市民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/22 07:19 UTC 版)
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個人の法的地位 |
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生得権 |
国籍 |
移民 |
構成員全員が主権者であることが前提となっている議論では、構成員を主権者として見たものである(現代社会の「市民」について述べるときはこの意味合いのことが多い)。市民の語源は、都市である(citizenとcityは同語源である)。
市民に似た概念として国民があるが、両者の違いは、「市民」がその理想とするところの社会、共同体の政治的主体としての構成員を表すのに対して、「国民」は、単にその「国家」の国籍を保持する構成員を表すという点にある。市民と国民は、たまたま相互に置き換え可能な場合もあるが、そうでない場合もある。たとえば、絶対王政国家の場合、国民は全て臣民であり、市民ではない(主権や主体性を奪われてしまっているためである)[注 5]。また一方で「欧州連合の市民」のように国家とは直接に結びつかないような形の市民権もあり、この場合も「市民」を「国民」と言い換えるのは適切でない。
訳語の「市民」は、福沢諭吉による1867年の『西洋事情外編』や1875年の『文明論之概略』に登場し、フランソワ・ギゾー『ヨーロッパ文明史』(1828年)の英訳にでてくるburgessの訳だと見られている[2]。
注釈
- ^ ポリーテース、IPA: /po.lǐː.tɛːs/
- ^ シトワイヤン、IPA: /si.twa.jɛ̃/
- ^ シティズン、IPA: /ˈsɪtɪzən/
- ^ ビュルガー、IPA: /ˈbʏʁɡɐ/
- ^ 臣民が市民でない訳ではなく、British subjectは1949年までイギリス帝国全体で使われた用語だが[1]、イギリス国民は一般に市民であったと考えられている。
- ^ なお、はるか後の時代の、そして別の国の国民であるが、カール・マルクスは『共産党宣言』などの著書で、フランス革命後のシトワイヤンの実態とはブルジョワであり、プロレタリアート(下層労働者)は入っていなかった、(と彼流の解釈をし)そういった主張することで、自らの新たな理論を擁護しつつ、持論を展開した。マルクスは、(フランス革命よりはるかに後に形成された)ブルジョワが経済階級、あるいは身分としての側面を強く持っている、ということに力点を置き、それによって(18世紀の政治状況とは異なった様相を示すようになった)20世紀初頭の政治的な状況に影響を与えようとした。
出典
- ^ “Types of British nationality - British subject”. www.gov.uk. 2021年3月24日閲覧。
- ^ 野村(中沢)真理「<研究ノート>歴史的用語としての「市民」 : 故林宥一さんに捧ぐ」『金沢大学経済学部論集』第21巻第1号、金沢大学経済学部、2001年1月、229-253頁、ISSN 02854368、NAID 110000140089、2021年11月11日閲覧。
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