視覚 人工視覚

視覚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 21:17 UTC 版)

人工視覚

失明を含む視力障害者に、カメラが撮影した画像などを電気信号として脳や視神経に送ることで、不完全ながら視覚を得させる技術・機器が研究されている。1960年代からはまずケーブルで脳を直接刺激する方法が試みられ、1990年代以降は眼球に埋め込んだ機器を経由する「人工網膜」へ移行しつつある。

アメリカ合衆国のセカンド・サイト社の人工網膜は眼球の内側に電極を取り付ける仕組みで、既に実用化されている。日本の大阪大学を中心とするチームが開発中の人工網膜は、眼鏡フレームに取り付けた小型カメラが写した光景を49個(7×7の正方形状)の点に変換して無線で送信し、側頭部に埋め込んだコイルからケーブルを伝って眼球外側の電極に伝達する。岡山大学が研究中の手法は、光を吸収すると電位差を生じるフィルムを網膜内側に入れ、ケーブルを使わず、より高い解像度を目指している[11]

視覚における困難

注・出典

参考文献

  • 日本心理学会、日本学術振興会「視覚, 視感覚 = visual sensation」『学術用語集 心理学編』、丸善、1986年、ISBN 4-8181-8602-3 [1]
  • 日本動物学会「視覚 = visual (]RPsense(/)sensation[)、視覚 (vision)」『学術用語集 動物学編』、丸善、1988年、ISBN 4-621-03256-9 [1]
  • 新村 出 編『広辞苑』(5版)岩波書店、1998年。ISBN 978-4-0008-0111-9 
  • 三上章允『霊長類の色覚と進化』(PDF)京都大学霊長類研究所〈公開講座「遺伝子から社会まで」〉、2004年9月18日。 
  • Surridge, A. K.; D. Osorio (2003). “Evolution and selection of trichromatic vision in primates”. Trends in Ecol. And Evol. 18 (4): 198-205. doi:10.1016/S0169-5347(03)00012-0. 
  • 河村正二「新世界ザルRed-Green視物質遺伝子と色覚の進化」『霊長類研究』第16巻第2号、2000年、111-124頁、doi:10.2354/psj.16.111 
  • 松下裕香、太田博樹、WELKER, Barbara et. al.「恒常的3色型色覚とされてきたホエザル属における種内L-Mオプシン多型の発見」『霊長類研究』、第27回日本霊長類学会大会、セッションID:B-7、2011年、doi:10.14907/primate.27.0.36.0 
  • 岡部正隆、伊藤啓「女性で赤緑色盲が少ない理由」『細胞工学』第21巻第7号、2002年7月。 
  • 北﨑充晃 著「ヴェクション」、日本認知科学会 編『認知科学辞典』共立出版、54頁。ISBN 4-320-09445-X 

関連文献

  • リチャード・L・グレゴリー『脳と視覚 : グレゴリーの視覚心理学』近藤倫明・中溝幸夫・三浦佳世 (共訳)、ブレーン出版、2001年。ISBN 4-89242-664-4
  • サイモン・イングス『見る : 眼の誕生はわたしたちをどう変えたか』吉田利子 (訳)、早川書房、2009年。ISBN 978-4-15-208999-1
  • Zajonc, Arthur(1993) Catching the light : the entwined history of light and mind. Bantam ISBN 978-0593029107
    • アーサー・ザイエンス『光と視覚の科学』林大 (訳)、白揚社、1997年。ISBN 978-4-8269-0079-9

  1. ^ 文部省 著、日本心理学会 編『学術用語集 心理学編』日本学術振興会、1986年。ISBN 4-8181-8602-3 
  2. ^ 文部省 著、日本動物学会 編『学術用語集 動物学編』(増訂版)丸善、1988年。ISBN 4-621-03256-9 
  3. ^ a b c 新村 出 編『広辞苑』(第5版)岩波書店、1998年、1141頁。ISBN 978-4000801119 
  4. ^ 日本認知科学会編『認知科学辞典』共立出版 ISBN 4-320-09445-X p.54 北﨑充晃「ヴェクション」
  5. ^ コンピュータビジョンでは、光センサーからの光情報の入力をもとにした処理が行われる。
  6. ^ 新村 出 編『広辞苑』(第5版)岩波書店、1998年、2582頁。ISBN 978-4000801119 
  7. ^ アリストテレス感覚と感覚されるものについて』に引用される。DK.B17
  8. ^ Finger, Stanley (1994). Origins of neuroscience: a history of explorations into brain function. Oxford [Oxfordshire]: Oxford University Press. pp. 67-69. ISBN 978-0-19-506503-9. OCLC 27151391 
  9. ^ ティマイオス』45b-46b
  10. ^ a b 持田辰郎 (2009). “アルハゼンとケプラーにおける視覚像 : ケプラーの残した問題とデカルト・1”. 名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 45-2: 12. https://doi.org/10.15012/00000412. 
  11. ^ (科学の扉)光もたらす人工視覚/網膜を刺激 脳に画像情報■「顔判別」めざす朝日新聞』朝刊2018年11月26日(扉面)2019年9月23日閲覧






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