悲劇詩人たち、トゥキディデス、アルキメデス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:32 UTC 版)
「枢軸時代」の記事における「悲劇詩人たち、トゥキディデス、アルキメデス」の解説
ヤスパースは上述のように、枢軸時代の「輪廓が漠然とながら示されるいっさい」のなかに「更に悲劇詩人たちや、トゥキュディデスおよびアルキメデス」を掲げている。 古代ギリシャの悲劇詩人には、雄大荘厳で知られる『アガメムノン』などオレスティア三部作を代表作とするアイスキュロス(BC525–BC456)、高貴な人間像を歌いあげた『オイディプス王』のソポクレス(BC496?–BC406)、『王女メディア』で人間中心の思想を表現したエウリピデス(BC485?–BC406?)などがおり、また、喜劇作家としてはアリストパネス(BC450?–BC385?)が知られる。 トゥキディデス(BC460?–BC400?)は、『戦史』(ペロポネセス戦争史)など客観的、中立的な立場に立った歴史叙述で知られ、先人である「歴史の父」ヘロドトス(BC485?–BC425?)の『歴史』(ペルシャ戦争史)における物語的記述としばしば対比される。なお、彼の同時代人としては「医学の父」ヒポクラテス(BC460?–BC375?)がいる。 アレクサンドロス帝国の誕生とポリス崩壊によって生まれたヘレニズム文化では、自然科学分野の顕著な発達がみられた。平面幾何学を大成したエウクレイデス(BC300頃に活躍)、浮力の原理やてこの原理、円周率や球体の求積などを解明したアルキメデス(BC287?–BC212)、地球の自転を唱えたアリスタルコス(BC310?–BC230?)、地球の周囲の距離を測定したエラトステネス(BC273?–BC194)、解剖学・臨床学を大成したヘロフィロス(BC3世紀に活躍)などが代表である。 また、ゼノン(BC335?–BC263?)をはじめとして禁欲主義の立場に立つストア派、永続する精神的快楽にこそ真の幸福があるとするエピクロス(BC342?–BC271?)などのエピクロス派の思想などヘレニズム期の哲学は、個人の幸福をめざす個人主義とポリス解体を反映したコスモポリタニズム(世界市民主義)を大きな特色としている。 なお、岩崎武雄は、『西洋哲学史』において、古代哲学を自然哲学者を中心とする「創始期の哲学」、ソフィストと三大哲学者を「アテナイ期の哲学」、ストア派以降を「ヘレニズム・ローマ時代の哲学」の3期に区分している。
※この「悲劇詩人たち、トゥキディデス、アルキメデス」の解説は、「枢軸時代」の解説の一部です。
「悲劇詩人たち、トゥキディデス、アルキメデス」を含む「枢軸時代」の記事については、「枢軸時代」の概要を参照ください。
- 悲劇詩人たち、トゥキディデス、アルキメデスのページへのリンク