東京港 内港地区

東京港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 16:28 UTC 版)

内港地区

品川埠頭

品川埠頭
品川コンテナ埠頭
岸壁総延長555m、岸壁水深10m、ヤード面積79,939m2、SC,SD,SE の3バースに4基のガントリークレーンを有する。1967年9月、神戸港摩耶埠頭と並び、日本で初めてフルコンテナ船が寄港した歴史あるコンテナ埠頭である。現在は日韓・日中・東南アジアなどアジア近海航路用の埠頭として利用されている。荷役方式はストラドルキャリア・シャーシ併用方式。荷役を担当する港湾運送事業者(ターミナルオペレーター)は、第一港運・住友倉庫東海運日本通運山九の各社。
品川外貿埠頭
延長570m、水深10m、SF,SG,SH の3バースを有する外貿雑貨埠頭である。
品川内貿埠頭
延長475m、水深8m、SI,SJ,SK の3バースを有する北海道定期航路用の埠頭である。

芝浦埠頭

延長879m、水深2.7m〜7.5m、内貿雑貨の B〜G と東海汽船の S2,S3バースがある。70年近くが経ち施設の老朽化が著しい為、再開発計画がある。

日の出埠頭

日の出桟橋(2008年7月4日撮影)

1925年に完成し、1926年3月から運用が開始された東京で初めての埠頭である。当時その機能を担っていた横浜の強い反対もあり、これ以前の東京には港湾設備が整っていなかった。延長564m、水深6.7m、H〜M の6バースがある。古くから非鉄金属・化学薬品等の内貿の拠点として利用されているほか、一般には台場有明方面への水上バスや東京湾クルーズなどが発着する日の出桟橋として知られている。敷地内にはベンチや望遠鏡が設置されており、東京港の夜景を楽しむカップルに人気がある。また、桟橋待合所の隣にはコンビニエンスストアや食堂もある。この食堂は建物2階にあるため東京港が一望でき、近隣ビルのビジネスマンやタクシー・観光バスの乗務員などに利用されている。令和の今も日の出ふ頭にある倉庫群は埠頭が造成された1925年に建てられたもので、東京港最古の倉庫である。夜はライトアップされ水上観光に一役買っている。

日の出桟橋は東京都港湾局により震災時の帰宅困難者や救援物資の輸送拠点となる震災時水上輸送基地に指定されている。

この埠頭付近は港湾整備される前の1917年第3回極東選手権競技大会の会場となった場所である[10]

竹芝埠頭

竹芝埠頭公園と竹芝客船ターミナル(奥)

延長465m、水深7.5m、N,O,P の3バースからなる。伊豆諸島小笠原諸島への人や物資の玄関口としての機能のほか、第三セクターの竹芝地域開発株式会社による整備・再開発が行われた。

竹芝旅客ターミナル

一般には竹芝桟橋の名称で知られる。下記の海運会社が主として使用している。
1階岸壁からの乗船はタラップを使用して乗船する。また、2階ボードウォークにもサテライト乗船口がありボーディングブリッジを使用して乗船する。
かつて使用していた海運会社

月島埠頭

共勝丸(月島埠頭)

延長1,351m、水深3m〜7.5m、F0〜F2,F4〜F6 の各バースがあるが、船席数は2である。水産品・窯業品・鉄鋼等を扱う。

  • 共勝丸
    • 東京港・月島埠頭 - 東京港・10号地埠頭 - 小笠原・父島 - 小笠原・母島

※不定期の貨物船だがキャビンを持つ(10号地埠頭での旅客扱いは行わない)

辰巳埠頭

住所:東京都江東区辰巳三丁目30 延長1,040m、水深5m、NA〜NM の13バースからなる。豊洲・晴海開発整備計画に基づき2002年から供用開始した。豊洲・晴海埠頭の機能が移転されており、内貿雑貨・鉄鋼を扱う。

晴海埠頭

晴海客船ターミナルを海側より望む。
「第62回東京みなと祭(晴海客船ターミナル)」の「海王丸」(2009年5月17日撮影)

1991年5月に供用を開始した。延長1,189m、水深9 - 10m、HF - HL の7バース、客船ターミナルが整備されていた。内外の客船が入港する海の玄関口として多くの大型船が入港したほか、南極観測船しらせも寄港した。

東京港が開港50周年を迎えた1991年には晴海客船ターミナルが開館した[11]。建築設計は竹山実。「特捜エクシードラフト」など東映特撮ヒーロー物の特撮作品などのロケ地として多用された[11]。ターミナルや晴海ふ頭公園の展望台からの夜景を目当てにカップルが集まるデートスポットでもあった。

東日本大震災による影響で2011年3月から7月31日までは使用不能となった(8月1日から再開)。

なお、2020年東京オリンピックでは選手村HARUMI FLAG)の整備が進められた[12]

