日本国外における影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 00:18 UTC 版)
「福島第一原子力発電所事故の影響」の記事における「日本国外における影響」の解説
スリーマイル島原子力発電所事故(1979年3月28日)やチェルノブイリ原子力発電所事故(1986年4月26日)に伍する、史上最悪の原子力災害の一つであり、旧ソビエト連邦よりも格段に原発の安全策が講じられていると目されていた日本でこのような大惨事が発生したことは、各国のエネルギー政策に大きな影響を与えた。ドイツとイタリアは、脱原子力への方向を加速させた。 震災直後の各国で問題発言やデマなども流布した(東日本大震災関連の犯罪・問題行為参照)。 2011年4月15日、ロシア連邦の放射線に関する政府機関・医学生物学庁のウラジーミル・ウイバ長官は、東京都内の大使館において、同館敷地内で観測された放射線量が0.07 μSv - 0.10 μSvであり、これはモスクワの水準(0.17 μSv - 0.20 μSv)の約半分にとどまるとの調査結果を公表した。医学生物学庁から東京に派遣されたチームは大使館員や在日ロシア人の健康調査等を行った上で、「東京の放射線量は人体に悪影響はない」「現時点で放射能汚染はない」と述べ、これを受けてウイバ長官は「観光を目的とした渡航制限を解除」するようロシア外務省に勧告する意向を明らかにした。 諸外国による食品の輸入規制 食品から放射性物質が検出されたことにより、日本の食品、主として、東北・関東地方の農水産物および静岡のお茶について、諸外国が輸入規制の措置を取った。 2022年2月時点で、日本の一部都県の食品につき輸入を停止している国・地域は香港、中国、台湾、マカオ、韓国である。 2018年11月24日、台湾では日本の5県産食品(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)の禁輸継続について賛否を問う住民投票があり、賛成多数で「禁輸継続」となった。 日本の全てまたは一部の食品に証明書を求めている国・地域がインドネシア、フランス領ポリネシア、欧州連合(EU)、北アイルランド及び欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国、ロシア。なお、イギリスは英EU間の合意に基づき北アイルランドを除いた地域で規制撤廃。 また、事故後に何らかの制限や規制を行っていたが、完全に解除した国は42か国となっている。 日本は、海産物の輸入禁止措置を解除しない韓国に対して、世界貿易機関(WTO)紛争処理小委員会に提訴。2018年2月22日、恣意的または不当な差別に当たるとして、措置を不当とする判断を得たが、韓国側は貿易機関の上級委員会へ提訴し、輸入規制を継続した。2019年4月12日上級委員会は韓国の措置を妥当と認め、日本側の敗訴で終わった。
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