誘導爆弾とは?

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【誘導爆弾】(ゆうどうばくだん)

Precision Guided Bomb (PGB).
動翼などの誘導手段をもち、決められた目標へ自ら軌道修正しながら落下する爆弾
従来のものに比べて格段に命中精度が高いため、攻撃機が使用する爆弾の主流になりつつある。
通常爆弾と比べてスマート爆弾(賢い爆弾)と呼ばれることもある。

初めて実用された誘導爆弾の戦果は第二次世界大戦時、戦艦ローマ(リットリオ)を撃沈したフリッツX(対艦ミサイルとされる場合もある)であるとする場合が多いが、実際に効果的に運用されるようになったのはベトナム戦争の頃からである。

関連:レーザー誘導爆弾 GPS誘導爆弾


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誘導爆弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/11/24 07:58 UTC 版)

レーザー誘導爆弾

誘導爆弾(ゆうどうばくだん)とは誘導装置を備えた爆弾の事。

目次

概要

誘導爆弾は、スマート爆弾 (smart bomb) とも呼ばれる。主に建造物など静止目標に対する攻撃に使用される。なお、これに対して無誘導爆弾の事を俗にダム・ボム (dumb bomb) と呼ぶことがある。

投下されると動翼などによって滑空しながら落下しつつ、決められた目標へ自ら軌道修正していく。無誘導爆弾を投下した場合に比較して、高い効率で目標を破壊することを目的とする。これを使用することにより、目標の迅速な破壊や破壊地域の極限、爆撃に際して必要な兵力の減少などが見込める。副次的な効果として、爆撃地点を軍事目標に限定し一般市民に対する危害が極限されることが喧伝されることもある。

誘導爆弾の開発は各国で行われているが、アメリカ合衆国が実戦使用数の面からリードしている。

誘導爆弾とミサイルとの違いは、基本的にはロケットエンジンなどの推進装置があるかどうかであるが、アメリカ軍では推進装置のついてないAGM-62 ウォールアイやAGM-154 JSOWなども対地ミサイルに分類されており、その境界は曖昧である。

歴史

誘導爆弾は第二次世界大戦に登場した。ナチス・ドイツは装甲目標用の フリッツX と非装甲目標用の Hs293 を開発している[1]。このうち フリッツX は1943年9月9日に、連合国軍に投降したイタリア艦隊に対して使用され、戦艦ローマを撃沈、戦艦イタリアを大破させ、同月イギリス地中海艦隊戦艦ウォースパイトを撃破することに成功している。Hs293 は、1943年8月27日にイギリス海軍のスループエグレットを撃沈している。アメリカ軍は VB-1 AZON と呼ばれる誘導爆弾を開発し、欧州戦線の地上目標に対して使用している。日本でも赤外線誘導のケ号自動吸着弾、固体ロケットモーター付きのイ号I型甲/乙無線誘導弾[2]などが開発されたが、試作段階で終わった。また、小型のイ号I型乙無線誘導弾は実験中に誘導装置が故障し、熱海の温泉 玉の井旅館に墜落、女中2人と浴客2人が死傷、旅館も炎上という大事故を発生させ、「エロ爆弾」のあだ名が付けられた。

赤外線による自動誘導だった日本のケ号を除き、フリッツX、Hs293、AZON は、いずれも誘導母機からの目視による無線誘導で、誘導員は爆弾の尾部に取り付けられた発光体(電球、または火薬によるフレア)を目で追いながら爆弾を操縦して目標へ手動で誘導する仕組みであった。このため命中精度は誘導員の技能に強く左右される他、天候によっては目標までの視程が確保出来ないために使用できないことがある。また目標が視認できる距離内に誘導母機を接近させる必要があり、また誘導中は急な機動が出来ないため、地上からの反撃が予想される地域での使用には難があるなどの欠点を持っていた。なお、アメリカ軍はレーダー誘導式の爆弾である ASM-N-2 BAT を開発、実戦投入しているが、目立った戦果は無かった上、相手のレーダー波でかく乱されるなどの致命的な問題点があった。

