八戸市女子中学生刺殺事件 概要

八戸市女子中学生刺殺事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 06:46 UTC 版)

概要

1993年10月27日18時過ぎ、八戸市城下四丁目の住宅で中学2年生の女子生徒(当時14歳)が刺殺され、病院で働く母親(同46歳)が帰宅して発見した。玄関ガラス戸が割れ、外側に向かって破片が飛び散っていた。室内に物色された形跡はなかったが、玄関、居間風呂場の脱衣所の3か所のが施錠されていなかった。

犯行は住宅密集地の細い路地を入った被害者の自宅で、短時間のうちに行われた。そのため、当初は「犯人はすぐ逮捕される」と思われていた。青森県警は12万人の捜査員を投入し、重要参考人を含む約600人から事情聴取したが、手がかりは得られず、事件発生から15年後の2008年10月27日0時、殺人罪の公訴時効(15年)が成立した。

当日の経過

7時25分
被害者が、登校のため家を出る。
7時30分
次男、登校のため家を出る。
母親も家を出る。施錠し、乗用車で出勤。
14時25分
授業が終了し、清掃時間となる。
15時30分~17時30分
部活(陸上競技)で河原を走る。
17時40分~45分
3人で下校する。
「今日は早く帰らなきゃ」という理由で、よく立ち寄る食料品店には寄らず。
17時53分
東日本旅客鉄道(JR東日本)八戸線本八戸駅前で友達と別れ、一人で自宅へ向かう。
17時58分
被害者宅の明かりが点いていないのを、通行人が確認。
18時00分ごろ
被害者が帰宅。
18時15分~20分
近所の16人が、被害者宅の玄関のガラスが割れる音を聞く。
1人は外に出て確認したが、誰もいなかった。
「助けて」の声も聞いた者もいた。
18時23分ごろ
母親が帰宅。玄関に鍵は掛かっていなかった。
被害者が6畳間で倒れているのを発見。
18時25分
近所の人が助けを求められ、110番通報。
18時27分
119番受理。
18時38分以降
救急隊員が死亡確認。

被害者と室内の様子

  • 発見時は仰向けの状態で、口には粘着テープが貼られ、両手は後ろ手に粘着テープで縛られていた。
  • 上半身は、学校指定のジャージパーカーを羽織っていたが、下半身座布団が掛けられていた。しかし、乱暴された跡はなかった。
  • トレーナーズボン下着は、頭の右横の方に落ちていた。
  • 自宅で使われていた包丁が右足の横に落ちていたが、指紋もついていなかった(凶器としては使われていない)。
  • 左首、右脹脛、左膝など数カ所に傷があった。致命傷は心臓を貫通する刺し傷英語版であり、死因は失血死だった。
  • 玄関のガラス戸が割れ、外側に向かって破片が飛び散っていた。被害者の左膝には傷があった(「逃げようとしてガラス戸を割った時にできた」と思われている)。
  • 廊下から玄関には、痕跡が残っていた。「玄関まで逃げ、膝でガラス戸を割ったあと犯人に捕まり、部屋まで引きずり戻された」と思われている。
  • 殺害場所(寝室)以外で血痕があったのは、玄関付近の廊下1か所だけである。「玄関から引きずり戻す時に、心臓を刺した」と思われている。
  • 室内に物色された形跡はなかったが、玄関、居間、風呂場の脱衣所の3か所の窓が施錠されていなかった。

極めて短時間での殺害

  • 事件当日、被害者は18時ごろに帰宅。母親は18時23分ごろに帰宅している。従って、犯行は20分ほどの間に行われている。
  • 被害者の膝の傷が、「玄関のガラスを割った時に付いたもの」だとすると、18時15 - 20分ごろにガラスが割れる音を近隣の人たちが聞いていることから、母親が帰宅するまでの3分間から8分間に殺された可能性がある。
  • ガラスが割れる音と共に「助けて」の声もあった、と報道されていることから、口に粘着テープを張られたのはその後と考えられている。







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