哈日族に対する分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 17:31 UTC 版)
比較的親日的とされる台湾においても日本文化に反感をもつ人はみられ、哈日族に対する以下のような批判がある。 理解できないのは、こんなに多くの者がなぜ日本好きなのかということである。あちこちに日本製品があふれている。「ハローキティ」、「メロディー」、「たれぱんだ」、「団子3兄弟」...ここは日本かと思うくらいだ。我々自身の文化に関心を払う者は誰かいるのか? 古いことを持ち出すつもりは毛頭ないが、彼ら「哈日族」が歴史の勉強をしたことがあるのかどうかを私は知りたい。日本の中国侵略が中国に与えた苦しみは、人々の心の奥深くに埋もれてしまった、とでも言うのだろうか。我々は「徳を以って怨みに報いる」という独特の美徳で日本人を許したが、日本の高官たちが歴史の事実を認めないでいることは、我々にとって不可思議である。新しい世代の日本人はもう戦争に責任をもつ必要はないかもしれない。私自身にも日本人の友人がいる。しかし、それでも私は「哈日族」の行為は、次のように日本政府に言っているように見えるのだ - 「また侵略することを歓迎します!」 1997年に神戸市で中学生による幼児殺害事件が発生時、台湾の新聞『聯合報』には以下のような意見が掲載されており、実際、台湾で流通しているアダルトビデオや漫画はほとんどが日本製であり、低級な日本文化が多く流通しているという指摘は正しく、台湾と日本の文化的な類似性、台湾では規制が比較的強いことが、日本から低級な文化が多く流入する原因となっている。 神戸市の14歳の少年が起こした残酷な殺人事件をみても、日本のマンガやアニメが残酷で性が過剰にすぎることとの関係を否定できない。台湾を日本の低級な文化の販売地帯にさせてはならない。 — 聯合報、1997年6月30日 李其南は、日本のたまごっちやハローキティ、香港の砵仔糕、アメリカのマクドナルド、オーストラリアのコアラなど、台湾の文化が諸外国から来た消費文化に破壊されており、こうしたことが続くと台湾の独自文化は失われてしまうとして、文化政策の重要性を訴えている。 李永熾(中国語版)は、日本文化だけが流行文化ではないのに、台湾では日本の流行文化ばかり取り入れるのが早く、台湾は海外から文化を一方的に取り入れるのではなく交流の視点が必要だと強調している。 徐佳馨は、日本はかつて台湾を植民地として支配したが、現在また文化侵略を図っており、日本は植民地支配をしたことをアジア人に忘れさせるために日本の漫画を利用しており、日本の漫画には洗脳する意図があり、文化的植民地化の尖兵ともいえると批判している。 邱淑雯は、日本人はアジア人に対して親近感をもつと同時に軽蔑しており、哈日族が日本文化を崇拝する態度は、日本人のアジア人に対する軽蔑を深めることになると批判している。 林水福(中国語版)は、台湾の若者が日本文化の浅薄な部分のみしか学んでおらず、台湾で取り入れられている日本文化は、アイドルやアダルトビデオなど日本文化の低級な部分ばかりであり、日本のよい点は、全く取り込まれていないと批判しており、哈日族は必ずしも日本文化に対する深い理解を伴っているわけではなく、親日・反日という次元で解釈できるものというよりは、表面的な流行行動と解釈した方が妥当と指摘している。 粛素翠は、高校生と大学生を対象としたアンケート調査によって哈日族の属性を分析しており、それによると、若者の日本流行文化の好みと外省人・本省人といった民族的な特徴は関係がなく、哈日族が親日・反日というレベルとは無関係であることを示唆しており、哈日族の特徴として、年齢が若いことと、ブランド志向を指摘している。
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