オーデル川作戦とは? わかりやすく解説

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オーデル川作戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:16 UTC 版)

特別攻撃隊」の記事における「オーデル川作戦」の解説

1945年4月中旬、ランガー・アルトホフ中佐が、マクデブルク基地で、教官のエーリッヒ・クロイルとその教え子たちの若いパイロット集めて、「諸君らが自ら志願して祖国防衛陣列に立つときが来た。詳しく言えないが、これは特別攻撃である。だれか名乗り出る者はいないか?」と志願募った。かつて「ゾンダーコマンド・エルベ」に志願したこともあったクロイルであったが、アルトホフの頭ごなし態度反感抱き、手を挙げなかったところ、教え子たちも手を挙げなかった。その様子を見たアルトホフは顔を真っ赤にしながらヒステリックに祖国を守る気のある者が諸君なかにはいないのか!」とがなり立て次第罵倒する勢いとなったので、クロイルは「特別攻撃」の中身わからないものの、若いパイロットたちの手本にならなければと手を挙げて「私が志願します」と志願すると、アルトホフは安堵表情浮かべた教官のクロイルが志願したことで、困惑していた教え子のなかで3名も志願した。クロイルは、志願した教え子たちはようやく教習課程終えレベル技倆しかなく、普通の実戦でも無理があるのに、まして「特別攻撃」はなおさらと不安を抱いたが、「ゾンダーコマンド・エルベ」と同じであればパラシュート脱出すれば生還できる可能性もあると不安を払拭した。 クロイルと教え子3名はベルリンから南に約50kmのユターボク基地移動させられたが、ここには他にも「特別攻撃」に志願したパイロット集結していた。1945年4月16日ソ連軍オーデル川達し渡河作戦開始しようとしていたが、オーデル川突破されればベルリンまでは一直線であり、いよいよ進退窮まったドイツ軍は「オーデル川作戦」を開始することとした。ユターボク基地集められパイロット10名が1グループとして編成されていたが、クロイルらのグループソ連軍渡河作戦開始した翌日17日士官食堂集合させられ指揮官より「今や敵の軍団オーデル川越えベルリン押し寄せつつある。敵はオーデル川をかけ、続々後詰め送り出しているところだ。この補給路を遮断しなくてはならない」と訓示があり、その後、各パイロットに攻撃目標書かれた紙と航空写真配られたが、クロイルの目標浮き橋であった。さらに指揮官は「諸君らの機には500kgの“特殊爆弾”が搭載されている。それをもって自己犠牲攻撃”を敢行して欲しい」との説明があった。クロイルらは“自己犠牲の意味わからず、そんな重い爆弾戦闘機搭載すれば、燃料は満足に積めないため帰ってこれないし、指揮官冗談でも言ってるのかと思って最初の攻撃失敗したら、もう1度出撃ましょうか」と苦笑いしながら尋ねたところ、冗談どころか指揮官が声を荒らげて2度目はない。これは“自己犠牲攻撃”なのだ。私はそう言ったはずだ!」と言い放った。ここでクロイルらはようやく自分たちが志願した特別攻撃」が、実はパラシュート脱出することができない生還可能性全くない自殺攻撃”であることを知った4月17日19時、クロイルたちは、残る戦友たちの軍歌送られ出撃した。500kg爆弾搭載したMe 109次々と離陸すると、高度を6,000mまで上げてオーデル川向かったが、護衛として2機のメッサーシュミット Me262付き添った。やがて、目標浮き橋近づくと、地上ベルリンへ押し寄せるソ連軍埋め尽くされていたが、ソ連軍激し対空砲火浴びせてくる中でクロイルは、大した戦果見込めないこのような任務で“自殺攻撃”するのが馬鹿馬鹿しくなって、爆弾投下する帰還することにした。しかし、このまま帰還すれば命令違反敵前逃亡処刑されるのは間違いなかったので、なるべく出撃したユターボクから離れたところまで飛行し燃料尽きたところでパラシュート脱出しその後数日かけてエルベ川まで歩いてアメリカ軍捕虜となった結局4月16日17日2日間で36機のMe 109失われた作戦失敗し17橋梁破壊したドイツ軍判断していたが、効果限定的なもので、赤軍進撃止めることはできなかった。「オーデル川作戦」がどのように作戦策定され実行されたか、詳細不明であるが、結局作戦戦局何ら寄与することなく作戦実行され2週間後の4月30日に、ベルリン総統地下壕ヒトラー自決し5月8日にはドイツ無条件降伏している。

※この「オーデル川作戦」の解説は、「特別攻撃隊」の解説の一部です。
「オーデル川作戦」を含む「特別攻撃隊」の記事については、「特別攻撃隊」の概要を参照ください。

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