相互運用性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/02 20:20 UTC 版)
定義
この節の出典は、Wikipedia:信頼できる情報源に合致していないおそれがあります。特に他言語版を含むWikipedia自身の記事を出典として引用してはいけない(Wikipedia:信頼できる情報源#三次資料)との指摘を受けています。 |
IEEEは相互運用性について「2つかそれ以上のシステムまたはコンポーネントが情報交換でき、また交換した情報を使用できる能力」[1]と定義している。
電気通信では、この用語を以下のように定義している。
- システム、部隊、もしくは軍が、他のシステム、部隊、もしくは軍にサービスを提供し、またサービスを受けることができ、また交換したサービスを使って互いの作戦をより効果的にできる能力。
- 情報やサービスを電子通信システムや電子通信機器の品目やその利用者間で直接かつ満足に交換できるとき、それらの間に達成される条件。相互運用性の度合いは特定の状況を参照して定義されるべきである。
出典: Federal Standard 1037CおよびDepartment of Defense Dictionary of Military and Associated Termsの支援するMIL-STD-188より
送受信兼用の無線機において、相互運用性とは3つの特徴からなる。
- 通信路(周波数、装置および信号の互換性)に互換性があること
- 無線システムの受信可能範囲や適正な信号強度を有すること
- 拡張可能な収容能力があること
ソフトウェア
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2017年6月) |
ソフトウェアにおいて相互運用性という用語は、異なるプログラムが交換形式の共通部分を介して、データを交換したり、同じファイル形式を読み書きしたり、同じプロトコルを使ったりする能力を記述するために使われる[注釈 1]。相互運用性の欠落は、プログラムの設計過程において標準化への配慮の欠落を招く結果になりうる。実際、相互運用性はコンピュータの世界の標準に準拠しない部分では、当たり前のものではない。
ISO/IEC 2382-01 Information Technology Vocabulary, Fundamental Termsによると、相互運用性は以下のように定義されている[2]。
「各種の機能単位の間で、利用者がそれらの機能単位に固有の特性をほとんどあるいは全く知ることなしに、通信したり、プログラムを実行したり、データを転送したりできる能力」
プログラムの「利用者」は他のプログラムである場合もあり、もし後者が相互運用性を持つことを要求されているプログラムの集合の一部であるなら、他の機能単位の特徴に関する知識を持つ必要もあり得るので、この定義はいささか曖昧であることに注意されたい。 この定義は相互運用性の技術的な側面に焦点を当てているが、どちらかというと相互運用性はしばしば組織的な問題であることも指摘されてきた。多くの場合、相互運用性は関係機関に重大な影響を与え、所有権(人々はそれらのデータを共有することを望んでいるか?)、労使関係(人々は訓練を受けているか?)、ユーザビリティの問題をもたらす。この文脈では、より適切な定義を与える「ビジネスプロセスの相互運用性」(BPI) という用語がある。
相互運用性はネットワーク外部性などの、重要な経済的影響を持ちうる。もし競争相手(競合)の製品が(特許、企業秘密もしくは協働の失敗などの原因により)相互運用性を持っていなければ、その結果はおそらく独占や市場の失敗となるであろう。このことから、利用者コミュニティや政府は各種の状況で相互運用性を促す措置を講じるのが賢明であろう。たとえばイギリスにおいては、e-GIFと呼ばれる電子政府に基づいた相互運用性の主導が存在する。利用者コミュニティに関する限りは、中立的な第三者機関がビジネスプロセスの相互運用性のための標準を作成している。他の中立的な機関の一例は、Internet Engineering Task Force (IETF) のRFC文書である。
医療産業
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2017年6月) |
新しい技術が病院や研究所に導入される速度はますます勢いを増しつつあり、これらの技術革新の多くは、もし効果的に組み込まれたのであれば相乗的に影響し合う潜在能力を持つ。「プラグアンドプレイ」相互運用性 – 医療機器をその箱から取り出し、容易に別の機器とともに機能させることができる能力 – の必要性が、医療介護の提供者と業界の両者から大きな関心を引きつけてきた。
相互運用性は患者がテクノロジを最大限に生かす助けとなり、産業界での技術革新も促す。異なる製品を複雑で高価なインターフェースなしに組み合わせられるなら、小さな会社が分野に進出して専門化された製品を開発できる。相互運用性がなければ、病院は、互換性のある機器一式を提供するが一領域に特化していない大きな業者に頼ることを強いられる。相互運用性は競争を推進し、競争は技術革新と品質の向上を促す。
消費者向け医療機器の主要な生産者であるインテルの観点では、業界が相互運用性を達成する能力に影響を与える6つの大きな要因がある。第一に相互運用性を持つ製品への需要が必要である。第二に、この分野で相互運用性が何を意味するのかを定義する、標準と規則が必要である。第三に、業況が製造業者にその製品を相互運用可能にするよう促さなければならない。第四に、解釈する会社にとってしばしば複雑なものになりがちな標準をより容易にするガイドラインが存在しなければならない。第五に、独立した検査によって適合性が検証されなければならない。そして最後に、相互運用性は積極的に推進されなければならない。無線通信技術の急進は、相互運用性が達成可能なものであることを実証している。
医用生体工学の業界における現状は、まだ相互運用性のあるシステムの開発につながる途上の過程である。関心を持つ病院の潜在的な市場が存在し、相互運用性のための標準が開発中である。とはいえ、現在[いつ?]の業況は製造業者が相互運用性を達成するよう促しているようには見えない。たとえば、電子カルテ (EMR) を使っている病院は16%から20%に過ぎない。EMRの採用率がこのように低いため、ほとんどの製造業者は相互運用性に投資することなしにやり過ごせている。実際、相互運用性が達成されていないことにより一部の製造業者が自社の製品間での互換性を宣伝し、競争相手の製品を排除することが可能になっている。EMRの採用を推進することにより、インテルなどの会社は、必要としている相互運用性のある製品を病院が集めて活用できる環境を作ることを望んでいる。
注釈
出典
- 相互運用性のページへのリンク