ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調とは? わかりやすく解説

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サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調

英語表記/番号出版情報
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調Concerto pour piano et orchestre No. 4 Op.44作曲年1875年  出版年1877年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1楽章 I. Allegro moderato1500 No Image
2 第2楽章  II. Allegro vivace4分30秒 No Image
3 第3楽章  III. Andante3分00 No Image
4 第4楽章 IV. Allegro7分00 No Image

作品解説

2007年2月 執筆者: 和田 真由子

ピアノ協奏曲 第4番》は、サン=サーンスピアノ作品において、最も完成された曲の一つとして高く評価されている。1875年作曲され同年パリにおいて、作曲者自身によるピアノ初演が行われた。
この時期は、《サムソンとダリラ(1869‐1872)》《死の舞踏(1874)》、ベートーベン主題にもとづく《二台のための変奏曲 作品35(1874)》など、サン=サーンス数々傑作生み出した時期でもあった。

ピアノ協奏曲 第4番》は、循環主題用いた構成特徴になっており、全曲通して用いられる旋律リズムは、音楽構築していく上で重要な役割担っているピアノのソロパートにも、ヴィルティオーゾ的な要素ふんだんに盛り込まれており、ピアニストレパートリーとしても、広く親しまれている。

大きく2つ楽章から成るが、それぞれがさらに2つ部分にわけられているため、実質は、4楽章構成とも考えられる。ただし、草稿では、この曲は単一楽章作られており、休みなく演奏されるものであった演奏に際してそのことにも留意すべきであろう
演奏所時間は約30分。

第一楽章:(第一部分)アレグロ・モデラート ハ短調 4分の4拍子
変奏曲形式によっており、最初に弦楽によって示される主題循環主題A)が二つ変奏をみせる。のちに現れる主題とともに、これらの主題は「循環主題」として曲に統一与えている。第一変部分では、弦楽ピアノ交互に変奏繰り返される第二変部分管楽器加わり、より華やかな変奏になる。同じ主題でも、その性格が、光の当て方によってさまざまに変化しているのが面白い。コーダ次の部分への推移としての役目をおっている。    

第二部分)アンダンテ 変イ長調 4分の4拍子
3部形式幻想的な導入部分につづき木管奏されるのが循環主題Bである。ピアノクラリネット交互に演奏されるのが副主題にあたるの循環主題Cで、これら3つの主題中心となって曲を形成していく。

第二楽章:(第一部分)アレグロ・ヴィヴァーチェ ハ短調 4分の2拍子
スケルツォ的な性格をもっている。おどけたように下降するピアノに、管弦楽応答する第一主題第二主題は8分の6拍子循環主題Aがリズミカルに変形されたものであるユーモアがあり、管弦楽ピアノ内面的活気満ちたやりとり魅力的な一曲コーダ経過部の役割果たし第二部分へと続く。

第二部分)アンダンテ 4分の4拍子アレグロ ハ長調 4分の3拍子
この第二部分はアンダンテアレグロにわけられている。アンダンテは、三分程度で、アレグロへの序奏部的な性格をもっている。循環主題Cのフーガ的な展開をみせ、循環主題Bが想起されたのち、ピアノ華やかなカデンツァとなり、アレグロを導く。
アレグロにおいても循環主題活躍する第一主題循環主題Bを変形させたもので、非常に明快印象に残る旋律である。第二主題循環主題用いられたものではないが、はぎれのよいリズムは曲に活気与えている。巧みな展開の手法に加え、この曲においてはピアニストのヴィルティオーゾ的な見せ場が沢山ちりばめられており、非常に華やか楽しめるサン=サーンス作曲家としての、またピアニストとして力量感じられる一曲である。


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