船舶の大型化及び豊洲・晴海開発整備計画の一部改定により、2017年(平成29年)5月に東京港港湾計画が一部変更され、内港地区の晴海ふ頭の旅客船ふ頭は廃止され、中部地区(13号地)に整備する旅客船ふ頭に機能を集約することになった[13]。2020年に青海埠頭に新設された東京国際クルーズターミナル(後述)の開業を受け、晴海客船ターミナルは2022年2月20日で閉館となった[11]

ただし、大規模地震対策施設計画により、大規模地震発生時の緊急物資輸送に対応するため、内港地区の晴海ふ頭には耐震強化岸壁を有する延長240m、水深10.0m、1バースが整備されることになった[13]

朝潮埠頭

延長1,074m、水深3〜5m、G5,G6,G7バースからなる。晴海埠頭とともに砂糖・製材・米などの輸入貨物を扱う。

豊洲埠頭

延長283m、水深4m、T2バースがある。豊洲・晴海開発整備計画に基づき今後この用地は複合施設として再開発される予定である。

1950年11月16日利用開始。当時は、石炭の荷揚げを行っていた[14]


  1. ^ a b c d e PORT OF TOKYO 2014” (PDF). 東京都港湾局. 2015年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月23日閲覧。
  2. ^ a b AAPA World Port Rankings 2012” (PDF). アメリカン・ポート・オーソリティ協会. 2015年3月23日閲覧。
  3. ^ a b The Lloyd's List of the World's Busiest Container Ports 2013”. 2015年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月23日閲覧。
  4. ^ a b 東京港港湾区域図及び京浜港(東京区)港域図”. 東京港埠頭. 2022年10月29日閲覧。
  5. ^ 臨港地区”. 東京都港湾局. 2023年9月23日閲覧。
  6. ^ 東京港の公園・緑地”. 東京都港湾局. 2023年9月23日閲覧。
  7. ^ 貿易額比較表 (PDF) (名古屋港管理組合公式サイト、2015年8月29日閲覧)
  8. ^ デジタル版 港区のあゆみ”. 東京都港区. 2023年10月23日閲覧。
  9. ^ a b c 東京港港勢(概報) 平成25年(2013年)港湾統計” (PDF). 東京都港湾局. 2015年3月27日閲覧。
  10. ^ 日本バスケットボール振興会普及部「日本で初めて開催された国際競技大会―100年前の第3回極東選手権競技大会―」『バスケットボールプラザ vol.76 (PDF) 』日本バスケットボール振興会、2017年11月、pp.17 - 19
  11. ^ a b c 東京港のシンボル・晴海客船ターミナルが閉館 31年の歴史に幕 特撮やドラマのロケ地に”. ORICON NEWS. 2022年2月22日閲覧。
  12. ^ 五輪で始まる東京大改造、2020年にどう変わる?(ケンプラッツ 2013/09/11)
  13. ^ a b 東京港港湾計画資料”. 東京都港湾局. 2022年2月22日閲覧。
  14. ^ 「石炭千二百トン積んで 新設の豊洲埠頭へ初のお客様」『日本経済新聞』昭和25年11月17日3面
  15. ^ 「爆買い」でクルーズ船、列島「爆来」 東京、横浜では大型船が橋くぐれず - 産経ニュース 2016年2月25日
  16. ^ 東京港史上最大のクルーズ客船「マリナー・オブ・ザ・シーズ」が大井水産物ふ頭へ初入港します! - 東京都 2016年4月20日
  17. ^ 新客船ふ頭ターミナルビルの概要について - 東京都 2015年12月20日
  18. ^ 新客船ターミナルの名称について - 東京都 2018年7月9日
  19. ^ 東京国際クルーズターミナルの開業日と第1船が決定 - 東京都 2018年9月7日
  20. ^ 鎌田悠 (2014年9月13日). “東京―沖縄フェリー航路休止 鹿児島・マルエーフェリー”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2014年9月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140913081643/http://www.asahi.com/articles/ASG9D5RZQG9DTLTB00T.html 2015年3月30日閲覧。 
  21. ^ 上組プレスリリース
  22. ^ 中防外コンテナ埠頭概要”. 東京港埠頭株式会社. 2019年10月29日閲覧。
  23. ^ 都史紀要25 市区改正と品海築港計画”. 東京都公文書館. 2015年3月31日閲覧。
  24. ^ a b c d 港湾局事業概要(平成24年度版)”. 東京港港湾局. 2015年3月30日閲覧。
  25. ^ 『東京港 5(5)(48)』 p.44 東京港振興会、1941年6月
  26. ^ 『日本ラヂオ総覧』 p.640(中村義恵の項) ラヂオ協会、1929年
  27. ^ a b 東京港の沿革”. 国土交通省関東地方整備局 東京港港湾事務所. 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月29日閲覧。
  28. ^ 東京港史 第1巻 -(2) 通史 各論 p.44。「東京府会が東京湾澪浚工事を議決」とある。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「東京港」の関連用語

東京港のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



東京港のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの東京港 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS