ロマン派音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/27 08:36 UTC 版)
ロマン派音楽(ロマンはおんがく)は、古典派音楽をロマン主義の精神によって発展させていった、ほぼ19世紀のヨーロッパを中心とする音楽を指す。
- ^ ウルリヒ・ミシェルス編『図解音楽事典』角倉一朗 日本語版監修、白水社、1989年、401頁。ISBN 4-560-03686-1 による区分。
- 1 ロマン派音楽とは
- 2 ロマン派音楽の概要
- 3 日本におけるロマン派音楽
- 4 脚注
ロマン派音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 17:48 UTC 版)
標題音楽はとりわけロマン派音楽に於いて花開した。 エクトル・ベルリオーズの『幻想交響曲』は、作曲者自らが練り上げた、感情面が誇張されたラブストーリーを音楽に書き換えたものだった。フランツ・リストは、明快に標題的なピアノ曲を数多く発表しているが、実のところ交響詩の創始者でもあった。モデスト・ムソルグスキーのピアノ曲『展覧会の絵』(1874年)は、モーリス・ラヴェルの編曲によって管弦楽曲として有名になったが、亡き友の遺業を偲んでその絵画やスケッチを音楽に移し替えただけでなく、「プロムナード」楽章において、ピアノのダイナミックレンジの広さを恃みに、画廊を見て回る作曲者自身の心情の変化も再現されている。老練な作曲家のカミーユ・サン=サーンスは、「音詩」とよばれる標題音楽をいくつか手懸け、なかでも管弦楽のための『死の舞踏』や室内オーケストラのための『動物の謝肉祭』が有名である(ちなみに後者には前者のパロディさえ含まれている)。ほかにフランスの有名な交響詩に、ゲーテの寓話に基づくポール・デュカの交響的バラード『魔法使いの弟子』がある。 標題音楽の分野で音楽による描写におそらく最も長けていたのは、リヒャルト・シュトラウスであろう。シュトラウスはまた、「音楽は何だって表現できる。たとえばティースプーンでさえも」と豪語していたとしばしば伝えられている。シュトラウスの代表的な交響詩に、『ドン・ファン』(古いプレイボーイ伝説に基づく)や『死と浄化』(死にゆく男が昇天するまでが描かれる)、『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(ティル・オイレンシュピーゲル伝説に基づきその活躍が描かれるだけでなく、「今は昔」の前口上まで音楽に移されている)、『英雄の生涯』(作曲者自身である無名の英雄の生涯の描写で、旧作の引用を含む)がある。シュトラウスはまた、ベルリオーズ以降で屈指の標題交響曲の作曲家でもあり、自身の家庭や夫婦生活を描いた『家庭交響曲』(赤ん坊を寝かしつける場面の音楽が有名)や、自然の威容と美観を描いた『アルプス交響曲』は重要である。弦楽合奏のための『メタモルフォーゼン』は、隠された主題に基づく変奏曲であり、描写性のない絶対音楽であるにもかかわらず、さまざまな引用楽句の存在や、曲末の「追悼」という一語によって、標題的な性格も否定されてはいない。エドワード・エルガーの管弦楽のための『エニグマ変奏曲』も、同じく秘められた「エニグマ(謎の)主題」による変奏曲であるが、これは各変奏が作曲者の知人や友人の音楽的肖像であることまでは解明されている。
※この「ロマン派音楽」の解説は、「標題音楽」の解説の一部です。
「ロマン派音楽」を含む「標題音楽」の記事については、「標題音楽」の概要を参照ください。
ロマン派音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:09 UTC 版)
詳細は「ロマン派音楽」を参照 ほぼ19世紀のヨーロッパを中心とする音楽。古典主義が重視しなかった感情・感覚・直感などを重視するロマン主義に基づく。技法的には古典派の調性や和声を引き継ぎつつも、半音階や遠隔調への転調を多用し、より表情豊かな表現が追求された。長大な作品も多いが、性格的な小品も多い。多くのヴィルトゥオーソが生まれた。表現の基礎としての詩情や、文学と音楽の混交も重視された。音楽以外の芸術でのロマン主義運動は1780年代から1840年代までとされるが、ロマン派音楽は19世紀を通じて続いたとされる。 1850年代以降になると、ヨーロッパ各国でそれぞれの民族音楽や固有の言語と結びついた音楽様式がはっきりしてくる。特にドイツ・オーストリアの、拡大・拡張路線を推し進めた音楽はヨーロッパ全土に広く影響を与え、「後期ロマン派」と呼ばれる。その他、ロシア・チェコ・北欧諸国などでも、各国の民族主義と結びついた形で各国の音楽様式が生み出され、「国民楽派」と呼ばれる。
※この「ロマン派音楽」の解説は、「音楽史」の解説の一部です。
「ロマン派音楽」を含む「音楽史」の記事については、「音楽史」の概要を参照ください。
- ロマン派音楽のページへのリンク