Grand Prix Legends Grand Prix Legendsの概要

Grand Prix Legends

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/10 01:29 UTC 版)

Grand Prix Legends
ジャンル レースゲームシム
対応機種 PC (Windows 95/98/2000/Me/XP)
開発元 Papyrus Design Group
発売元 Sierra Entertainment
人数 1人(ネットワーク対戦で20人まで)
メディア CD-ROM1枚
発売日 1998年
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概要

Grand Prix Legends(以降 GPL と表記)はF11967年シーズンを再現したシミュレータである。開発の指揮を取ったのはデイヴィッド・ケイマー (David Kaemmer) とランディ・キャシディ (Randy Cassidy) である。開発のコンセプトは、プレイヤーが1967年のF1マシンを運転し、1967年のF1世界選手権が開催された当時のサーキットでレースを行うことであるが、特に重視された点は、現実的な自動車の挙動を再現することにあった。そして実際、GPLの最大の特徴は非常に正確な車の物理学モデル(路上で車を運転するとどのような反応をするか、どのような感触であるか)であり、非常にリアリティのあるレーシングカーシミュレーションとしての評判を1998年のリリース時から維持している。また、軽快なネットワーク対戦レースが行うことができ、今でもインターネットを通じてオンラインレース等が行われている。その他の主な長所とされている点は、1967年当時のF1が再現されたグラフィック、サウンド、そしてユーザコミュニティからの充実したインターネットサポートである。GPLの主要な弱点と見なされるものは、車を上手に運転するのがかなり難しい事による非常に急な学習曲線、並びに、マイナーではあるが少々気になる物理学の不備な点、つまりタイヤのすり減りを完全に省略したタイヤモデル、幾分単純化されたダメージの概念等が挙げられる。

再現された1967年シーズンのF1

一般的に、レースゲームレースシミュレーションの題材としては最新のレーシングカーが扱われることが多いが、GPLの開発者によって選ばれたのは30年以上も前のF1であった。その題材となった1967年シーズンはF1の転機として広く見なされている。前年の1966年レギュレーションが変わり、F1マシンは再びエンジンが強力になった。最高速度は300km/hを超えていたが、ウイングはまだ無かった。しかも、まだスリックタイヤ以前のグリップ力(摩擦力)の低い溝付きタイヤが使われていたため、非常にデリケートなドライビングが要求される車となっていた。そしてF1マシンがシーズンを通じて伝統的なナショナルカラーを身に付けていた最後の年であった。翌年の1968年からはスポンサーカラーが登場した(フェラーリは有名な「ロッソ・コルサ」色を保った)。また、1968年シーズン途中から登場したウイングは、レースごとに異なった配置で、背が高く、壊れやすく危険な物であった。

1960年代の半ばまで、致命的なクラッシュが何度も起きたにもかかわらず、安全性は特に重要な問題であると思われておらず、既に出来る限りの対策が取られていると広く思われていた。1966年、スパ・フランコルシャンでのクラッシュによりマシンに閉じ込められていた間中ガソリンに浸かっていたジャッキー・スチュワートの経験の他に、1967年、モナコシケインで起きたロレンツォ・バンディーニのショッキングな火災事故、そして1968年のジム・クラークの死によって、F1はさらに真剣にこの問題を総括的に考え始めるようになった。その結果の一つとして、1969年のスパ・フランコルシャンと1970年ニュルブルクリンクのレースは行われなかった。ドライバー達の要求する安全性が満たされないとしてサーキットの改修が必要になった為である。

GPLで利用可能なマシンは、ロータス・49フェラーリ・312イーグル=ウェスレイク(今まで作られたF1マシンの中で最も美しいものの一つとされ、グランプリを勝った数少ないアメリカ車の一つでもある。)、ブラバムBT24、そしてH16エンジンを積んだBRM・P115(この車は成功せず、ジャッキー・スチュワートは「私のレース人生の中で最悪のF1カー」と評した。)ならびに2つの架空の車がある。ムラサマとコベントリーで、これらはホンダRA300クーパー・T81Bの代役である(ライセンス問題によりこれらの車は含まれなかった)。これらの車をホンダとクーパーに変える第三者が作ったパッチが利用可能である。なお、いくつかの車は実際にはシーズンの途中から登場した。特に、ロータス・49はキャラミとモナコを走っていない。




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