分子遺伝学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 09:12 UTC 版)
分子遺伝学(ぶんしいでんがく、英語:molecular genetics[1])は生物学の研究分野であるが、二つの異なる分野を指す。塩基配列の比較から生物の進化を議論する分野と、遺伝現象の仕組みを分子のレベルで理解しようとする分野である。
- ^ Carroll, S. B., Grenier, J. K., & Weatherbee, S. D. (2013). From DNA to diversity: molecular genetics and the evolution of animal design. John Wiley & Sons.
- ^ 太田朋子. (2009). 分子進化のほぼ中立説 偶然と淘汰の進化モデル. 講談社.
- ^ 木村資生 (1986). 分子進化の中立説. 紀伊国屋.
- ^ 高畑尚之, 前野みゆき「分子進化の中立説と集団遺伝学 (数学者のための分子生物学入門)」『物性研究』第81巻第1号、物性研究刊行会、2003年10月、60-68頁、ISSN 05252997、NAID 110006409146。
- ^ 木村資生. (1984). 分子進化学入門. 培風館.
- ^ Yang, Z., & Rannala, B. (2012). Molecular phylogenetics: principles and practice. Nature reviews genetics, 13(5), 303-314.
- ^ Whelan, S., Liò, P., & Goldman, N. (2001). Molecular phylogenetics: state-of-the-art methods for looking into the past. TRENDS in Genetics, 17(5), 262-272.
- ^ 尾本惠市. (1996). 分子人類学と日本人の起源. 裳華房.
- ^ 長谷川政美. (1984). DNA からみた人類の起原と進化: 分子人類学序説. 海鳴社.
- ^ Stoneking, M. (2016). An introduction to molecular anthropology. John Wiley & Sons.
- ^ 鈴木健一朗, 平石明, & 横田明 (Eds.). (2001). 微生物の分類・同定実験法: 分子遺伝学・分子生物学的手法を中心に. Springer Science & Business Media.
- 1 分子遺伝学とは
- 2 分子遺伝学の概要
- 3 進化を扱う分子遺伝学
分子遺伝学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/27 13:29 UTC 版)
「分子遺伝学」も参照 20世紀中頃には遺伝物質がDNAであることが確定され、DNAの二重らせん構造が明らかにされた。遺伝物質として DNA の構造が明らかになったことは生物学に非常に大きな進展をもたらした。突然変異はDNAの塩基配列の変化であることがわかり、これまで別々に扱われていた進化と遺伝が結び付けられた。セントラルドグマにより遺伝子発現が定義され、生物の普遍性・共通性の理解を目指した流れが大きくなった。DNA を直接扱う分子生物学の方法論は他の分野にも大きな影響を与え、また人類は生物を短期間に不可逆的に変化させうる技術を獲得したことになる。
※この「分子遺伝学」の解説は、「生物学史」の解説の一部です。
「分子遺伝学」を含む「生物学史」の記事については、「生物学史」の概要を参照ください。
分子遺伝学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/02 23:55 UTC 版)
分子遺伝学によって遺伝性神経変性疾患の原因遺伝子の解明は急速にすすみ、病態機序の解明により原因療法の開発が射程距離に入ったものも多い。単一遺伝子疾患だけでなく、遺伝性が明確でない孤発性の疾患に対しても分子遺伝学的研究が進み、誰でももっているような多型性疾患の発症に関与する説があり、ゲノムワイド関連解析(GWAS)が実用的な戦略となっている。GWASによる多数の疾患感受性遺伝子は遺伝要因全体の一部しか説明できず、単一遺伝子疾患と退院し疾患の間にはオッズ比の高い変異が関与するcommon disease-multiple rare variants説がある。
※この「分子遺伝学」の解説は、「神経変性疾患」の解説の一部です。
「分子遺伝学」を含む「神経変性疾患」の記事については、「神経変性疾患」の概要を参照ください。
分子遺伝学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 07:48 UTC 版)
オセット人はアラン人、ひいてはアラン人の先祖とされるスキタイ、サルマタイなどの古代の黒海北岸一帯で活動したイラン系民族の後裔だと自認しており実際にイラン系言語を話すが、アラン人の直接の子孫なのかあるいはアラン人の言語を取り入れただけの民族なのかはいまだ結論は出ていない。 2004年のNasidzeらの研究によると、ミトコンドリアDNA(母系遺伝)は北オセチア人と南オセチア人で共通の起源を持ち、さらに周りのコーカサス系民族よりもイラン系民族との近縁性が強い。一方でY染色体(父系遺伝)のハプログループは、北オセチア人はコーカサス山脈北麓の諸民族との近縁性があり、南オセチア人は南麓の諸民族との近縁性があるとされた。これらのことからNasidzeらは、オセット人はイラン系民族を先祖に持つが後代になってそれぞれの周りの諸民族との男系遺伝子の混交が起こったのではないかと提案した。 Balanovskyらは2011年の研究において、Nasidzeらの研究では特に北コーカサスの諸民族のY染色体のサンプルサイズが小さいことを指摘したうえで、より多くのサンプルを用いて精度の高い解析を行った。南北合わせたオセット人男性は少なくとも56%(主要部族のイロン族に限れば73%)がY染色体ハプログループG2a1a-P18をもつ一方で、このハプログループは他のコーカサス民族の中では平均で3%しか見られない。その逆に、北西コーカサス語族の話者(シャプスグ人、チェルケス人、アブハズ人)に特徴的なハプログループG2a3b1-P303はオセット人には3%しか見られず、ナフ系言語話者(チェチェン人、イングーシ人)に特徴的なハプログループJ2a4b-M67(xM92)やダゲスタン人に特徴的なハプログループJ1-M267(xP58)はそれぞれ8.4%、2.6%しかオセット人の中には見られない。つまりオセット人を含めコーカサスの諸民族の男性はそれぞれの民族に特徴的なY染色体のDNAをもつことが示された。 Y染色体のハプログループが現れる頻度を多変量解析した結果からは、これらのコーカサス民族はオセット人を含めてすべて互いに比較的近縁であり、かつ、(現代の)ヨーロッパの民族よりも(現代の)中東の民族に遺伝的に近いことが分かった。歴史学的・考古学的には人口と文化は旧石器・新石器時代は中東からコーカサスへ、1500年前以降はイラン系騎馬遊牧民族(すなわちヨーロッパへ遺伝的影響をもたらした民族)によって北方のステップ地帯からコーカサスへという流れがあったことを考えると、オセット人の男系遺伝子は周りのコーカサス民族と同じくイラン系騎馬遊牧民族ではなく先史時代の中東からの移住に起源があるといえる。 発掘された人骨からの遺伝子解析の結果に目を向けると、スキタイとされる人骨標本のY染色体ハプログループはR1a1-M17に限られているため、オセット人の男系遺伝子の起源とは考えられない。しかし、アラン人とされる人骨標本のハプログループはG2であるため、アラン人はオセット人の直接の起源であると主張する文献もある。
※この「分子遺伝学」の解説は、「オセット人」の解説の一部です。
「分子遺伝学」を含む「オセット人」の記事については、「オセット人」の概要を参照ください。
分子遺伝学と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 分子遺伝学のページへのリンク