花粉 花粉の飛散

花粉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 12:47 UTC 版)

花粉の飛散

スギヒノキなどは大量に花粉を飛散し(風媒花粉)、晴れの日、気温が高い日、湿度が低い日、風の強い日、雨上がりの日は花粉の飛散が多くなる[4]

大気中への花粉の飛散による光環大気光学現象の一種)は、花粉光環(花粉光冠)と呼ばれる[5][6][7]

花粉の利用

花粉を食物とする動物はいろいろあるが、人間が直接に花粉を集めて食料とした歴史はあまりない。ただし、ミツバチの集めたものを摂取するといった、間接的な利用は古くから行われた。人体の組織にとってきわめて重要ないくつかの酵素およびビタミンB2をはじめとする補酵素を含んでいる。 性ホルモンであるエストロゲンアンドロゲンなどの多数の生理活性物質を含んでおり、カルシウムマグネシウム亜鉛リン塩素硫黄シリコン(通常はシリカ珪酸の状態で含まれる)といった主要ミネラル、およびクロムをはじめとするほかの多くの微量栄養素を含んでいる。

他方で、いくつかの種の花粉は、花粉症の原因となることも知られている。

花粉の化石

花粉は単純な構造しか持たないが、スポロポレニンという極めて化学的に安定な物質を含むため、微化石として残りやすい。

泥炭亜炭層から見出される花粉の化石は、花粉分析により過去の気候植物群落の状態を推測する手掛かりとなる[8]ことから古生態学古生物学古気候学などの分野で取り扱うことがある。古い時代のものでは、植物本体と花粉化石を関連付けるのは簡単ではないが、近い時代の植物は現在のものとほとんど変わらないので、花粉化石からその地域の植物相を知ることができ、過去の気候などの古環境を推測するなどといったことも行われる。

脚注


  1. ^ a b c 多田洋. “花粉とは何か(日本花粉学会会誌第8号)” (PDF). 日本花粉学会. 2021年2月23日閲覧。
  2. ^ Shokubutsu keitaigaku. Noboru Hara, 襄 原. 朝倉書店. (1994). ISBN 4-254-17086-6. OCLC 673735219. https://www.worldcat.org/oclc/673735219 
  3. ^ 河村重行、岩崎文雄、細田友雄「花粉発芽に関する研究 : I. 花粉粒内の糖含量について」『育種学雑誌』第24巻第3号、日本育種学会、1974年、146-152頁、doi:10.1270/jsbbs1951.24.146ISSN 0536-3683 
  4. ^ 花粉症” (PDF). ファインファーマシー. 2021年2月23日閲覧。
  5. ^ 花粉光環とは? - ウェザーニュース
  6. ^ 花粉光環』 - コトバンク
  7. ^ 花粉光冠 | 大気海洋変動観測研究センター 気候物理学分野 < 東北大学理学研究科
  8. ^ 栗田勲「かふんぶんせき」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p97-98 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行


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