ロマンティック・オペラ
ロマンティック・オペラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 05:07 UTC 版)
「ロマン派音楽」の記事における「ロマンティック・オペラ」の解説
歌劇においては、バロック・オペラや古典派のオペラで確立されたさまざまな形式が緩められ、うち壊され、互いに溶け合う傾向にあった。ギリシャ神話のようなヨーロッパにとって普遍的な題材よりも、各民族の神話や民話・伝説・歴史に題材が求められた。ワーグナーの楽劇においてこの傾向は頂点に達した。ワーグナーの作品では、アリアや合唱(重唱)・レチタティーヴォ、器楽曲を互いに切り離すことは出来ない。その代わりにあるのは連続した音楽の流れである。 別の変化も浮かび上がる。カストラートの衰退によってテノールを主役に配置することが定式となり、合唱はいっそう重要な役割を与えられた。また、のちには歴史的・神話的な題材よりも現実的な題材を好む傾向も生まれた。フランスでは、ビゼーの《カルメン》などが書かれ、イタリアでは1890年代になると「ヴェリズモ・オペラ」が創り出された。ツェムリンスキーやシュレーカーらが世紀末のウィーンで現実的な題材に挑み、とりわけコルンゴルトの《死の都》は第一次世界大戦後のドイツ語圏で人気があった。
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