日本語との対応
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与那国語では、日本語(本土方言)のeがiに、oがuになっている。ただしス、ツ、ズに対しては、与那国語では/i/が対応する。 母音の対応関係日本語ア イ ウ エ オ 与那国語/a/ /i/ /u/ /i/ /u/ 子音の対応関係日本語与那国語k(語中) g g(語中) ŋ j(語頭) d w b z d 与那国語では、語中のカ行子音が濁音化し/g/となる。ただしキは/ti/が対応する。(例)[agiruɴ](開ける)、[iti](息)。一方、本来のガ行子音は鼻音/ŋ/となる。(例)[aŋaruɴ](上がる)。ただしギは/gi/または/di/となる。またヤ行子音は与那国語では主に語頭で/d/が対応している。語中ではjのものもある。(例)[damuɴ](病む)、[uja](親)。南琉球諸語に共通する特徴として、ワ行子音は/b/が対応する。(例)[bagaɴ](若い)、[buɴ](居る/をる)。サ行では、日本語のサ・セ・ソは/sa/、/si/、/su/となるが、シ・スは/ci/となる。ザ行子音は/d/となる。(例)[adi](味)、[kidi](傷)。タ行では、日本語のタ・テ・トは/ta/、/ti/、/tu/だがチ・ツは/ci/となる。ハ行子音は/h/となっており、pをとどめている宮古・八重山語とは異なっている。ただしヒは/ci/となっている。以上のように与那国語では、日本語のイ段音は子音を変化させている例が多い。ナ行およびマ行では、ナ:/na/、ニ・ネ:/ni/、ヌ・ノ:/nu/、マ:/ma/、ミ・メ:/mi/、ム・モ:/mu/と対応している。ラ行子音は/r/となるが、リの場合はrが脱落しiとなる。また日本語のロ/ro/に/du/が対応することもある。 与那国語の無気喉頭化音/kʔ/は、語頭のkik・cuk・huk・hok・hikなどの音声環境において、第1拍が無声化の末に脱落し、その代償として第2拍のkに無気喉頭化という特徴が加わったものである。/tʔ/も同様に、sit・hit・hut・kuc、あるいはkiki・cuki・cuti・cikiという音声環境で現れる。(例)[kʔuɴ](聞く)、[kʔuruɴ](作る)、[kʔuriruɴ](ふくれる)、[kʔuɴ](埃)、[kʔuɴ](弾く)、[tʔaː](舌)、[tʔuː](人)、[tʔiː](聞き)、[tʔiː](月)。また、kir・kus・sir・hirを含む語では、rがsに音韻変化を起こした後、第1拍の脱落によって第2拍のsがcに変化している。(例)[tsʔuɴ](着る)、[tsʔaː](草)、[tsʔudaːri](白い)、[tsʔuːma](昼間)。似た変化は、宮古語で[ffu](黒)、八重山語で[kisuɴ](着る)のように現れる。 与那国語の/N/は、日本語の語頭のム・ヒ・ツ・ク・フ・シ・イ・ウなどに対応して現れる。(例)[ŋkaʧi](昔)、[ŋgi](髭)、[nni](舟)。
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日本語との対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 01:50 UTC 版)
母音の対応関係日本語ア イ ウ エ オ 宮古語/a/ /ï/ /u/ /i/ /u/ 宮古語では、日本語のoとuがuになり、e音がiになり、i音がïになるのが基本的な対応関係である。ただし、ス・ツ・ズの母音は、ïとなる。 池間方言や水納方言ではïがiとなる傾向があるが、c・s・zの直後ではïのままである。宮古島南部ではïを保っているが、狩俣・大浦など宮古島北部ではiとなる傾向がある。ただしあくまで傾向であり、明確な線は引きにくい。
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日本語との対応
