極性 極性の概要

極性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 20:45 UTC 版)

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  1. 物理学及び化学の用語としては、原子間の結合分子内で正負の電荷に偏りがあること[2]。「極性分子」を参照。
  2. 生物学の用語としては、以下のように分野により多義である。
    A. 発生生物学において、細胞細胞極性)・細胞集団・組織個体軸性)何れかのレベルで1つの方向に沿って、その各部相互の相対的位置関係に関連して、形態的/生理的特性の差異を示すこと[3]。「胚発生における極性」も参照。
    a. 形態的に、細胞内の細胞小器官に方向性があるとき、細胞内の性質や粒子に偏りがあるとき[3]。例:腺上皮の細胞で核は基部付近に中心体は表面付近に位置すること、両生類の成熟卵で核は動物極に近く表層色素層が動物半球に分布していることなど[3]
    b. 生理的/細胞化学的に、卵の細胞質内における濃度勾配に明確な方向性があるとき[3]。例:酸化還元や酸素消費、メルカプト基、母性mRNAの濃度勾配など[3]
    c. 形態形成において、動的/解剖学的に方向性が認められるとき[3]。例:プラナリアの切片の再生において、前方から頭部、後方から尾部が発生する現象など[3]。「再生 (生物学)」も参照。
    B. ある形質の形質状態間の遷移順序の進化方向[3]分岐分類学進化分類学において、系統解析の前には形質進化の極性を推定することが必要であり、外群比較、化石記録、個体発生などの情報が用いられる[3]
  3. 言語学の用語としては、叙述を肯定するか否定するかという要素のことを指す。「極性 (言語学)」を参照。

脚注

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  1. ^ 新村出編『広辞苑岩波書店、2008年1月11日、第六版、744頁。ISBN 978-4000801218
  2. ^ 齊藤隆夫(監修)『旺文社 化学事典』旺文社、2010年3月2日、114頁。ISBN 978-4010751459
  3. ^ a b c d e f g h i 巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也塚谷裕一『岩波生物学辞典 第5版』岩波書店、2013年2月26日。ISBN 978-4000803144


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