 / op.53-4
和声的な響きが変化し、陰影をつくりだす。その上に、哀愁に富む旋律がうかびあがる。無言歌の中でも、とくに感情に富んだ、深みのある一曲。
5.イ短調「民謡」 / op.53-5
6曲中、メンデルスゾーン自身が命名した唯一の作品。オクターブと3度の平行和音を組み合わせた独特の語法が用いられている。
6.イ長調「勝利の歌」 / op.53-6
快活で華やかな曲。ロンド形式にちかい形をもつ。
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