メンデルスゾーン:無言歌集 第6巻
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:無言歌集 第6巻 | Lieder ohne Worte Heft 6 Op.67 U 180, 145, 102, 182, 184, 188 | 作曲年: 1843-1845年 出版年: 1845年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 変ホ長調 「瞑想」 "Meditation | 2分30秒 | |
2 | 嬰ヘ短調 「失われた幻影」 "Lost illusions" | 2分00秒 | |
3 | 変ロ長調 「巡礼の歌」 "Song of the pilgrim" | 2分30秒 | |
4 | ハ長調 「紡ぎ歌」 "Spinnerlied | 2分00秒 | |
5 | ロ短調 「羊飼の嘆き」 "The shepherd's omplaint" | 2分30秒 | |
6 | ホ長調 「子守歌」 "A cradle song" | 2分30秒 |
作品解説
ワーグナーが「第一級の風景画家」と言ったように、メンデルスゾーンは情景描写や標題音楽の作曲において才能を発揮している。
この“言葉のない歌曲”、「無言歌」、という形でメンデルスゾーンは心象風景や感情描写までも、表現した。歌曲風の旋律をもった器楽曲であるため、旋律線をはっきりと浮き立たせ、抒情的に演奏することが重要だろう。
メンデルスゾーンが活躍したこの時期、ブルジョアジーの家庭を中心に、ピアノが教養として普及した。そのため、家庭で気楽に弾ける作品が多く作られたが、この《無言歌集》もその一つである。
《無言歌集》は各6曲ずつの計8集からなり、生前に出版されたのは、第6集までである。第7集は、1851年、第8集は1867年に出版された。1832年、第1集を出版したときには、メンデルスゾーンは、《ピアノのためのメロディー》と記しており、《無言歌集》の名称をもつようになったのは1835年に第2集を出版してからのことであった。
標題をもっているものが多いが、作曲者自身によってつけられたものはわずかである。実際、メンデルスゾーンは標題をつけることによって、音楽的な想像力が限定されることを嫌っていたようだ。
第6巻
この6曲中には、メンデルスゾーンによってつけられた標題はない。
1.変ホ長調「瞑想」 / op.67-1 (1843)
分散和音の伴奏の上に、優雅な歌うような旋律がながれる。
2.嬰ヘ短調「失われた幻影」 / op.67-2 (1845)
3.変ロ長調「巡礼の歌」 / op.67-3 (1845)
16分音符のシンコペーションのリズムが特徴の曲。ソプラノの3度下降する動機が曲全体を支配している。大きな高揚はなく、全体的に穏やかな曲。
4.ハ長調「紡ぎ歌」 / op.67-4 (1845)
6曲中最も有名で親しまれている曲。このタイトルは、メンデルスゾーンによってつけられたものではないが、彼自身もこの呼び名を認めていた。『糸を紡ぐグレートフェン』の糸車の回転を思わせるような音形が全曲を通して流れていく。伴奏の音形をよどみなくきかせつつ、旋律を響かせていくことが重要だろう。
5.ロ短調「羊飼の嘆き」 / op.67-5 (1844)
6.ホ長調「子守歌」 / op.67-6 (1845)
全体を通して、主旋律のはじめの4小節の動機がくりかえされる。
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