大手町 (千代田区)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 14:29 UTC 版)
概要
中央区(日本橋本石町・八重洲)との区境に当たる。地名の由来は、江戸城(現在の皇居)の大手門の前に位置していたことから。町名としての大手町は、地下鉄各線の大手町駅を中心とする地域であり、主に東京駅の北西部に位置している。南に隣接する丸の内と共に、政府系金融機関・大手都市銀行(メガバンク)・総合商社・全国紙といった大企業の本社・本店が集積する東京屈指のオフィス街・中心業務地区(CBD)として発展しており、日本経済の中心の一端を担っている。丸の内・有楽町と合わせて「大丸有」と呼ばれ、東京駅界隈は日本最大のビジネス街を形成している。
かつて大手町は官庁街で、南側の(旧)三井物産ビルの敷地には大蔵省や内務省があった。こうした経緯から、陸軍軍馬局(後の軍馬補充部)があった国有地に大手町合同庁舎が3棟建設された。建物の老朽化もあり、2000年には合同庁舎に入居する機関の大半がさいたま新都心(埼玉県さいたま市)に建設された「さいたま新都心合同庁舎」に移転。当時大手町には開発できる敷地がなく、新興ビジネス街の品川(港区港南)などに本社を移す企業が増えていたことから、大手町をビジネス拠点として再整備するために、大手町連鎖型都市再生プロジェクトが始まった。以前、この地域は皇居前ということもあり、建築基準によって建造物の階数に厳しい制限があった。しかし、再開発に伴い高さ制限は緩和され、読売新聞ビルや大手町タワーをはじめとした超高層ビルが林立するようになった。
そのような特性上、昼間人口と夜間人口の差が極端であり、オフィス街のため住宅がほとんど無く住民登録人口が12人(2017年)とごくわずかである一方、昼間人口は約72,000人となっている。
東京駅日本橋口前に位置する大手町2丁目の一部(常盤橋地区)はJRの線路の東側に及び、日本橋川や首都高速道路を挟んで中央区の日本橋エリアと隣接している。三菱地所が「TOKYO TORCH(トーキョートーチ)」と呼ばれる大規模再開発を進行中であり、2021年には大手町地区で最も高いビルである常盤橋タワー(212m)が完成した[4]。2027年度には、この計画の目玉であるTorch Tower(390m)が完成する計画であり、港区の麻布台ヒルズ森JPタワー(330m)や大阪市のあべのハルカス(300m)を凌ぐ日本一の高さの超高層ビルとなる予定である。
大手町駅は東京メトロと都営地下鉄を含めて日本で最多となる5路線の地下鉄が乗り入れる、地下鉄の一大拠点・ジャンクションとなっている(都営地下鉄三田線の大手町駅のみ住所上は丸の内に所在)。大手町駅は路線にもよるが、東京駅からも至近で徒歩圏内である。
一ツ橋 | 神田錦町 内神田 | 日本橋本石町 | ||
千代田 | 八重洲 | |||
大手町 | ||||
丸の内 |
- ^ a b “町丁別世帯数および人口(住民基本台帳)”. 千代田区 (2017年12月6日). 2018年1月2日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2018年1月2日閲覧。
- ^ “TOKYO TORCH|三菱地所オフィス情報”. office.mec.co.jp. 2021年8月5日閲覧。
- ^ 大蔵省、企画院など十官庁焼く(昭和15年6月21日 東京朝日新聞)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p79 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ 大手町地域について UR都市機構
- ^ 東京駅前に日本一のっぽビル建設へ 高さ390メートル 朝日新聞 Archived 2015年9月7日, at the Wayback Machine.
- ^ “区立小学校の通学区域”. 千代田区 (2017年8月17日). 2018年1月2日閲覧。
- ^ “区立中学校の通学区域と学校選択”. 千代田区 (2017年10月26日). 2018年1月2日閲覧。
- ^ 地上観測地点「東京」の移転について 気象庁(2014年10月3日)
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