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笠利町佐仁地区の佐仁方言を除き、奄美大島方言と日本語は、概ね以下のように対応している。佐仁方言では、ハ行子音にpが現われたり、語頭のカ・ケ・コの子音がhとなっているなどの特色がある。 日本語と奄美大島方言(佐仁を除く)の対応関係日本語カ キ ク ケ コ 奄美大島方言/ka/ /kʔi/ /kʔu//ku/ /kï/ /ku//ko/ 日本語サ シ ス セ ソ 奄美大島方言/sa/ /si/ /sï//si//su/ /sï/ /si/ /su/ 日本語タ チ ツ テ ト 奄美大島方言/ta/ /cʔi//si/ /cʔï//cʔi//tʔï//sï//cʔu//tʔu/ /tï//ti/ /tu/ 日本語ナ ニ ヌ ネ ノ 奄美大島方言/na/ /ni/ /nu/ /nï//ni/ /nu//no/ 日本語ハ ヒ フ ヘ ホ 奄美大島方言/ha/ /hi/ /hu/ /hwï//hwë//hi/ /hu/ 日本語マ ミ ム メ モ 奄美大島方言/ma/ /mi/ /mu/ /mï/ /mu//mo/ 日本語ヤ ユ ヨ 奄美大島方言/ja/ /ju/ /ju//jo/ 日本語ラ リ ル レ ロ 奄美大島方言/ra/ /ri//r/ /ru/ /rï//rë//re/ /ru/ 日本語ワ ヰ ヱ ヲ 奄美大島方言/wa/ /i/ /i//e/ /u/ 日本語のオ段母音には原則としてuが対応するが、oが対応する例も少なくない(名瀬方言の例:[ʔutu](音)、[ʔito](糸))。 語中のカ行子音は、h音化するか脱落することがある。主に広母音に挟まれた場合に、与路島・名瀬・龍郷で脱落する傾向があり、瀬戸内町大浜や大和村思勝ではh・x音が現われる(思勝方言の例:[koxoro](心)、[toho](蛸)。龍郷方言の例:[koro](心)、[sëː](酒))。 日本語のシ、ス、セ、チ、ツ、テとの対応龍郷名瀬思勝大浜請島与路島シʃi ʃi ʃi ʃi ʃi ʃi スsï ʃi sï sï su su セsï sïʃi sï sï sï sï チtʔʃiʃi tʔʃi tʔʃi tʔʃi tʃi tʔʃitʃi ツtʔsïsï tʔʃi tʔsï tʔɪ tu tʔïtʔututʔsu テtï tï tï tɪti ti tï 琉球語の他の諸方言では、サ行とタ行およびその濁音においてイ段とウ段が統合している場合(一つ仮名弁)が多い。奄美大島方言のうち、思勝や龍郷、瀬戸内町大浜では、日本語のスとセが統合して/sï/が対応しており、シに対応する/si/と区別される(思勝方言の例:[sïna](砂)、[ʔasï](汗)、[ʃima](島))。一方、請島や与路島ではス、ツの母音uが保たれており、シとスとセの3つが区別されるのは琉球語の中ではここだけとなっている。タ行ではチ、ツ、テがそれぞれ区別される方言が多い(龍郷方言の例:[tʔʃiː](血)、[tʔsïna](綱)、[tïː](手))。一方、名瀬では、中本(1976)によればサ行はシ:/si/、ス:/si/、セ:/sï/のように対応するが、大野(2004)によればシ・ス・セの殆どが/si/に統合しているという。チとツも名瀬方言では/cʔi/に統合している。 ハ行子音は、佐仁方言を除き北部で[h]、南部で[ɸ](F)である。へは原則として/hwï/が対応するが、与路島方言では/hwë/、瀬戸内町大浜方言では/hi/も対応する。 北部の佐仁方言や南部の与路島方言では、マ行子音が変化して[w̃]または鼻母音が現われる(佐仁方言の例:[haw̃ĩ](亀)、[haː̃](鎌))。 リにiが対応する他の北琉球方言と異なり、rの脱落は起きない(名瀬市根瀬部方言の例:[wuduri](踊り)。徳之島松原方言では[wudui])。なお前述の通り南部方言ではリのiが脱落する(与路島方言の例:[tur](鳥))。
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日本語との対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:40 UTC 版)
北部の小野津・志戸桶では、日本語のエ段母音に対しɪが対応し、iと区別されている(小野津方言の例:miː「実」、mɪː「目」)。一方、中・南部では区別なく、iに合流している(miː「実」「目」)。ただしナ行では、中里・湾・荒木でもネに対しnɪが現われる。また、喜界島全域で日本語のニに対応する子音は口蓋化してnʲとなっている。すなわち「荷」「鬼」などのニに対しては全域でnʲiが現われ、「根」「胸」などのネに対しては小野津・志戸桶・中里・湾・荒木でnɪ、塩道・阿伝・上嘉鉄・坂嶺でniが現われ、区別されている。 日本語のオ段母音とウ段母音は、喜界島方言でuに合流している。喜界島方言のe、ë、oは、ほとんどの場合、長母音として現れる。歴史的には連母音が融合したもので、eː、ëːはai、aeから、oːはau、aoから来ている場合が多い(小野津方言の例:pëː「蠅」、neː「苗」、soːdeː「竿竹」)。