赤道 ロケットの打ち上げとの関係

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赤道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/16 15:52 UTC 版)

ロケットの打ち上げとの関係

赤道の近くは宇宙機を東向きに打上げるロケット射場に向いている。赤道は地球の自転によって地球上で一番速く東向きに動いており、東へと打ち上げる場合には、その速度を利用することによって(地球から宇宙へ投げる形になる)、静止軌道に投下する静止衛星の打ち上げ燃料が節約できる。赤道に近い位置に射場を建設した例として、フランス領ギアナギアナ宇宙センター(北緯5度3分)や鹿児島県種子島宇宙センター(北緯30度24分、計画当時日本の最南端に近かった。21世紀の現在では沖縄県が最適)等が挙げられる。

比較的高い軌道で、かつ大型の商業衛星の需要が多いため、高性能な商業ロケットの最適化対象である静止軌道の周辺、あるいは特に種別を問わず、衛星軌道に上げたいといった場合には、赤道付近からの打ち上げに優位性がある。逆に、軌道傾斜角の大きな軌道に向けた打上げには優位性が薄い。偵察衛星地球観測衛星に用いられる軌道傾斜角が90度より大きい太陽同期軌道や、赤道傾斜角の約23.4度ほど傾いた惑星の公転面に合わせる惑星間軌道への投入には、両極付近や中緯度の射場が適している。

通過する地域一覧

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赤道は、本初子午線から東に向かって以下の場所を通っている。

地理座標 国土・領土・領海 備考
000/北緯0度 東経0度 / 北緯0度 東経0度 / 0; 0 (本初子午線) 大西洋 ギニア湾
006/北緯0度0分 東経6度31分 / 北緯0.000度 東経6.517度 / 0.000; 6.517 (サントメ・プリンシペ) サントメ・プリンシペ ロラス島
006/北緯0度0分 東経6度31分 / 北緯0.000度 東経6.517度 / 0.000; 6.517 (大西洋) 大西洋 ギニア湾
009/北緯0度0分 東経9度21分 / 北緯0.000度 東経9.350度 / 0.000; 9.350 (ガボン) ガボン
013/北緯0度0分 東経13度56分 / 北緯0.000度 東経13.933度 / 0.000; 13.933 (コンゴ共和国) コンゴ共和国 マクア英語版の町を通過
017/北緯0度0分 東経17度46分 / 北緯0.000度 東経17.767度 / 0.000; 17.767 (コンゴ民主共和国)  コンゴ民主共和国 ビュトンボの中心部の9 km南を通過
029/北緯0度0分 東経29度43分 / 北緯0.000度 東経29.717度 / 0.000; 29.717 (ウガンダ) ウガンダ カンパラの中心部の32 km南を通過
032/北緯0度0分 東経32度22分 / 北緯0.000度 東経32.367度 / 0.000; 32.367 (ビクトリア湖) ビクトリア湖 ウガンダ領のいくつかの島を通過
034/北緯0度0分 東経34度0分 / 北緯0.000度 東経34.000度 / 0.000; 34.000 (ケニア)  ケニア キスムの中心部の6 km北を通過
041/北緯0度0分 東経41度0分 / 北緯0.000度 東経41.000度 / 0.000; 41.000 (ソマリア) ソマリア
042/北緯0度0分 東経42度53分 / 北緯0.000度 東経42.883度 / 0.000; 42.883 (インド洋) インド洋 フヴァドゥ環礁英語版フヴァンムラ環礁英語版の間を通過( モルディブ
098/北緯0度0分 東経98度12分 / 北緯0.000度 東経98.200度 / 0.000; 98.200 (インドネシア) インドネシア バトゥ諸島スマトラ島リンガ諸島
104/北緯0度0分 東経104度34分 / 北緯0.000度 東経104.567度 / 0.000; 104.567 (カリマタ海峡) カリマタ海峡  
109/北緯0度0分 東経109度9分 / 北緯0.000度 東経109.150度 / 0.000; 109.150 (インドネシア) インドネシア カリマンタン島 (ボルネオ島)
117/北緯0度0分 東経117度30分 / 北緯0.000度 東経117.500度 / 0.000; 117.500 (マカッサル海峡) マカッサル海峡
119/北緯0度0分 東経119度40分 / 北緯0.000度 東経119.667度 / 0.000; 119.667 (インドネシア) インドネシア スラウェシ島
120/北緯0度0分 東経120度5分 / 北緯0.000度 東経120.083度 / 0.000; 120.083 (トミニ湾) トミニ湾  
124/北緯0度0分 東経124度0分 / 北緯0.000度 東経124.000度 / 0.000; 124.000 (モルッカ海) モルッカ海  
127/北緯0度0分 東経127度24分 / 北緯0.000度 東経127.400度 / 0.000; 127.400 (インドネシア) インドネシア カヨア島英語版ハルマヘラ島
127/北緯0度0分 東経127度53分 / 北緯0.000度 東経127.883度 / 0.000; 127.883 (ハルマヘラ海) ハルマヘラ海  
129/北緯0度0分 東経129度20分 / 北緯0.000度 東経129.333度 / 0.000; 129.333 (インドネシア) インドネシア グベ島
129/北緯0度0分 東経129度21分 / 北緯0.000度 東経129.350度 / 0.000; 129.350 (太平洋) 太平洋 ワイゲオ島 インドネシア)の570m北を通過
アラヌカ キリバス)の13 km南を通過
ベーカー島 合衆国領有小離島)の21 km南を通過
269/北緯0度0分 西経91度35分 / 北緯0.000度 西経91.583度 / 0.000; -91.583 (エクアドル) エクアドル イサベラ島ガラパゴス諸島
280/北緯0度0分 西経80度6分 / 北緯0.000度 西経80.100度 / 0.000; -80.100 (エクアドル) エクアドル キトの24 km北を通過。「ミッター・デル・ムンド」の近くを通過。
285/北緯0度0分 西経75度32分 / 北緯0.000度 西経75.533度 / 0.000; -75.533 (コロンビア)  コロンビア ペルーとの国境の4.3 km北を通過
290/北緯0度0分 西経70度3分 / 北緯0.000度 西経70.050度 / 0.000; -70.050 (ブラジル) ブラジル アマゾナス州
ロライマ州
アマゾナス州
パラー州
アマパー州
パラー州 - アマゾン川河口の島を通過
311/北緯0度0分 西経49度20分 / 北緯0.000度 西経49.333度 / 0.000; -49.333 (大西洋) 大西洋  

