リージェント・ストリート リージェント・ストリートの概要

リージェント・ストリート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/22 14:49 UTC 版)

リージェント・ストリート

ロンドン有数のショッピング・ストリートとして、オックスフォード・ストリートやボンド・ストリートと並んで、世界的に有名である。最寄り駅はピカデリー・サーカス駅またはオックスフォード・サーカス駅

概要

2011年4月25日、ウィリアム王子およびキャサリン・ミドルトンの結婚を祝して掲げられたユニオンジャック

リージェント・ストリートはロンドン中心部を南北約2キロに亘って走る大通りである。通りの北端でポートランド・プレイス (Portland Place) に接続し、そこからロンドン最大の公園リージェンツ・パークにつながっている。ストリートの南端はイギリス国王がパレード時に使用するザ・マルに接続する。

この大通りは19世紀初頭、産業革命をエンジンとして、ロンドンの中心がシティから次第に西へ拡大しウエスト・エンドが成立する過程において、その基盤となるべく計画的に整備されたものである。リージェント・ストリートは大規模な都市計画の先駆で、ジョルジュ・オスマンによるパリ改造にも影響を与えたと言われている[1]。なお、このリージェント・ストリートは当初からショッピング・ストリートとして設計されているので、完成以来一度も居住スペースが設けられたことがない。これは世界的な大通りとしては珍しいことである。

通りの名称「リージェント」は、19世紀初頭のイギリスの摂政 (リージェント)で後の国王ジョージ4世に由来している。摂政の顧問で建築家のジョン・ナッシュはロンドン北部にある公園 (後の「リージェンツ・パーク」)から当時摂政が住んでいたザ・マル沿いのCarlton Houseまでを繋ぐことを発案し、1813年の議会承認を経て、1814年から1825年までの11年間の工事の末、リージェント・ストリートは完成した。

現在では、ザ・マルからピカデリー・サーカスまでを「ロウワー・リージェント・ストリート」、オックスフォード・サーカスからオール・ソウルズ教会までを「アッパー・リージェント・ストリート」と区別し、一般に「リージェント・ストリート」といえば、中間のピカデリー・サーカスからオックスフォード・サーカスまでの区間を指すことが多い。

21世紀のリージェント・ストリートは年間5000万人を超す人が集まる[2] ロンドンの目抜き通りとして、毎年秋に開催されるリージェント・ストリート・フェスティバルなど様々な催しが行われている。例えば、2004年7月6日には第54回F1イギリスグランプリの開催を記念して、F1マシン8台によるデモランが行われ、約50万人の観衆を集めた[3]2009年2月にはアイルランドのロックバンドU2がライブを開催し、話題を集めた[4]。また毎年クリスマスシーズンになるとストリート全体がライトアップされる。このライトアップは映画とのタイアップが多く、2008年はスパイダーマンがテーマになった。

リージェント・ストリートのすべての土地・建物はクラウン・エステート社が独占管理している。この会社はイギリス王室の不動産を管理する会社なので、リージェント・ストリート全体がイギリス王室の関連資産ということになる。またリージェント・ストリートの建物はグレード1または2に指定されており、法律により保護されている。

主な店舗・施設

ユニクロ前
Hamleys前
Apple Store

ウエスト・エンドにあるリージェント・ストリートには多くのブランドの旗艦店が軒を連ねている。 以下、リージェント・ストリートにある主な店舗・施設である (南から北の順、2009年4月現在)。なお番地が奇数の場合は通りの東側、偶数の場合は通りの西側になる。

