地役権 地役権の消滅

地役権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 03:25 UTC 版)

地役権の消滅

土地(承役地または要役地)の滅失、存続期間満了、地役権の放棄、混同により地役権は消滅する。このほか第三者が承役地を時効取得した場合、地役権が消滅時効にかかった場合にも地役権は消滅する。

  • 承役地の時効取得
    承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権はこれによって消滅する(289条)。ただ、この場合には承役地所有者が時効中断の手段をとらない限り、地役権者は地役権を失い不利益を被ることになるため、民法は承役地の占有者による時効取得にかかわらず地役権者の権利行使により地役権は消滅しないとする(290条[27]。なお、290条は「地役権の消滅時効」と表現しているが、290条は承役地の占有者が取得時効により承役地を取得した場合の地上権の扱いについて規定したものであることから、この語句は誤りであり適切ではないとされる[8]
  • 地役権の時効消滅
    地役権も消滅時効にかかる(167条2項)。消滅時効の期間は不継続地役権については最後の行使の時から起算し、継続地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する(291条)。要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる(292条)。地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する(293条)。

脚注

関連項目


  1. ^ a b c 内田貴著 『民法Ⅱ 第3版 債権各論』 東京大学出版会、2011年2月、176頁
  2. ^ a b c d 近江幸治著 『民法講義Ⅱ 物権法 第3版』 成文堂、2006年5月、282頁
  3. ^ 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、209頁
  4. ^ a b c d e f g h i j 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、211頁
  5. ^ 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、256頁
  6. ^ 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、261頁
  7. ^ 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、258-259頁
  8. ^ a b c d 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、210頁
  9. ^ 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、256-257・259-260頁
  10. ^ a b c d e f 近江幸治著 『民法講義Ⅱ 物権法 第3版』 成文堂、2006年5月、284頁
  11. ^ 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、210-211頁
  12. ^ a b c 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、258頁
  13. ^ 近江幸治著 『民法講義Ⅱ 物権法 第3版』 成文堂、2006年5月、283頁
  14. ^ a b 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、215頁
  15. ^ 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、215-216頁
  16. ^ 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、259-260頁
  17. ^ 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、216頁
  18. ^ a b 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、263頁
  19. ^ a b c 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、212頁
  20. ^ a b c 近江幸治著 『民法講義Ⅱ 物権法 第3版』 成文堂、2006年5月、287頁
  21. ^ a b 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、214頁
  22. ^ 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、260頁
  23. ^ a b 近江幸治著 『民法講義Ⅱ 物権法 第3版』 成文堂、2006年5月、289-290頁
  24. ^ 近江幸治著 『民法講義Ⅱ 物権法 第3版』 成文堂、2006年5月、286頁
  25. ^ a b 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著 『民法2 物権 第4版』 有斐閣〈有斐閣双書〉、1996年12月、265頁
  26. ^ 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、214-215頁
  27. ^ 川井健著 『民法概論2 物権 第2版』 有斐閣、2005年10月、219頁






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