李グウ 生涯

李グウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/20 06:53 UTC 版)

生涯

日本統治時代の朝鮮で生まれる。幼少期は鐘路小学校尋常科に通学し、運動が好きで活発な少年だった。[2]。そして、殊の外馬術を愛好していた[2]

1917年興宣大院君の孫(父・李堈の従兄)で、父から公位を継承していた李埈公が急逝したため養子となり、雲峴宮の第4代宗主と公位を継承。以降公殿下と呼ばれるようになる。

1922年(大正11年)に日本へ渡って学習院初等科に入学。1925年(大正14年)9月、居所を東京府豊多摩郡渋谷町下渋谷常磐松(後の常磐松町)に移転[3]。その後陸軍中央幼年学校に入学。在学中は、幼少からの婚約者朴賛珠から送られた手紙を、同期生が奪い取って読もうとした逸話が残っている[4]1933年(昭和8年)に陸軍士官学校(45期)を卒業し、野戦重砲兵科に進んだ。この間、1932年(昭和7年)に成年を迎え、篠田治策の後見から外れる[5]

1935年(昭和10年)5月3日、朝鮮貴族朴泳孝侯爵の孫娘である朴賛珠と結婚する[6][注釈 1]。妃賛珠との間に二男(李淸、李淙)を儲けた。

1941年(昭和16年)に陸軍大学校(54期)を卒業した。

1945年8月6日広島に置かれた第二総軍の教育参謀(陸軍中佐)であった李は、馬に乗って司令部への出勤途中、福屋百貨店爆心地から710m)付近で原爆投下に遭った。は被爆後もそのまま西方へ馬を飛ばしたが、力尽きて本川橋西詰(橋桁の下とも)で抜いたサーベルを手にしたままうずくまっているところを同日夕刻発見され、ただちに市内似島の病院に収容された。翌7日午前5時5分に死亡した[9]。公位は嫡男の李清が継承した[10]。『官報』には、その死を「広島ニテ作戦任務御遂行中空爆ニヨリ御負傷同七日戦死セラレタリ」としている[11]

御附武官の吉成弘中佐は、本来ならに同行しているところ、偶然水虫のため一足早く第二総軍司令部に出勤してを待っていたため、被爆死を免れた。しかし副官として自責の念に駆られ、の死の直後にピストル自殺を遂げた。病床に就ききりでいた吉成を、瀕死の鍝は「お前の方は、体は大丈夫か」と気遣ったと言う。

死後、陸軍大佐に昇進した。亡骸は11日までに朝鮮京城府鐘路区雲泥町李鍝公邸に帰着した[11]昭和天皇香淳皇后皇太后は弔問のため使者を李鍝公邸に派遣した[11]8月15日、京城の京城運動場で葬儀が行われ、墓所は京畿道楊州郡和道而倉峴里(現楊州市)とされた[12]


注釈

  1. ^ 朴泳孝はもともと駙馬(王婿)であり、賛珠は極めて高貴な出自である。公妃として勲二等宝冠章[7]を経て、勲一等宝冠章に昇綬[8]

出典

  1. ^ 金乙漢 (2010-08-15). 조선의 마지막 황태자 영친왕. 페이퍼로드. p. 58. ISBN 978-89-92920-45-2 
  2. ^ a b 三井兵治 編 『朋友(ポンユウ)』東京新進堂、1922年、167頁。 NDLJP:970239/139
  3. ^ 『官報』第3916号「宮廷録事」、大正14年9月11日(NDLJP:2956065/3
  4. ^ わが武寮 1982 p.584-585
  5. ^ 『官報』第1766号「彙報」、昭和7年11月17日(NDLJP:2958237/5
  6. ^ 昭和10年宮内省告示第11号、(『官報』第1766号、昭和10年5月4日)(NDLJP:2958977
  7. ^ 『官報』第2498号「敍任及辭令」(昭和10年5月4日)(NDLJP:2958977/4
  8. ^ 官報』第5509号「叙任及辞令」昭和20年5月28日。p.219
  9. ^ 昭和20年宮内省告示第20号、(『官報』第5574号、昭和20年8月11日)(NDLJP:2962075/3
  10. ^ 昭和20年宮内省告示第21号、(『官報』第5574号、昭和20年8月11日)(NDLJP:2962075/3
  11. ^ a b c 『官報』第5574号「宮廷録事」、昭和20年8月11日(NDLJP:2962075/3
  12. ^ 昭和20年宮内省告示第22号、(『官報』第5592号、昭和20年9月1日)(NDLJP:2962094/7
  13. ^ 『官報』第849号、「叙任及辞令」1929年10月28日。p.672
  14. ^ 『官報』第2043号「叙任及辞令」1933年10月21日。p.497
  15. ^ 『官報』第4438号・付録「辞令二」1941年10月23日。
  16. ^ 『官報』第5048号「叙任及辞令」1943年11月9日。p.197


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