seː「酒」、deː「竹」という例もあるが、これは語中のkが脱落した後にaeが融合したものである。 ハ行子音は、北部の小野津・志戸桶と中部の塩道・坂嶺・阿伝ではpが現われる。ただし閉鎖性は弱く、[ɸ](無声両唇摩擦音)が現われることもある。南部の湾・上嘉鉄などではhが現われる。 日本語のカ行のうち、キは、北部の小野津・志戸桶ではkʔiであるが、中・南部では口蓋化してtɕi/tʃi/tʃʔiとなっている(塩道方言の例:tʃʔimu「肝」)。クは、各地でkʔuが対応している。一方、語頭のカ、ケ、コの子音はhとなる場合がある(iの前でç、uの前でɸとなる場合もある。阿伝方言の例:hata「肩」、çiː「毛」、huɕi「腰・後ろ」)。また主に北部で、語中のガ行子音に鼻音ŋが現われるが、中・南部では鼻音の衰退が進んでいる。また語によってはギがni/nʲiとなっている(志戸桶方言の例:kʔunʲi「釘」)。 琉球語の多くの方言では、日本語のス、ツ、ズ(ヅ)に対応する母音が中舌母音またはiとなっているが、喜界島方言ではuを保持している。ツは、喜界島ではtʔuまたはtsʔuが対応している。同一地区でもtʔuとtsʔuとで揺れているが、小野津・志戸桶・中里などではtsʔu、塩道・湾などでtʔuとなることが多い。トに対応する拍はtuなので、ツと区別されるが、tʔuの喉頭化が弱まっている場合もあり、その場合は区別しにくい。 ザ行子音は、塩道・阿伝・上嘉鉄・湾などではdとなっている(阿伝方言の例:ʔada「あざ」、tɕidu「傷」)。これらの地域では、ジがdʒi/dʑi/ʑiで、ズがduで、ゼがdiで現れており、*z>dの変化が*e>iより先に起きたと考えられる。一方、小野津・志戸桶・坂嶺・荒木ではザ行子音はz、dz、ʑ、dʑといった音声で現れる。 日本語のチにはtɕi/tʃi/tʃʔiが対応する。テはtɪまたはtiであり、チとテの区別は保たれている。 リは、湾・花良治ではriであるが、塩道などではrを脱落させてiとなる傾向がある(塩道方言の例:tui「鳥」)。
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日本語との対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 19:50 UTC 版)
母音の対応関係日本語ア イ ウ エ オ 石垣島、小浜島、新城島、波照間島、(竹富島)/a/ /ï/ /u/ /i/ /u/ 西表島祖納、鳩間島、黒島/a/ /i/ /u/ /i/ /u/ 八重山語の大部分では、日本語のeがiに変化した一方、日本語のiは中舌母音ïに変化しており、エ段とイ段の区別を保っている。しかし、ïは次第に衰退していく方向にあり、西表島租納や鳩間島、黒島ではïがiに統合している。竹富島でも、ïはs、c、zの後にしか現れず、それ以外の拍ではiに統合している。 カ行では、日本語のキは、石垣方言ではkïだが、竹富島や波照間島などでは/sï/または/si/が対応する。(例)[ʃinuː](昨日)。日本語のクは、/hu/となる。(例)[ɸutʃirï](薬)。また、語中のカ行子音は、[ʔagairu](赤色)のように濁音化する傾向があり、隣の与那国語ではこれが規則的である。 タ行では、tがsに変化している例が多く認められる。(例)[pusu](人・鳩間方言)、[ʃiː](手・波照間方言)、[ʃiː](血・黒島方言、鳩間方言)、[sïkeɴ](月・波照間方言)またタ行およびサ行では、日本語のウ段はイ段へ統合しており、チとツ、シとスの区別はなくなっている。 日本語の語頭のハ行子音は、八重山語全域でpとなる。日本語のハ行子音が古くはpだったとされ、それを残しているものとして有名である。ただし、ウ段のフは八重山語では/hu/([ɸu]あるいは[fu])となる。宮古方言ではフはfuであり、八重山語でも古くはfuだったと考えられている(pu→fu→ɸu)。(例)[pana](花)、[pïː](火)、[ɸuni](舟)。 日本語のワ行子音は、八重山語でbに対応する。南琉球諸語全体に共通する現象で、ハ行転呼によるワ行音には対応しない。(例)[barauɴ](笑う)、[butu](夫)。 八重山語では狭母音に続くラ行子音がsに対応している。(例)[kisuɴ](着る)、[ssuɴ](切る)。
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