屋形船 歴史

屋形船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/20 20:40 UTC 版)

歴史

平安時代からその原形はあり、貴族の遊びなどに使用されていた。河川整備が進んだ江戸時代に栄え、大名豪商などに花見月見花火などの遊びに愛用された。特に江戸隅田川の屋形船はの装飾で飾り豪華であった。延宝年間(1680年頃)までが全盛期で、天和2年(1682年)の大船建造の禁により衰退し始めたという。

明治維新の後も引き続き親しまれたが、第二次世界大戦での敗戦後に文化の移り変わりや河川の水質汚濁などで勢いを失っていった。

昭和時代末期のバブル景気や水質の改善や、河川での観光などに屋形船を利用するなど、見直されつつある。東京湾などでは船宿が運行する屋形船が現役であり、訪日外国人も受け入れている[1](「現代の屋形船」で後述)。

時代劇

江戸深川を舞台にしたテレビ時代劇破れ奉行』では、主人公の速水右近と向井将監との情報交換の場としてよく使われる。また、その他の時代劇にも、悪役武士悪徳商人の密談の場などとして、しばしば登場する。

現在の屋形船

ギャラリー

大きさ

全長20メートル前後、定員は15~100名程度。若干の業務用(操船、調理)空間を除いて、大半が客用空間となっている。

利用方法

団体貸し切りが一般的だが、乗り合いのものもある。
船宿に直接申し込む他、近隣ホテルの宿泊パックや、バスツアー(東京でははとバスなど)の組み込みで利用できるものもある。
春の花見、夏は花火や納涼、秋冬は夜景観光などのコースが多い。乗船時間は2時間から3時間程度で、お酒、食事が出るものが多い。花火大会の日は特別料金となることが多い。
東京隅田川周辺の船宿では、隅田川お台場レインボーブリッジ周辺を周遊するコースが多い。

営業場所

東京では隅田川周辺や浜松町品川近辺に船宿が多い。山形県酒田市愛知県名古屋市大阪府福岡県新潟県日田大分県)でも営業している。

屎尿対策

屋形船東京都協同組合によると、東京都環境局との取り組みによって、屎尿回収用のタンクを船に取り付け、バキュームカーや屎尿回収施設等で回収を行っている。


  1. ^ 「東京・品川から訪日客向け屋形船、アミューズなど」日本経済新聞ニュースサイト(2019年10月9日)2019年10月27日閲覧


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