日本の竹林とは? わかりやすく解説

日本の竹林

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:11 UTC 版)

竹林」の記事における「日本の竹林」の解説

2019年時点で、日本の竹林総面積は約167000ヘクタールと、2017年まで10年間で約8000ヘクタール増えた林野庁による)。このように竹は日本でごく普通に見られるが、ほぼ全ての種が帰化植物考えられる一部の種には日本野生説もあるが、ほとんどは中国原産である。笹は日本産のもの多くあり、地方変異数多いモウソウチクを除く種の多くは、その地域でしか生育しないことが多いが、その理由不明である。 日本での歴史 竹林は、実は、日本古来植生ではない。 ただし『古事記』『万葉集』には竹に関する記述があり、日本でもこうした書物書かれ時代ころには一応書物登場するようになってはいた。ただし当時書物登場する「竹」というのは多くチシマザサ類を指すものであったマダケのような現在親しまれている竹類については、一部自生していたとの説もあるが、仮にそうであっても極めて珍しく現在のような竹林はほとんどがそれ以降中国からの持ち込み栽培元にしたものであると考えられている。 マダケ類は8世紀頃に持ち込まれ当時はおそらく貴族の間だけで栽培され多分に貴族儀礼等と関係を持っていた。平安時代初期というのは、天皇であれ貴族であれ日本人というのは中国当時東アジア先進国であり大国であった)の文化模倣することに躍起になっていた時代であり、桓武天皇明らかに中国の皇帝模倣して中国風の衣装装身具を身につけており、日本の諸制度中国の諸制度模倣していた時代であったわけで、当時日本というのはそういう状態であったので、「竹も中国文化受容目的栽培されていた」との説もある。たとえば『竹取物語』において求婚者が全て貴族であるのも、こうした時代背景色濃く反映されていると考えることもできる日本竹林一般に広く見られるようになったのは16世紀以降考えられている。 (8世紀以降は、あるいは16世紀以降は)竹林日本人生活・産業芸術などに深い関わり持っている天然素材得られる場所 現在でも郊外などで、平地里山を結ぶ緩衝地帯などに多く竹林を見ることができる。日本でもアジア諸国同様に)竹は貴重な天然素材として多用されており、竹林は竹が大量に得られる場所である。 マダケはその真っ直ぐでしなやかな特性生かして竹細工建材家具釣竿などに最も多く利用されてきた。大分県マダケ面積生産量とも全国一のシェア占めており、別府市周辺別府竹細工日田市竹箸など、大分県では豊富な竹材を利用した竹工芸歴史的に盛んである。 なお日本の竹林は世界的な発明にも影響与えた京都府八幡市石清水八幡宮境内竹林マダケは、エジソン1882年白熱電球フィラメントとして利用したことで知られる。この竹林からは電球発明翌年から10数年もの永い間、多くの竹がアメリカエジソン工場輸出され炭素白熱電球生産利用された。境内にはエジソン記念碑が建つ。記念碑中央エジソンのリレーフを、向かって右側には「The memory of Thomas Alva Edison 1947-1931」と書かれている竹林日本の文化 日本では庭園構成する要素一つとして重宝されるなど、竹林織り成す景観日本の風土を象徴するものの一つとなっており、特に京都寺院郊外景観を形づくる要素一つとして大きな比重担ってきた。春に竹林入り、筍を掘るのは日本の風物詩の一つである。また、日本画水墨画モチーフとしてもしばしば用いられ多く文人墨客竹林の持つ独自の繊細なイメージから多くインスピレーション受けてきた。 また、視覚のみならず、風が竹林通り抜ける際のざわめき日本人の耳には心地よく響き風情感じさせるものとして俳句和歌などに歌われ多く文学者画家などの想像力刺激してきた。旧環境庁の「残したい日本の音風景100選」(京の竹林)にも選ばれるなど、日本人の「音風景」「心象風景」の一つとも言える

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