先行作品の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:15 UTC 版)
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の記事における「先行作品の影響」の解説
本作は、監督の嗜好・思想が随所に散りばめられた内容となっている。構図や構成、テーマをいくつかの作品を模倣している。これらは、DVDに収録されたオーディオコメンタリーにより解説されている。 本作のモチーフは「生きることの全ては夢の世界のできごと」というテーマ(夢オチ)である。「荘子」の一節「胡蝶の夢」からの影響も大きい。喫茶店のシーンで蝶が出て来るのはこれを示唆しているとのこと。作中の夢邪鬼のセリフには、この説話が挿入されている。 フェデリコ・フェリーニや、ジャン=リュック・ゴダールなどの映画作品、マウリッツ・エッシャーの作品「3つの世界」を取り入れている。エッシャーからは、構図と作品構造を取り入れている。押井守は『ルパン三世 ルパンVS複製人間』を例に挙げ、「絵面だけ引用しても成立しない。構造まで引用しないと意味が無い」と語っている。 「ありおり侍りいまそかり」の台詞は、小松左京の小説『明日泥棒』の登場人物「ゴエモン」の口癖から引用している。ただしこの言葉自体は、古文におけるラ行変格活用の形式を取る単語の覚え方として、古くから受験生の間に広まる語呂合わせである。 夢邪鬼がヒトラーやシーザーの人生に関与したとするシーンの描写は、宮崎駿の『ルパン三世 カリオストロの城』でゴート札を説明するシーンを取り入れている。 夢邪鬼があたるに見せた悪夢の一つで、テレビシリーズ第1話でのラムとの鬼ごっこの終盤が再び描かれた。ただし、テレビ版ではあたるがマジックハンドでラムのブラジャーを掠め取り、その隙にラムの角をつかんでいたが、本作では原作と同様にあらかじめ奪っていたブラジャーを取り出してラムの気を引きつけ、しかも角をつかむことを逡巡しているうちに時間切れになってしまう。 押井守がチーフディレクターを務めていた時代のテレビシリーズ・第101話「みじめ!愛とさすらいの母!?」は、本作の原型ともいえるエピソード。あたるの母親を主人公にした、やはり同様に虚構と現実をテーマに描いた作品である。NHK BS2の『アニメギガ』にて、押井守はこのエピソードについて語っている。「あのお母さんは面白い女だと思った。何かできないかなと思った」「やり過ぎたのかもしれないけど、後で呼び出されて怒られた。二度とやるなと言われた。何をやってもいいけど話のつじつまだけはちゃんと合わせろと」「これをうまくやると今までと全然違うものができるかもしれないと。それはそのまんまビューティフルドリーマーに持ち越された。あの時も表面上は絶対だめと言われていてチェックもされていた。要はマークされていた。テレビシリーズという枠の中ではあの辺が限界だろうとは分かったので、あとは表現それ自体をより緻密にしていく以外にインパクトの持ちようがない。やるとするなら映画だろうとは思っていた」。
※この「先行作品の影響」の解説は、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の解説の一部です。
「先行作品の影響」を含む「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の記事については、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の概要を参照ください。
先行作品の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 23:29 UTC 版)
クロリンダの人物造形は、ウェルギリウス『アエネイス』のカミッラや、アリオスト『狂えるオルランド』のブラダマンテに影響を受けている。また、アフリカ人夫婦に生まれるコーカソイドの女児という出生は、古代ギリシャのエメサのヘリオドロスの『エティオピア物語』の主人公カリクレイアに祖型をみることができる。 アルミーダはホメロス『オデュッセイア』のキルケに祖型をたどることができ、またアリオスト『狂えるオルランド』に登場する魔女アルチーナの影響が認められる。『狂えるオルランド』においてアルチーナは騎士ルッジェーロを誘惑するが、彼女の魔法は善良な魔女メリッサのもたらした魔法の指輪で解かれる。アルチナは恋人を失ったことを嘆き死を願うが、魔女ゆえに死ぬことができない。 リナルドは、『狂えるオルランド』に同じ名前の人物がシャルルマーニュのパラディンとして登場する(ルノー・ド・モントーバン)。
※この「先行作品の影響」の解説は、「エルサレム解放」の解説の一部です。
「先行作品の影響」を含む「エルサレム解放」の記事については、「エルサレム解放」の概要を参照ください。
- 先行作品の影響のページへのリンク