残菊物語 残菊物語の概要

残菊物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/09 18:17 UTC 版)

1937年(昭和12年)9月、「サンデー毎日」増刊号に掲載され、翌年に同題の小説集が刊行された[1]。1937年10月には、巌谷慎一の脚本により新派劇となり、明治座で上演されている[1]。さらに1939年(昭和14年)に溝口健二監督、1956年(昭和31年)に島耕二監督、1963年(昭和38年)に大庭秀雄監督が映画化[1]、1967年(昭和42年)には塚田圭一がテレビ映画化している。

あらすじ

歌舞伎役者・二代目尾上菊之助の悲恋の物語。身分違いの恋を全うして芸の道に励み、妻は悲しい結末を迎えるが、菊之助は素直で誠実で情愛のこもった人物として描かれている。

1939年版

殘菊物語
The Story of the Last Chrysanthemums
監督 溝口健二
脚本 依田義賢
構成 川口松太郎
原作 村松梢風
製作総指揮 総監督 白井信太郎
出演者 花柳章太郎
森赫子
音楽 深井史郎
撮影 三木滋人
藤洋三
編集 河東與志
製作会社 松竹京都撮影所
配給 松竹
公開 1939年10月10日
上映時間 146分
製作国 日本
言語 日本語
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殘菊物語』は、溝口作品の中でも評価されている戦前の映画であり、1939年のキネマ旬報邦画ベスト・テン第2位に入賞した。溝口の監督作品の『芸道三部作』の一つとして知られている(ただし、他の『浪花女』、『芸道一代男』は現存しない)。本作は、溝口作品の中で、ほぼ全てが現存する数少ない戦前作品となった(146分中143分現存)。

映像と音声をデジタル修復した版が制作されており、2015年カンヌ映画祭でプレミア上映されて好評を博した。淀川長治は、黒澤明の『羅生門』、小津安二郎の『戸田家の兄妹』と共に、自身の邦画ベスト3に本作品を挙げている。ブルーレイでも発売されている。

配役

  • 二代目尾上菊之助:花柳章太郎
  • 中村福助:高田浩吉
  • 栄寿太夫:川浪良太郎
  • 尾上松助:高松錦之助
  • 守田勘弥:葉山純之輔
  • 尾上多見蔵:尾上多見太郎
  • 待合の客:結城一朗
  • 新富座の頭取:南光明
  • 同座女形:天野刃一
  • 奥役:井上晴夫
  • 旅廻り太夫元:石原須磨男
  • 同頭取:廣田昂
  • 待合の客:富本民平
  • 旅廻りの役者:保瀬英二郎
  • 芸妓栄龍:伏見信子
  • 同小仲:花岡菊子
  • 同小菊:白河富士子
  • おつる:最上米子
  • 茶店の婆:中川芳江
  • お徳の叔母:西久代
  • 五代目の女中:鏡淳子
  • 同女中:大和久乃
  • 同乳母:田川晴子
  • 芸妓一:柴田篤子
  • 芸妓二:秋元富美子
  • 芸妓三:国春美津枝
  • 女角力:白妙公子
劇団より
  • 五代目尾上菊五郎:河原崎権十郎
  • お徳:森赫子
  • 尾上多見二郎:花柳喜章
  • 按摩元俊:志賀廼家辨慶
  • 待合の女将:柳戸はる子
  • 猿廻しの男:松下誠
  • 角座頭取:島章
  • お徳の叔父:中川秀夫
  • 旅廻りの役者:花田博
  • 實川猿三郎:春本喜好
  • 菊之助の弟子:橘一嘉
大船より
新興より

1956年版

残菊物語
『残菊物語』 1956年
監督 島耕二
脚本 依田義賢
原作 村松梢風
製作 永田雅一
出演者 長谷川一夫
淡島千景
音楽 大森盛太郎
撮影 長井信一
編集 西田重雄
製作会社 大映京都撮影所
配給 大映
公開 1956年4月23日
上映時間 112分
製作国 日本
言語 日本語
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配役


  1. ^ a b c d 残菊物語 コトバンク
  2. ^ 残菊物語(1957年)”. テレビドラマデータベース. 2021年2月5日閲覧。
  3. ^ 残菊物語(1959年)”. テレビドラマデータベース. 2021年2月5日閲覧。
  4. ^ 残菊物語(1962年)”. テレビドラマデータベース. 2020年2月5日閲覧。
  5. ^ 残菊物語(1973年)”. テレビドラマデータベース. 2021年2月5日閲覧。


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