帝王大学付属病院
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養老 重利(ようろう しげとし) 帝王大学総長。帝王大トップに君臨し「魔物」と呼ばれる男。医師としても人としてもモラルが完全に欠如しており、性格は正に下衆。根っからのサディストで人を人とも思わず、粘着質で獲物をいたぶるようにしてあるゆる手段で追い詰める。普段からオネエ言葉を話し、興奮すると下劣な暴言を吐く。奠からはゲイを疑われていたが妻子もいる。だが、家族からも忌み嫌われており、真中の母は駆け落ち同然で結婚した。 平聖病院グループを支配するために奠の後ろ盾になっているが失敗したため、自ら命を潰すために平聖中央病院に乗り込んでくる。しかし、自信満々で仕掛けた謀略をかわされ、最期は自ら墓穴を掘ってしまい総長を解任され、辞職に追い込まれた。 最上 一尊(もがみ かずたか) 義明の父親で、帝王大学付属病院に勤務する心臓血管外科医で同大学講師。16巻では准教授。有紀の父親の主治医で、奠と大谷にとっては先輩にあたり指導医だった。過去に患者のために当時帝王大本店にいた今川のグループと対立し、出世の道を閉ざされた経験がある。 権威主義の帝王大には珍しく物腰柔らかな紳士然とした性格であることから「帝王大の良心」と呼ばれるが、外科医としての腕はそれほどではなく、自分が名医になれる器でないことを自覚している。しかし、優れた観察眼を持ち、ガンを患っていた頃の命に会った時、後から気のせいと思い直したものの、ほとんど初対面同然だったにも拘らず顔色の悪さを感じ取った。この観察眼は、息子の義明にも受け継がれている。 婿養子であることに加え、気が弱い上に仕事柄転勤も多かったことから家庭内での発言力も弱い。妻は浪費家。寄生虫アレルギーで死に掛けた際に命の手術を受け助けられたことから、命や危の技術に関心し、年下だが彼らを尊敬している。 息子・義明には伊達同様振り回されているものの、成長を心から喜びアドバイスを送る数少ない理解者。また、義明が思わぬ医療技術を身につけていることがあるが、その大半は一尊が自宅で練習していた内容や、義明に見せた命の手術ビデオからであることが多い。 足利 善政(あしかが よしまさ) 帝王大学の教授で付属病院院長。帝王大における保守本流であり、養老総長失脚後、実力者として君臨している。次期総長の呼び声も高く帝王大系列の人間であれば誰も逆らうことは出来ないといわれている。 三好 政安(みよし まさやす) 帝王大学付属病院救急部の医師。義明の指導係。語尾に「っしょ」を付ける独特な話し方をする。 自身の出世しか考えず医学ではなく政治的な方面でしか努力しない男であり、誤診を指摘した義明を目の敵にしナース達を引き込んで無視し嫌がらせを繰り返す。 しかし義明が勝手に診察をし始めたことにより自身に責任が及ぶため無視し続けることが出来なくなり、共に診察をするようになった。鋭い観察眼、的確な治療でナース達の支持を得た義明をなんとか追い出そうと思うが自身の医療ミスを自分のせいにして良いと言われてあっさり手のひらを返して彼を味方につけることにした。 保身のために義明と敵対したが根っからの悪人ではなく、なんやかんやでお人好しで話が通じやすい男であり、義明と打ち解けた後はあらゆる面で助けになってくれた。 当初実力が及ばなかったというだけで怠惰な人間ではなく、義明が大量の診察を繰り返すことで発生した書類整理を毎日残業をして片付けており、疲弊しながらも仕事に取り組むその姿には義明自身感心していた。 義明と行動を共にするにつれて医者としての志しに目覚め始め、他人の言葉に耳を傾けそれが正しいと分かれば全面的に協力する姿勢を見せ始めており竹中からも味方として認識されていた。 従兄弟の三好久輔を溺愛しており非常に懐かれている。彼が難病にかかり前例のない治療方法の為倫理委員会への緊急の申し立てをするが通らないと判断し竹中と共に倫理委員長、一式羅剛教授の下へ乗り込む。情に訴えかけた説得も一蹴されたが竹中の機転により同じく難病で苦しんでいる一式教授の娘の治療法を(義明に)発見させると約束し、それが叶えば申請を受理すると誓わせた。 その後、正に体を張った自虐のおかげで義明が治療法をひらめいたが、大便を移植するという前例があれど奇異な治療法のため、一式教授に却下されただけでなく酷く罵倒され出世の道が閉ざされる。目の前が真っ白になる政安だったが、医者としての使命を思い出し、医師免許を捨てる覚悟で愛する人たちのために食い下がり、義明、竹中の援護もあり説得に成功する。その後、無事一式の娘と共に九輔の治療が成功し命を救った。 物語終盤では医者として大きな成長を見せており、高速道路で多重事故が発生した際には義明、ミランダと共に現場に駆けつけ、車からガソリンが漏れ出したことによる爆発の危険性があるにも関わらず怯えながらも現場に残り、鉄パイプが突き刺さった患者の救助に全力を尽くした。最後には自身の命の危機すらをも忘れ、肩を血で汚しながら救命活動を続け患者の止血を完了し救助に成功している。 かつて仕事として医者をしているだけで患者のことを大事に思ったことはないと言っていたが、命を顧みず患者を救う姿は正に医者としての模範であり、血塗れの肩を気にも留めず「助かってよかった」と一息つく名医のその姿に義明も敬意を示した。 竹中 繁治(たけなか しげはる) 義明とアラスカ研修に参加した医学生。下の名前は本誌2013年45号の柱登場人物紹介で判明。常に不敵な微笑みを浮かべる美男子。誰もが認める「天才」であらゆることを予見し、先手先手を打つのを得意とする。だが、性格は「変人」を通り越しており、上杉とは正反対の「変態」。自他共に認める「ドM」でリスクと想定外の事態が大好き。また自虐的でシャレにもならないことを平気でする。初対面のときから義明に興味を抱き何かと近づくが、その目的は義明を巡る人間関係をより刺激的なものにし、自分が好意を持つ女性たちを義明に「寝取られる」(劇中ではこれをネトラレ属性と表される)ことに興奮したいがためという常人離れした理由である。金持ちのボンボンで自家用クルーザーを所有している(ただし日本国内の小型船舶免許は保持していない)。 アラスカ・バローでの研修で義明、松前、吉川と観光に行った際に重傷の少女を救うために一人危険を冒して街に知らせに行くが途中で激しい頭痛に見舞われる。人目を引くためガソリンに火をつけ、通りがかった人に事態を知らせる。その後、持病として抱えていた脳内の動静脈奇形が悪化して危篤状態となる。その窮地を島津らの協力を得て執刀した義明により命を救われる。 義明には恩と友情を感じているが先刻のような理由で転院先のアンカレッジにいた釈にその後の展開などを予言してみせ焚きつける。持ち前の頭脳と能力をおよそロクなことに使っていないが、竹中の予言はほぼ全て必中している。義明と吉川が航海に出るときに見送り(このときに餞別として渡したサングラスと手作りのルアーはそれぞれ明皇丸編のエピソードの伏線になっている)、その後日本にいた釈を誘いハワイに向かう。 マークからは、平聖中央病院には本試験でも余裕で合格するだろうと評されていたが、義明を追って帝王大付属病院に就職する。 立花(姉) 帝王大出身の双子の姉。下の名前は不明。研修では義明達とともにアラスカの病院に行く。マークの姪と親密になり高評価を得ようとしていたが、長時間のデスクワークによって発生したエコノミークラス症候群と持病の心房中隔欠損が重なり、全身痙攣と高熱を起こす。義明達の活躍によって一命を取り留めたものの、平聖中央病院の先行試験には不合格となる。しかし、この騒動で表面では否定しつつも義明を認めた模様で、こっそり周囲への気遣いもした。 竹中同様、マークからは本試験でも余裕で合格するだろうと評されていたが、結局平聖中央病院には落ち、母校である帝王大付属病院に就職する。
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