せんりゃく‐ばくげきき【戦略爆撃機】
【戦略爆撃機】(せんりゃくばくげきき)
戦略爆撃をおこなうために設計・開発された爆撃機。
戦略爆撃とは、敵の正面兵力よりも、むしろ兵站や後方施設、生産設備、ライフライン、都市機能などを破壊し、敵の戦争継続能力に打撃を与えるための爆撃である。
これを実行するため、敵地領内奥深くへ到達できる長距離侵攻能力や、NBC兵器または大量の通常爆弾を運用する能力が求められる。
しかし、冷戦時代の途中からNBC兵器の運用主体が航空機から弾道ミサイルや巡航ミサイルへと移行し、また、戦略爆撃そのものが非人道的な無差別性を持つことから非難の対象になったため、現在ではその存在意義が大きく揺らいでいる。
米ソの冷戦終了後の現在、アメリカが保有する戦略爆撃機は誘導爆弾の運用能力が求められており、長い航続距離と大量のペイロードを活かし、一度の出撃で複数の標的をピンポイント爆撃する運用が行われている。
対空能力に乏しく、自衛の必要性に薄い地域の標的を攻撃するには、マルチロールファイターを複数投入するよりはるかに効率的であり、2001年以降のアフガニスタンやイラクでの航空作戦において、誘導爆弾の殆どはB-52,B-1,B-2といった戦略爆撃機により投下されている。
このため重要性は日々増しており、皮肉にも米ソ冷戦の頃とは全く方向性が異なった戦術爆撃能力の高さを買われ、冷戦終結後に不要となりモスボール化されていた一部のB-1Bが現役復帰している。
主な機体
戦略爆撃機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 00:29 UTC 版)
戦略爆撃機(せんりゃくばくげきき)は、両戦力が直接衝突する前線(交戦区域)から離れた、敵国領土や占領地などを目標にし、工場や港、油田などの生産施設、住宅地や商業地を破壊して敵国民の士気[1]、さらには生産力そのものである国民の殲滅(戦略爆撃)を目的とする重爆撃機で、初期の大量破壊兵器といえる。
注釈
出典
- ^ 三浦俊彦『戦争論理学 あの原爆投下を考える62問』二見書房21頁
- ^ 青木謙知『ミリタリー選書1現代軍用機入門 (軍用機知識の基礎から応用まで)』イカロス出版14頁
- ^ STARTⅠにおける重爆撃機の定義
- ^ 長距離核空中発射巡航ミサイルの定義
- ^ SALTⅡに基づく重爆撃機の具体例
- ^ STARTⅠに基づく重爆撃機の具体例
- 1 戦略爆撃機とは
- 2 戦略爆撃機の概要
- 3 性能
- 4 戦略爆撃機の一覧
- 5 脚注
「戦略爆撃機」の例文・使い方・用例・文例
- ブラックジャックという戦略爆撃機
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