少年忍者風のフジ丸 少年忍者風のフジ丸の概要

少年忍者風のフジ丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 01:28 UTC 版)

少年忍者風のフジ丸

ジャンル 時代劇、忍者
アニメ
原作 白土三平(第28話までの表記)
脚本 飯島敬、志原弘、内田弘三
キャラクターデザイン 楠部大吉郎
音楽 服部公一
アニメーション制作 東映動画
放送局 NET
放送期間 1964年6月7日 - 1965年8月31日
話数 全65話
テンプレート - ノート

放送時間は、初回から1965年1月3日までは日曜日18時30分 - 19時。1965年1月12日から最終回までは火曜日19時30分 - 20時。モノクロ作品。

概要

白土三平の貸本短編集『忍者旋風』(1959年)や、週刊少年マガジンに連載されていた『風の石丸』(1960年)などを原作としたテレビアニメである。番組スポンサーの藤沢薬品工業(現:アステラス製薬及び第一三共ヘルスケア)とのタイアップのため、主人公の名前(番組タイトル)が「フジ丸」と改められた。主題歌の最後にはスポンサークレジットとともに「♪フジサ〜ワ〜、フジサ〜ワ〜、藤沢や〜く〜ひ〜ん」[1]とスポンサー名を連呼する女性コーラスが入っていた[2]

作品は全話モノクロで放送されたが、第1話のみモノクロ版とは別にテスト用として制作されたカラー版が存在する。また作品中にハーモニーカットの実験も行われ、注目を集めた[3]

また、原作を離れ、オリジナルストーリーとなった第29話から原作者としての白土の表記もなくなった[4]

第28話まで、番組のラストには本間千代子を聞き手に初見良昭戸隠流34代目)が忍術を詳しく解説する実写のミニコーナー『忍術千一夜』があった。

久松文雄による漫画版が雑誌『ぼくら』に連載されていた。

あらすじ

物語は大きく二つに分かれる。

第1話から第28話は、白土三平の漫画「忍者旋風」のストーリーを下敷きにしており、フジ丸の生い立ちから始まり、「竜煙の書」をめぐる忍者たちの戦いを描く。赤ん坊だったフジ丸は、母が野良仕事をしている最中にワシにさらわれ、風魔十法斉率いる忍者集団の風魔一族に助けられ、少年忍者として成長する。しかし十法斉が冷酷非情の人間であり、大量殺傷兵器の製法を記した「竜煙の書」を手に入れて天下を支配しようとしているのを知り、これを阻止しようと、恐るべき秘術を持つ風魔の忍者たちや豊臣、徳川の忍者たちと死闘を繰り広げる。その間に、少女美香や身寄りのない少年太郎、わが子(フジ丸)をさらわれて自責の念にとらわれながら、それでも子を探し出そうと旅を続ける母お春などのエピソードが挿入される。

28話までの放送では、6回から10回ごとにそれまでの物語の経過を振り返る「総集編」が挿入される構成だった。

第29話から第65話(最終話)は、主人公のキャラクターをそのままに、脇役の美香と太郎をそれぞれミドリと太助に改名し、フジ丸が東映動画オリジナルの悪役と対決していくストーリー。悪役は南蛮(すなわち外国)からやってきた忍者群、忍盗羽黒族など。

キャスト


  1. ^ エンディングでこの部分のコーラスは「♪フジま~る~、フジま~る~、風のフジ~ま~る~」と歌われていた。
  2. ^ こうした例としては、『鉄人28号』(1963年エイケンフジテレビ)や『遊星少年パピイ』(1965年エイケンフジテレビ)でも主題歌の最後にスポンサー名であるグリコを連呼する男性コーラスが入っている。また虫プロが製作した『ジャングル大帝』(1965年)の続編『ジャングル大帝 進めレオ!』(1966年)のオープニングでも、主題歌の後に「さんよう、さんよう、三洋電機」のコーラスが入っている。テレビ放送創成期から1960年代の主流だった、「単独スポンサー番組」ならではである。
  3. ^ 少年忍者風のフジ丸”. 東映アニメーション. 2013年7月10日閲覧。
  4. ^ 白土の『忍者旋風』、『風の石丸』に則った「龍煙の書」をめぐるストーリーが終了し、原作から離れたことを表向きにしているが、実際には東映動画側がキャラクター使用権を独占する目的で、白土を原作者から外したためである。現在、東映アニメーションの公式ページでは作品解説として「白土原作の『忍者旋風』をテレビ用にアレンジした」との記述はあるものの、スタッフ欄には白土の名前は無い。この一件以降、白土は自身の作品の映像化に関しては厳格な姿勢をとっている(「白土三平」の項による)。また本作品直後に東映京都撮影所で制作された実写映画『大忍術映画ワタリ』の内容を巡るトラブルも白土の態度を一層硬化させる要因となった(『ワタリ (漫画)』の項による)。この一件で東映と絶縁状態となった白土だが、1968年に自作「サスケ」のアニメ化で組んだ製作会社こそ、エイケン(旧名:TCJ動画センター)である。
  5. ^ フジ丸の屋敷内での戦闘、フジ丸の岩の飛び移り、フジ丸の「分け身の術」の3種。
  6. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1965年(昭和40年)8月 テレビ欄
  7. ^ 『河北新報』1964年11月4日 - 1965年1月27日付朝刊、テレビ欄。
  8. ^ 『福島民報』1964年6月18日 - 1965年9月2日付朝刊、テレビ欄。
  9. ^ 『福島民報』1964年7月4日 - 1965年9月11日付朝刊、テレビ欄。
  10. ^ 『福島民報』1964年6月14日 - 1965年9月5日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『福島民報』1964年7月3日 - 1965年9月21日付朝刊、テレビ欄。
  12. ^ a b 『北國新聞』1965年4月6日付朝刊、テレビ欄。
  13. ^ https://web.archive.org/web/20040429160457/http://www.jva-net.or.jp/jva/history/zuhyou/hyo_2.3.html
  14. ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号


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