全米公開とは? わかりやすく解説

全米公開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 15:39 UTC 版)

宇宙からのメッセージ」の記事における「全米公開」の解説

スター・ウォーズ』を配給する20世紀フォックスは「版権侵害だ」と息巻いたといわれる『宇宙からのメッセージ』配給決めたユナイテッド・アーティスツ(以下、UA)は、フォックスが完全に納得するまで公開控えた。この問題なければUAはもっと早く公開するつもりでいた。アメリカ合衆国では1978年から日本映画としては初めメジャー配給ルート乗り全米各地カナダ封切られた。UA『宇宙からのメッセージ』第二の『スター・ウォーズ』で売ろうとして、宣伝費175ドル投入し大々的宣伝キャンペーンを展開、テレビラジオひっきりなしにCM流した。"Duke Sanada"こと真田広之主役扱いしたポスターには「ファンタジー現実になり、現実ファンタジーになる場所」という風俗広告のような宣伝文句書かれ、『帝国の逆襲』に待てない劇場主たちが深作欣二スペースオペラ殺到した。またエンテックスという会社からシロー乗る"Galaxy Runner"を始め登場メカプラモデル発売された。 1978年11月1日からロサンゼルスシカゴフィラデルフィアピッツバーグデトロイトなど、主要15都市94館で封切られた。11月16日最初15館で封切られ、二週目に入り逐次上映館拡大、週6ドル興行収入挙げる好成績でさらに60館が追加された。1978年11月17日からはニューヨーク中心とする東部上映されニューヨークでの上映は『スター・ウォーズ』や『ロッキー』、『サタデー・ナイト・フィーバー』などが掛かった定員数1,350、1,500ニューヨーク代表的映画館「ローズステート2(英語版)」他60数館で上映、「ローズステート2」でのオープニング上映には岡田社長立ち合いUA社長のアンリ・オールベック社長と共に見守ったそれまで黒澤作品でもニューヨークアート系劇場でしか公開されていなく、ニューヨーク超一流劇場日本映画掛かるのは初めて。岡田社長充分に快挙味わった初公開時成績12位で高くはなかったが、キッズ・マチネーとして『スタークラッシュ英語版)』とのカップリング以降全米劇場上映された。二週目から逐次上映館拡大し193館で上映。『ミッドナイトエクスプレス』、『アニマルハウス』、『ナイル殺人事件 (1978年の映画)』などの全米ヒット中の大作伍して健斗バッファローポートランド大ヒットロサンゼルスフィラデルフィアヒットカナダトロントバンクーバーでも大ヒットした。UA全米およびカナダ最終的に3000館以上で上映し全米での最終配収750ドル予想した1980年アメリカ合衆国の映画総数は約17,600館。 岡田社長『宇宙からのメッセージ』全米大ヒットに「日本映画始まって以来快挙ですよ」と意気揚々で、アメリカでは映画9歳から30歳以下を対象映画作る」という方針聞いていたく共鳴し、ちょうど日本で『赤穂城断絶』が大コケしていたため、「来年じいさんばあさん映画作りません」ときっぱり"中高年断絶"宣言をした。また帰国後の記者会見では「モーゼルUAドメスティック営業担当は、全米およびカナダ最終配収予想600ドル(約12億円)から700ドル以上は揚げられると踏んでいた。UA宣伝費175ドル(約3億7,000万円)をかけている。入場料金は最高で4ドル50セント(約1,000円)だった。UAのオールベック社長にこれを機に今後提携申し入れた『宇宙からのメッセージ』のようなケースフロックのようなもので、そうやすやす全米一流劇場公開されるようなことはなと言われた。UA年間20数本配給しているが、このうち海外作品は2本くらいで、今回その一本『宇宙からのメッセージ』特撮レベル以上と評価頂き選ばれたことはラッキーとしか言いようがない。UA最近公開した指輪物語』は150億円以上は揚げられると言っていた。『宇宙からのメッセージ』これまでアメリカをはじめ28契約90ヵ国で上映決まったが、海外輸出総収入は200ドルから250ドル揚げられる見込みである。これは日本映画としてはこれまでの高である『日本沈没』100万ドル二倍強という新記録になる。アメリカ映画界は全体的に好況二度目黄金期迎えている。これは製作と興行分離した合理化成果よるものウォール街興行上がっている。1950年代からスタジオシステム崩壊しプロデューサー・システム台頭オートメーション映画作りから一本一本手作り時代入っている。コロンビアスタジオ持っていないし、MGM絞り込んだやり方とっている。メージャー各社とも配給本数減らして宣伝に金をかけるというプロモーション・コストを重要視している。これは日本でも同じ方向向かっていくと思う。今のアメリカ興行大作反動で『アニマル・ハウス』や『アップ・イン・スモーク』、オール黒人の『ウィズ』などのB級映画ヒットしていたが、これなどウチでいえばセントラルフィルム作品ということになる。来年日本でも同じよう傾向出てくると思う。UAでは『映画観客層は9歳から30歳であり、それ以上対象にした映画一本もやらん』と公言していた。合理化含めウチが執ってきた方針決し間違っていないので、もっとシビア体制固めて飛躍期して行きたい」などと話した

※この「全米公開」の解説は、「宇宙からのメッセージ」の解説の一部です。
「全米公開」を含む「宇宙からのメッセージ」の記事については、「宇宙からのメッセージ」の概要を参照ください。

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