通過する国

サントメ・プリンシペロラス島にある、赤道を示すモニュメント。

以下の14か国は領土(領海)に赤道が通る。赤道直下の国とも表現する。首都が赤道から緯度1度未満の国は5か国あり、その中でエクアドルのキトが赤道に最も近く南緯0度19分(距離にして40 km未満)である。

赤道ギニアはその名前にもかかわらず赤道が通らないが、赤道を挟んでアンノボン島も領土である。

下記の国は、赤道が海上の国境となっている。

赤道に近い首都

赤道に近い首都を以下に一覧する (北緯・南緯とも2度以内)。緯度1度は60分で約111 kmである。

首都 緯度 標高 人口 (統計年)
サントメ サントメ・プリンシペ 020/北緯0度20分10秒 0137 m 006万7000 (2012年)
リーブルヴィル ガボン 023/北緯0度23分24秒 0012 m 070万3904 (2013年)
カンパラ ウガンダ 018/北緯0度18分49秒 1190 m 165万9600 (2011年)
ナイロビ ケニア 117/北緯1度17分 1661 m 313万8369 (2009年)
シンガポール シンガポール 117/北緯1度17分 0015 m以下 561万2300 (2017年)
ヤレン ナウル 032/南緯0度32分51秒 0025 m 0000747 (2011年)
タラワ キリバス 120/北緯1度20分 0003 m 005万6284 (2010年)
キト エクアドル 013/南緯0度13分 2850 m 267万1191 (2014年)

脚注

出典


  1. ^ コトバンク/赤道祭 (日本大百科全書)”. 2018年2月22日閲覧。


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