改造十円券とは? わかりやすく解説

改造十円券

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/18 15:39 UTC 版)

十円紙幣」の記事における「改造十円券」の解説

1890年明治23年7月26日大蔵省告示33号改造十圓兌換銀行券見本現品熟覽ニ係ル件」により紙幣の様式公表されている。主な仕様下記の通り日本銀行兌換銀券 額面 拾圓(10円表面 和気清麻呂紙幣面の人名表記は「和氣清麻呂卿」)と兌換文言発行根拠文言偽造変造罰則文言 裏面 彩紋英語表記兌換文言 印章表面総裁之印 〈裏面文書局長金庫局長 銘板 大日本帝國政府大藏省印刷局製造 記番号仕様記番号赤色 記番号構成製造時期により2種類あり)〈記号〉「第」+組番号漢数字1 - 3+「號」 〈番号通し番号漢数字5桁記号〉「第」+組番号漢数字3+「號」 〈番号通し番号漢数字6 寸法100mm、横169mm 製造実績印刷局から日本銀行への納入期間 1890年明治23年3月 - 1898年明治31年下期 記号(組番号範囲 「第壹號」 - 「第壹〇五號」(1記号当たり40,000製造) 「第壹〇六號」 - 「第壹壹〇號」(1記号当たり900,000製造製造枚数 8,074,000 発行開始1890年明治23年9月12日 通用停止1939年昭和14年3月31日 発行終了 失効旧十円券には紙幣強度高めるためにコンニャク粉混ぜられていたが、そのためにネズミ食害されることが多々あった。また偽造防止対策として、写真写りにくくするために用いていた薄い青色顔料には鉛白含有されており、温泉地などで硫化水素化合するなどにより黒変することもあった。これにより、かえって偽造容易になったという指摘もある。以上の技術的欠陥明らかになったため、これを改良するためにこの改造券発行された。 偽造防止対策として精巧な人物肖像印刷することとなり、肖像には1887年明治20年)に選定され日本武尊武内宿禰藤原鎌足聖徳太子和気清麻呂坂上田村麻呂菅原道真の7人の候補の中から、改造拾圓券には和気清麻呂選ばれている。なお、和気清麻呂肖像は、文献資料絵画・彫刻参考にしつつ国学者黒川真頼などの考証を基に、エドアルド・キヨッソーネ実在人物モデルとしてデザインしたのであるが、モデル人物維新の三傑1人とされる木戸孝允とする説と当時印刷局彫刻部長であった佐田清次とする説がある。表面額縁状の輪郭内には肖像和気清麻呂因んだ描かれていることから、通称は「表10円」であるほか、「表イノシシ」とも呼ばれるは8頭描かれており、走っているもの、歩いているもの、座っているものなど、様々な生態描かれている。また旧拾圓券と異なり、英語による兌換文言裏面表記されている。図案製作者は旧券と同じくイタリア人エドアルド・キヨッソーネである。裏面彩紋模様により装飾され額面金額数字左側配置されている他は英語表記兌換文言記載されているのみであるが、地模様などもなく簡素な図柄となっている。 記番号漢数字となっており、下表のように前期後期とに分けられるタイプ発行開始日組番号範囲通し番号前期 1890年明治23年9月12日 「第壹號」 - 「第壹〇五號5桁最大四〇〇〇〇後期 不明 「第壹〇六號」 - 「第壹壹〇號」 6最大「九〇〇〇〇〇透かしは「銀貨拾圓」の文字図柄である。 使用色数は、表面3色(内訳凹版印刷による主模様1色、地模様1色、印章記番号1色)、裏面2色(内訳は主模様1色、印章1色)となっている。 「兌換銀券」と表記されているが、1897年明治30年10月貨幣法施行および兌換銀行券条例改正による銀本位制から金本位制への移行に伴い以降は金兌換券として扱われることになった1927年昭和2年2月制定され兌換銀行券整理法により1939年昭和14年3月31日限り通用停止となった

※この「改造十円券」の解説は、「十円紙幣」の解説の一部です。
「改造十円券」を含む「十円紙幣」の記事については、「十円紙幣」の概要を参照ください。

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