名前 番地 説明
ナショナル・ジオグラフィック 83-97 著名出版社の世界初の直営店。書籍のほか、旅行グッズ、衣料品なども扱う。
ユニクロ 84-86 ユニクロ初の海外店舗。旗艦店はオックスフォード・ストリートにある。
Moss Bros 88-90 イギリスで最大の売り上げを誇る紳士服ブランド直営店。
アクアスキュータム 92-100 防水性のコートで有名なイギリスの老舗ファッションブランド本店。
Clarks 101 サマセット発の靴メーカー直営店。
Austin Reed 103-113 イギリスの老舗、王室御用達ファッションブランドの本店。
Mango 106-112 ペネロペ・クルスを起用するファッションブランド。ここでは婦人向け製品を扱う。
ザラ 118-120 スペインのインディテックス傘下のファッションブランドの直営店。
Habitat 121-123 イギリスの雑貨メーカーの直営店。食器や家具などを扱う。
ザ・ボディショップ 122 ブライトン発の化粧品・パーソナルケアブランドの直営店。
Penhaligon's 125 イギリスの香水ブランドの直営店。ヴィクトリア女王の香水も手がけた。
Russell & Bromley 128-130 ケント発の靴メーカーの直営店。
Mappin and Webb 132-154 シェフィールド発の英国王室御用達ジュエリーブランドの旗艦店。
HSBC 133 ロンドンに本社がある世界最大規模の金融機関の支店。
トミーヒルフィガー 132-154 アメリカのファッションブランド。旗艦店はボンド・ストリートにある。
スワロフスキー 137 オーストリアクリスタル・ガラスメーカーの旗艦店。
ゴディバ 141 ベルギーのチョコレート専門店の直営店。
ティンバーランド 132-154 アウトドアグッズやブーツで有名なアメリカのブランドの直営店。
Hackett 143-147 イギリスの紳士向けファッションブランドの直営店。
ロクシタン 149 フェア・トレードで有名なフランスの化粧品・パーソナルケアブランドの直営店。
ブルックス・ブラザーズ 132-154 アメリカの紳士服・婦人服ファッションブランドのイギリスにおける旗艦店。
クラブツリー&イヴリン 151 アメリカの化粧品・パーソナルケアブランドの直営店。
Duchamp 155 カラフルな色遣いが特徴のイギリスのファッションブランド旗艦店。
Massimo Dutti 156 ザラ同様インディテックス傘下の男性向けファッションブランド。
ネクスト 160-168 レスターシャー発のファッションブランド。イギリス国内に多数の店舗を持つ。
バーバリー 165-167 イギリスのファッションブランド。ニュー・ボンド・ストリートにも旗艦店がある。
カルバン・クライン 170 アメリカのファッションブランド。この店ではCalvin Klein Jeansを扱う。
サムソナイト 171 有名スーツケース・ブランド。この店ではブラックレーベルを扱う。
Reiss 172 1971年創業のイギリスのファッションブランド。
リーバイス 174-176 ジーンズで有名なアメリカのファッションブランドのイギリスにおける旗艦店。
T. M. Lewin 175 イギリスの紳士向けシャツブランド。
Esprit 178-182 ドイツ香港に本部を持つファッションブランドのイギリスにおける旗艦店。
Viyella 183-189 羊毛綿をブレンドした繊維が有名なノッティンガムのファッションブランド。
ボーズ 185-191 アメリカの音響機器メーカーのイギリスにおける旗艦店。
ヒューゴ・ボス 184-186 ドイツの紳士向け高級ファッションブランド。
Hamleys 188-196 イギリスのオモチャ販売チェーンの旗艦店。観光客が多い。
フェラーリ・ストア 193-197 イタリアの高級自動車メーカーの直営店。グッズ販売やF1マシンの展示も。
Jaeger 200-204 イギリスのファッションブランドの旗艦店。
チャーチ 201 プラダ傘下のノーサンプトンシャー発の老舗革靴メーカー。
ギャップ 208 アメリカ最大の衣料品小売店。子供服を扱う'Baby Gap'も併設。
バナナ・リパブリック 224 GAP傘下のアメリカの衣料チェーン。
クイックシルバー 231 アメリカのブランドの直営店。サーフィンやスノーボード関連で有名。
ラコステ 233 ワニのロゴが有名なフランスのファッションブランド直営店。。
H&M 234 2008年に日本にも出店した、スウェーデンのファッションブランド。
Apple Store 235 MaciPodで有名なAppleの世界最大規模の直営店[5]
ノキア 240 フィンランドの世界最大の携帯電話メーカーの直営店。
Ted Baker 245 より糸を使ったデザインで有名なイギリスのファッションブランド。
Karen Millen 247 アイスランド人の女性デザイナーが経営する女性向けファッションブランド。
French Connection 249-251 'fcuk'のロゴで有名なイギリスのファッションブランド支店。
ベネトン 255-259 カラフルな色遣いが特徴的なイタリアのファッションブランド支店。
Paul 277 フランスのベーカリーチェーンの支店。日本にも支店がある。
Boots 302-306 イギリス最大の薬局チェーンの支店。イギリス中に3000以上の支店がある。
University of Westminster 307 1992年に大学となった新設校の本部。
  • フェラーリ・ストアは2009年5月6日、2007年のF1ワールドチャンピオンキミ・ライコネンによりオープンした。
  • ボンド・ストリートが約300メートル西を平行して走っており、超高級ブランドはそちらに集積している。
  • スーツの仕立屋街サヴィル・ロウも、リージェント・ストリートのすぐ西を平行して走っている。
  • イギリスの老舗百貨店 Libertyも、リージェント・ストリートを一本入ったところにある。
  • ロウワー・リージェント・ストリートには、かつて三越のロンドン支店「ロンドン三越」があった(2013年9月閉店)。
  • リージェント・ストリートの北端のオール・ソウルズ教会の隣にはBBCの本社屋Broadcasting Houseがある。



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