これらの欠点を克服するために米軍が開発した誘導爆弾が第一世代のレーザー誘導爆弾 (Laser-Guided Bomb, LGB) のペイブウェイとテレビ誘導爆弾(または光電子誘導爆弾、Electro-Optic Guided Bomb, EOGB)の AGM-62 ウォールアイ である。ペイブウェイのレーザー誘導システムは、誘導母機が目標へ向けて照射したレーザー光の反射光に爆弾が自動で誘導される仕組みである。ウォールアイのテレビ誘導システムは、爆弾の先頭にテレビカメラを取りつけ、誘導母機では爆弾から無線で送られてくる画像を見ながら誘導員が目標に照準すると、その照準点に爆弾が自動で誘導される仕組みである。このシステムはベトナム戦争で実戦使用され大きな戦果を上げた。特にウォールアイは対空砲対空ミサイルで堅固に防備され、四年に渡って米軍の爆撃に耐えたホーチミン・ルート上のタンホア鉄橋の破壊に成功している。

誘導方法

誘導方法には、CCDカメラによる TV 誘導、赤外線画像誘導、レーザー誘導などがあり、1990年頃まではレーザー誘導が主流であったが現在では GPS/INS 誘導が主流となってきている。これは現在までの誘導方式は天候や電波妨害などに影響を受ける可能性があったのに対して、GPS/INS 誘導は天候にも左右されず、INS は電波を使用しないためジャミングを受けても問題ないためである。その他の大きな利点としては外部からの誘導が必要ないということが挙げられる。レーザー誘導は着弾するまで地上部隊や航空機からのレーザー照射が必要で、その間はレーザー照射部隊が脆弱となり攻撃を加えられる危険性があったが、GPS/INS 誘導は投下後に外部からの誘導が不要で、爆弾を投下した航空機はすぐに空域から離脱し生存率を高めることができる。またレーザー誘導爆弾に比べ安価という利点も挙げられる。

GPS/INS 誘導爆弾の欠点の一つは、レーザー誘導爆弾に比べ命中率が悪いことである。レーザー誘導爆弾で一般的な命中率を持つ ペイブウェイIICEP(半数必中界)が数 m であるのに対して、GPS/INS 誘導爆弾である JDAM の CEP は GPS/INS 併用時では 13 m、INS のみの場合では 30 m となっている。ただし通常は攻撃する際にそこまでの命中精度を要求する場合は少なく、それほどの欠点とはいえない。

GPS 誘導方式のもう一つの短所として、爆弾投下前にあらかじめ目標の正確な座標を爆弾(正確にはその誘導部)にセットする必要がある、という点が挙げられる。座標の数値を誤って入力したり、あるいは数値の算出そのものを誤ると、全く別の場所に爆弾は誘導されてしまう。実例として2001年12月5日には、アメリカのアフガニスタン侵攻作戦において特殊部隊が誤って自分の所在地の GPS 座標値を上空の近接航空支援機に送信してしまい、自らの頭上に JDAM が投下されるという事故が発生した[3]。また、コソボ紛争における中国大使館誤爆事件も、この座標算出を誤ったために起きたと言われている。

近接航空支援に GPS 誘導爆弾を使用する場合、地上部隊が目標の座標を正確に投下機に伝える必要があるため、前進観測員の役割が今まで以上に重要になる。

脚注

  1. ^ ただしHs293は推進装置を持つため、正確には誘導爆弾ではなく対艦ミサイルの始祖の一つである。
  2. ^ イ号I型もまた推進装置を持つため、やはり誘導爆弾ではなく対艦ミサイルの始祖の一つである。
  3. ^ 江畑謙介『21世紀の特殊部隊(上)』並木書房、2004年、110頁




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